【写真】1997年5月15年生まれの23歳。会社員をしながら格闘家生活を続けている (C)MMAPLANET
27日(日)東京都新宿のGENスポーツパレスでNEXUS SPROUT、NEXUS20、NEXUS21PFC24というNEXUS3部構成大会が開催される。
第2部のNEXUS20のメインでZSTバンタム級王者ジェイク・ムラタと対戦するのが、森山壱政だ。既にBRAVE CFで2度試合経験がある、23歳のファイター=森山壱政とは、どのような選手なのか、インタビューした。
──ジェイク・ムラタ戦が控えている森山選手、MMAPLANETでは初インタビューとなります。宜しくお願いします。当日計量の65.8キロということですが、森山選手にとっては1階級上の体重ではないですよね。
「そうですね。普段からフェザー級なので、当日にその体重で出る形です。ムラタ選手はバンタム級で戦っているので、通常体重だと思います」
──つまり当日計量で体重を落とす必要があるということですね。
「僕自身は65キロで試合をするための減量が厳しいわけではないので、当日に少し落とすという形ですね。水抜き有りの時は最後に2.5 キロほどドライアウトしているのですが、今回は74キロから時間をかけて8キロほど落としていきました」
──それはなかなか大変ですね。
「前回、10月に試合をして。その時も当日の65キロでやっていますし、リカバリーをほぼほぼなく戦うような感じです」
──う~ん、色々とコロナになってから試合前の準備が変わってきます。では、森山選手がどのようなMMAファイターなのか読者に知ってもらうために、いくつか質問させてください。
「ハイ」
──もともとMMAを始めたきっかけは何だったのでしょうか。
「大した理由はなく、友達に誘われてソニックスクワッドに通うようになりました。ただ、やるからにはプロでやっていきたかったので、志望動機には『プロになりたい』と書きました。
そして先輩の関(鉄矢)選手がZSTに出ていて、ZSTのプレステージからキャリアを始めました。アマ修斗やアマパンクラスとかも、当時は知らなかったので」
──森山選手は今注目の中東のMMA王国=BRAVE CFで2度ほど試合をしていますね。
「実はプロとして試合をしたのは、BRAVEが初めてでした」
──つまりプロデビューがサウジアラビアと!!
「ハイ。話を頂いて、凄く嬉しかったです。『こんな俺で良いのか』って、試合をさせてもらえるなら必死でやろうと思いました。大会規模も僕が国内で経験してきた場とは段違いで『こんなところに俺が出ても良いのか』と。
結果はロシア人(ウスマン・ヌルマゴメドフ)にゴリゴリにやられました──残り1分ないぐらいまでパウンドを落とされてTKO負けです。ただ、この試合に向けて相当に追い込んだ練習もして、自分も変われたと思います。」
──その後もBRAVEのルーマニア大会にも出場しています。
「そこもゴリゴリにやられましたけど(笑)。2試合とも完敗でしたね。ルーマニアはBRAVEといっても、現地のプロモーションが運営をしていてサウジアラビアの大会とはかなり違っていて、進行とかもグダグダでした。
セコンドで一緒に行ってくれた水垣(偉弥)さんが『これはヤバイな』って。その水垣さんはタクシーでボッタくられていましたし」
──アハハハ。それは人生として良い経験ですね。
「あの2つの国で試合をさせてもらったことは、本当に良い経験になっています。本当に有難いことです」
──BRAVEでの試合を除けば、ジェイク・ムラタ選手はキャリア最強の相手ではないでしょうか。
「自分は失うモノもないですし、思う存分やれば良いと思っています。対戦相手候補が3人いたのですが、僕が喰えば一番だと感じたのがジェイクだったので、『ジェイクとやらせてください』とお願いしました」
──なるほどぉ。あの粘っこい組み技に対しての自信の程を教えてください。
「これでやられるとか、特に相手が優っているという部分はないので。練習通り、普通通りにやれば大丈夫だと思っています。何かを警戒するとかはないです」
──私どもも森山選手がどのような選手が分からないのが正直なところでして、指導されている安田けん選手に『森山壱政とはどのような選手なのでしょうか』と尋ねたら、興味深い回答がありました。まず、『動きが鯖みたいな子です』と。
「さ、鯖ですか? アハハハハ。鯖……鯖ってどういう動きなのでしょうか……」
──ピチピチしていると。
「……。そうですね……練習だと、ひたすら動いている感じなので」
──さらに『組みは技術というよりも、体のバネで動いている感じですが、井上直樹選手たちとも普通にスパーリングをしていて弱くはない』──とのことです。
「アハハハ。まぁ反射的にやっているというか……。うちの関選手、井上選手、パンクラスの雑賀ヤン坊達也選手、修斗の倉本(一真)選手とか、普段から強い方と色々と練習させてもらっているので、体にしみ込んでいるかと思います。あと佐々木憂流迦選手とも少しやらせてもらいました」
──錚々たるメンバーですね。日本のトップどころと練習することで手応えを感じるということはありますか。
「いやぁ……さすがだなって感じですけど、やらせてもらって自分も成長しているとは思います」
──ではMMAファイターとして森山壱政の一番の武器は?
「武器は……できない部分がない。こういう局面になると厳しいということはあんまりないです。全て対応できるとは思っています」
──そんななか安田選手は『打撃の当て勘は今一つですが、ピチピチ当たります』と。ピチピチ当たるという意味が、分からないのですが(笑)──どういうことだと思いますか。
「う~ん、ガツンっていうのは当たらないということですかね(笑)」
──あぁ、確かに『かなり当たるのですが、倒せません』ともありました(笑)。
「アハハハハ」
──そして気になるのが『気持ちは弱いです』と、ボロンチョなことが書いてあります。
「そこは分かっています(笑)。強気に出られないんです。もう始めた当初から、ずっと色々な人にしごかれて、強い人に怒られて練習してきたので、『俺は強いんだ』という気持ちは一切ないです。
ただ相手に対しては自信がないなんて言っていられないですし、試合が始まったらやるだけです」
──最終的には『上手くハマったときは凄い良いです。そこができれば化ける、ポテンシャルはかなり高い』という言葉で締められています。
「あぁ、嬉しいです。練習でしてきたことを出し切ることが理想なのですが、いつも不完全燃焼で終わってしまいます。だから、スパーリングをやっているような感じの力を出せればと思います。そこが課題です」
──喰えば一番のジェイク選手との試合後に関しては?
「そうですね、試合間隔を空けずにコツコツと組んでもらった試合を全て勝っていって、名前を知ってもらいたいです。最終的にはRIZINとかで試合をしたり、それとBRAVEでリベンジしたいという気持ちは、とてもあるので──。まずはNEXUSのフェザー級トーナメントで優勝した人と戦いたい。本来は、日曜日の試合に勝たないと言えないことですが、そういう気持ちでいます」
──では最後にMMAPLANETの読者に、ジェイク・ムラタ戦を通してどのようなところを見てほしいか一言お願いします。
「まだまだこの先、上を目指してやってくので。打撃が凄く強い選手、寝技の選手、どのような選手が相手であってもしっかりと倒していける──全てが武器になるようなファイターになるので、宜しくお願いします」
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