【写真】石井慧がイゴール・タナベを壁に押し込む。なんという空間だ!!(C)MMAPLANET
月25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48で、サブオンリー・グラプリング戦でアンディ・コングと対戦するイゴール・タナベ・インタビュー後編。
石井慧の欠場でMMAは2試合となってしまった同大会だが、イゴールがケージで戦うグラップリングは要注目だ。立ちから倒して極めるというイゴールは、壁を使った攻撃をすることも断言した。
コロナ禍でMMAファイターよりも、実戦の機会が激減した柔術家やグラップラーたち、そのなかでイゴール・タナベは今、何を想い金網に足を踏み入れるのか。
<イゴール・タナベ・インタビューPart.01はコチラから>
──立ち技ですか!!
「ちょうど今は石井さんとか、住村さんと練習をしていますし、ロータスにも行かせてもらって、立ち技から倒して極めるという流れを磨いている最中なんです」
──ケージという要素は意識しますか。
「この試合が決まる前から青木さんやイワモッティ(岩本健汰)と練習していて、壁の意識はありました。青木さんには全く敵わないんですけど……」
──青木選手が相手といっても、さすがに敵わないというのは無いのでは?
「壁レスは無理です(笑)。敵いません。ケージは柔術で1度やったことがあるのですが、柔術だとケージに詰まると中に戻されるので、壁を生かす試合は初めてです。倒す流れ、そこから極めに行く。壁にいくなら、練習仲間とやってきたことを出したいです。
イゴールはラペラだけじゃなくて(笑)、立ち技もできるハイブリットなんだって見せたいです」
──試合ができない間に、穴埋めができているという感じでしょうか。
「色々な方と練習できていて、そこは恵まれていると思います。大きくてテクニシャンの石井さんから、小さくて速い米倉大貴まで幅広いタイプの選手と練習できているので、誰とやっても勝てると思っています」
──ただしサブオンリーだからこその落とし穴で、守りに徹して取らせないという状況に陥ることもあり得ます。
「今回の試合も、そういうことがあると理解して準備してきたので、極める自信はあります」
──HEATという場で試合をすることで、今後もMMAの大会で試合を組んで欲しいという気持ちはありますか。
「ありますね。いつの日か、RIZINでもグラップリングをやらせてくれたらなっていう想いはあります。この試合のあとも、予定は立っていないですし。試合があればあるだけ出たいと思っているのですが、国内では予定が立たないので──9月にパン柔術がフロリダで行われるのですが、そこは視野に入っています。
ずっとギを着ていなかったのですけど、バンの2カ月前──7月からはどっちもやろうと思っています。帰国してから隔離措置が必要だと斎藤(穂高IGLOO)社長に迷惑を掛けてしまうのですが、ここは米国で試合に出たい……と思っています」
──それでもポジティブにやっていこうと心掛けているように見受けられます。
「家族もいるし、くよくよ悩んでいられないですよね。そういうもんじゃないですか。僕はコロナの状況を変えることはできないし、すぐに終わることもない。なら、自分のできることをやるだけですからね。
また柔術界が以前のように戻った時に、しっかりと戦えるようになっておかないと。去年はちょっと現状にショックを受けて、だらけてしまったことがあったんです。あんな風にならないようにします。
何よりコロナになったから、ノーギに取り組み足関節の練習をするようになったというのはあります。自分はZSTグラップリングに出るまではグラップリングを否定していたんです。ヒールが怖くてやりたいくなって。でも、それはヒールを仕掛けられて勝てないことから逃げていたんです。
柔術では勝てるのに、なんで似たことをやって負けないといけないんだって……。グラップリングを受け入れることができない自分がいました。でも試合に出るなら、グラップリングしかないという状況になったので練習をして、好きになることができました。今はグラップリングも柔術と同じぐらい得意と言えます」
──素晴らしいですね。ではこれまで目標にしていなかったADCCも目標になったような感じでしょうか。
「そうですね、出たいですね。モッティと一緒に出たいですね」
──そのADCCも1年開催が延期されましたね。予選もまだどうなるのか。
「それ以前に僕はまだブラジル国籍なので、アジア・オセアニア予選に出ることができないんです。永住権は持っているから、なんかそのあたりの規定が変われば良いのですが……。もう日本に17年も住んでいるし。帰化も考えています。ただし、これから自分が何をしていくのか、まだ確定していない。海外に行くのか、日本にいるのか。日本に住み続けるのであれば帰化することが一番の選択肢です」
──その将来を想い描くなかで、2年も競技者生活がストップに近い状況というのはしんどいですね。
「ありえないです」
──一緒に練習しているMMAの選手は、試合があるわけですしね。
「それを見ていて、自分もMMAをしたくなることがあります。MMAの人と一緒にいることが多くて、ロータス世田谷とかでも、皆がなんか格好良いですよね。柔術と試合前の準備も違いますし、楽しそうです。MMAをやるなら、まず殴られることの恐怖を取り除かないといけないですけどね」──そんな日が訪れることを楽しみにしつつ、まずはHEATでのアンディ・コング戦です。最後に意気込みのほどをお願いします。
「必ず極めます。それだけです。試合に向けての練習は最高だったので、自分を持って戦えます。今の一番の心配、髪型をどうするのか……です(笑)」
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