メインは序盤は金原の攻めを警戒していたのか、思いの外おとなしめだった鈴木だが、金原が手を出せないまま、鈴木のラッシュに巻き込まれてKO負け。最初のタックルへの対応で、テイクダウンするのは難しいと思ってしまったのか。
次期挑戦者は6月のクレベル vs. アーチュレッタの勝者が濃厚とされるが、再度クレベルとの決着戦が見たいところ。
セミの牛久はバンタム転向初戦で結果として一番相性が悪い相手との対戦になってしまった。朝倉未来戦で自信満々に引き込んだ下からの仕掛けは今回も不発。ここで負けたことで使いづらい存在になってしまったし、すぐにフェザー級に戻せば、単にバンタムが向いてなかっただけということで片付けて、この負けがなかったことにできる可能性もあるし、一つの手段だと思う。
ある意味秒殺勝利よりも強さを見せる勝ち方をした太田だが、昨年将光に負けていて、その将光が井上に負けているので、すぐにはタイトル戦線にお呼びがかからない状態。かといって太田とやりたがる選手もいないだろう。矢地のようにBellatorに貸し出して実績を作れたら面白いが。
前半の試合の感想。
▼第1試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R
〇高木 凌(パラエストラ八王子)
[1R 4分4秒 TKO]
×西谷大成(JAPAN TOP TEAM)
高木が西谷の組みを凌ぐ展開で、予想より苦戦していたと思ったが、西谷がパンチで突っ込んできたところに右カウンターでKO。
試合後のマイクで「DEEPで頑張ったらいい」と言っていたが、(本心は知らないが)煽るのではなく本人のためを思って言っているように思えた。が、自分も本来DEEPで戦う選手に勝っただけというのはわかっているのかどうか。これで今後もRIZINで戦えるレベルの選手だと思って勘違いすると、瀧澤化しないか心配。RIZINではそうそうチャンスも与えられず試合間隔が開くだろうし、パンクラスでもDEEPでもコンスタントに試合をした方がいいと思う。
▼第2試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R
×山本空良(パワーオブドリームジム)
[1R TKO] ※パウンド
〇イルホム・ノジモフ(ウズベキスタン)
1Rに組んでコーナー際でテイクダウンを狙う山本に対し、今時めずらしいほどガッツリロープを掴むノジモフ。つい掴んだというレベルじゃない。なぜか即注意をしないものだからちょくちょくロープを利用するノジモフ。1R終了後に警告が与えられたとアナウンスされたが、ロープ掴みをした時点で試合を止めてメッてするべきだったと思うし、悪質だったので即イエローでも良かった。
試合はノジモフの圧に圧された山本が逃げの引き込みから一発関節狙い。それくらいしか勝機がないと悟っての攻めだったのかどうかわからないが、1年かけてこれでは、正直今後RIZINで使うのは難しいレベルだと思う。前の試合の高木となら釣り合いが取れるかもしれないので、北海道大会があれば組むのもいいかもしれないが。
▼第4試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R
×中原由貴(マッハ道場)
[判定0-3]
〇ビクター・コレスニック(ロシア)
中原が1Rにパンチを効かされたピンチを乗り切ったが、その後もコレスニックのジャブや蹴りを被弾する展開を変えられないまま、打ち合いを続けて判定負け。もうちょっと早めに作戦を変える選択はなかったか。
コレスニックは3連勝としたが上位と当てるほどの期待感もない、使いづらい存在に。とりあえず新規日本人選手の門番役ポジションか。
▼第5試合 RIZINライト級(71.0kg)5分3R
〇“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館)
[判定3-0]
×井上雄策(リバーサルジム川口リディプス/MAJESTIC)
両者手数が少ない凡戦の末、多少手数を出していたベイノアが判定勝ち。
1勝3敗でも呼ばれている選手と、副業で出ているだけの選手の対戦は、勝敗度外視のアグレッシブな戦いを期待して組んだと思うのだが、まさかこんな展開になるとは思っていなかっただろう。KO負けするよりも次に使いたくなくなる試合。実際2人とも今後RIZINで使われるか微妙。もっと格上の相手と組んだ方が良かったのか。