【写真】勢いは完全にロドリゲスにあるが、シモエスも一念発起──意地を見せることができるか(C)SATOSHI NARITA
26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでノーギグラップリング大会Who’s Number One(WNO)07が開催され、Flo Grapplingで放映される。世界最強のノーギ・グラップラーを3度に分けてプレビュー。
第2回は可能性はまだまだ無限大のニック・ロドリゲスと、最近は制裁を欠くユーリ・シモエスの見所を探りたい。
Text by Isamu Horiuchi
<15分1R>
ユーリ・シモエス(ブラジル)
ニック・ロドリゲス(米国)
シモエスは、ADCC世界大会で二度王者に輝いた(2015年88キロ以下級、2017年99キロ以下級)ベテラン。闘争心を全面に押し出すスタンドレスリング、爆発的なスピードで左右に動いてのパスを軸としたトップゲームで世界を制してきた。
その実、しっかりとガードゲームでも詰将棋ができるシモエスだが、近頃はその強さが発揮できないことが続いている。昨年末のOne Championshipで中国のファン・ロン相手にMMAデビューを果たすも、寝技で極めきれず、打撃を被弾し判定負け。2月のBJJ Stars 5では道着着用のヘビー級グランプリに代打出場し、ルーカス・バルボーザに0-7で敗戦。さらに2週間後にはF2W 164に出場し、最も得意とするノーギグラップリングで階級下のヴァグネウ・ホシャと対戦し、下から攻撃を仕掛けてゆくも防がれて不可解な判定負けを喫してしまっている。
対するロドリゲスは、ゴードン・ライアンを擁するジョン・ダナハー軍団の新鋭。2019年のADCC世界大会最重量級に青帯ながら出場し、強力なレスリングベースを活かしたダイナミックな攻撃とスクランブル力をもって、モハメッド・アリー、オーランド・サンチェス、ホベルト・アブレウといった世界王者たちを次々と撃破して準優勝に輝いた。
昨年7月の直近の試合ではロベルト・ヒメネスに敗れるなど、2020年にはそれほど多くの試合には出なかったロドリゲス。それでも、豪華メンバーを揃えたKASAI Pro7のヘビー級グランプリでサイボーグ・アブレウやヴィニー・マガリャエス等と引き分けて3位入賞し、力を示している。
コロナ禍のNY、そして最近チームごと移住したプエルトリコにて、ゴードン・ライアン、クレイグ・ジョーンズらとの激しい練習を欠かしていないというロドリゲス。ADCCではもっぱらレスリングと身体能力に頼って戦ったが、それ以来柔術技術の習得に専念してきた様子だ。
「自分はゴードンを身体能力ではるかに上回る。だから同程度の技術を身に付ければ必ずゴードンに勝てる」と最強のチームメイト超えを宣言することも辞さないロドリゲスが進化を見せつけるのか、それともシモエスが最近の不調を乗り越えて強さを発揮するのか、注目の重量級決戦だ。
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