【写真】気持ちは絶対に熱くなっているはずだが、体が覚えているのか──ハッとさせられるほど冷静な選択をすることがある西川 (C)MMAPLANET
20日(日)に大阪市淀川区のメルパルクホールOSAKAで、本年度最後のプロ修斗興行=Shooto2020#08が行われた。ここで第2試合、西川大和林RICE陽太の一戦をお届けしたい。
2週間前に18歳になったばかりの西川は、4月のRoad to ONEでもムエタイマッチから5月と9月の修斗と2020年を飛躍のきっかけとした。これがきっかけで終わるのか、飛躍の年とするのか、初の大阪での一戦に挑んだ。
<73キロ契約/5分2R>
西川大和(日本)
Def.2R2分35秒by TKO
林RICE陽太(日本)
西川は左ローに続き、右ミドルを蹴るが林の左ストレートをカウンターで受ける。もちろん怯むことなく打撃戦を仕掛けるは右ヒザにも左を被弾しそうになる。
中間距離での打撃戦から林が組んでケージに押し込むと、西川は修斗で禁止されている掌底を繰り出し、レフェリーに注意を受ける。その後、クリンチや首相撲の攻防から西川はワキを潜ってバックに回る。
前方に崩した林がバックを取ったままスタンドに戻る。西川は前転して回避し、スクランブル。今度は逆にワンツーを振るいながら前に出て、シングルレッグを仕掛けて一気にテイクダウンを決める。
蹴り上げを受けた西川は「立ってやろうぜ」と、離れて林が立ち上がるのを待ち受ける。
林は起きがって即跳びヒザを狙い、着地と同時に左ストレートを放つ。と、ここで西川はなんと組みついてボディロック&小外掛けでクリーンテイクダウンを奪う。林はバタフライガードを取り、立ち上がった西川にここでも蹴り上げを放つ。
ローを蹴けり、飛び込んでパスを狙う西川は林の足を捌いてニーインベリーへ。さらに背中を向けてスクランブル狙いに林のバックをとり、両足をフックして絞めへ。直ぐに時間となり、初回は西川のラウンドとなった。
2R、西川は左前蹴り&右サイドキックで話を突き放し、距離が詰まると組んだ林がケージに押し込んでいく。左腕差して体を入れ替えた西川に対し、林も左腕を差してもう一度押し込み返す。
小手投げを耐えた林がケージを背負わされてもヒザを狙う。首相撲からより勢いのあるヒザをボディにヒザを突き上げた西川は、林のヒジ打ちから離れると右フック、続いてストレートを打ち込んでいく。
林が左を差しに来ると、接近戦でも右ハイを狙った西川だが、組まれてケージに押し込まれボディロック・テイクダウンを許す。直ぐに立ち上がった西川は左ロー、林の左の蹴りをキャッチしてテイクダウンを奪う。
一気に足を捌いてパスを決めると、サイドからサイドバックを西川が取る。消耗が激しくなってきた林は、座った状態でケージを背負わされ、懸命のバタフライフックも腕を押されてクラッチを組めず、背中をつかされてしまう。ハーフの状態でエルボーを落とした西川が立ち上がると、すかさず林は蹴り上げを狙う。
ここも頭を下げて飛び込み、西川は一気にパスを決めるとサイドで抑え、一度はバックに回るが林の右手を背中越しに取り、がら空きになった顔面を殴っていく。
しっかりと背中をマットにつけることで、右手を自由にした林だったが、逆に正面からエルボーを打ちつけられ、背中を向けることに。
両足をフックした西川は林が立ち上がると乗りすぎになる。ここでバックにも固執せず、腕十字に移行して下になることリスクも減らし、自ら着地──即バックに回り直す。
後方から殴り、ケージに詰めて正面に回ると西川はエルボー打っていく。回って離れた林もローに左を合わせるが、テイクダウンの仕掛けをスプロールからがぶられバックを許す。ニアバックマウント、サイドバックで容赦なくパンチを打ちつける西川は、座った林の正面に立ちヒザを胸に蹴り込む。
ついには座ったままでパンチを打たれるようになった林はヒジを顔面に受けて、マットに背中をつける。西川が起き上ってパンチを落とすと、ついにレフェリーが試合を止めた。
「立て」と言いながら直後にテイクダウンの策士振り、加えて座った相手の胸にヒザを入れ、背中に乗っても落とされて不利ならないようチョイスできる冷静さと勝負師としてのリスク管理。体力任せのガムシャラさ若さが武器のようでいて、その実──西川は勝負の綾を読み効率的な攻撃を身につけている。2021年こそ本当の意味で飛躍の年とできるか、楽しみだ。
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