PFL2024#4:オッズ/予想と展望

PFLで一番面白いリーグ2戦目。試合中、リアルタイムで決勝トーナメント進出者が決まっていく。試合順も重要で、最初の方の試合はとにかく早いフィニッシュ勝利が必要となるが、後になるほど得点状況が確認できるので、決勝進出を見据えた戦術が取れる。場合によっては、「負けても決勝進出」「勝っても予選敗退」といった消化試合が発生することもあるが。

わかりやすくするため、実際の試合順ではなく階級ごとにオッズを紹介。

ヘビー級 

(B)ワレンティン・モルダフスキー 6点・1位 1.59
(B)リントン・ヴァッセル 0点・6位 2.40
(P)デニス・ゴルツォフ 4点・4位 1.25
(P)チアゴ・サントス 0点・新 4.00
(B)マルセロ・ゴルム 0点・6位 2.45
(B)タイレル・フォーチュン 0点・新 1.57
(B)オレグ・ポポフ 5点・2位 1.36
(B)ダヴィオン・フランクリン 0点・新 3.15
(P)ダニーロマルケス 0点・新 2.35
(N)ティモシー・ジョンソン 0点・新 1.61
欠場
(B)ダニエル・ジェームス 5点・3位
(B)セルゲイ・ビロステニー 3点・5位
(N)ブラゴイ・イヴァノフ 0点・6位
(B)スティーブ・モウリー 0点・8位
(P)アンテ・デリヤ 0点・10位

ヘビーはなんと半分の5人が欠場。試合間隔が短く、フィニッシュ決着が多かったので、初戦のダメージで出場できない場合があるのは仕方ないが。初戦勝った3位ジェームス、5位ビロステニーも欠場しているため、2戦目からの出場となる新規参戦組にも十分決勝進出の可能性が残されている。なんなら敗退したとしても、決勝トーナメント進出者が欠場して代役で100万ドル獲得の機会を得る可能性もある(欠場した場合は、リーグ戦次点の選手の勝ち上がりとなる)ので、ヘビー級はチャンスが多い階級と言える。また、欠場したダニエル・ジェームスが1戦目の5点のみで勝ち上がる可能性も残されている。

1位のモルダフスキーは実はほぼ勝ち上がりが決まっていて、マルセロ・ゴルムがモルダフスキーの初戦の勝利タイム(2分17秒)より短い時間で勝たない限り、最低でも4位に入るし、2位ポポフと4位ゴルツォフが負ければ、その時点で決勝トーナメント進出が確定する。

しかしモルダフスキーの相手はヴァッセル。両者はBellatorで2度対戦して1勝1敗で、昨年3月の試合ではヴァッセルが1RKO勝ちしている。初戦負けているヴァッセルが、決勝進出のために最初からハイペースで攻めてくる可能性がある。リベンジ戦でもあるし、仮に消化試合になったとしても、モルダフスキーとしては気が抜けない試合となる。

2戦目からの代役出場となるティモシー・ジョンソンは、2021年にBellatorで当時の暫定王者モルダフスキーのタイトルに挑戦したことがある(判定負け)が、昨年リリースされて、PFLには移管されなかった。同じく代役出場となるチアゴ・サントスは本来ライトヘビー級で、TUFブラジルにはウェルターで出場していた選手。ヘビー級の試合は初。

2位ポポフ・4位ゴルツォフは、内容にかかわらず、勝てば決勝進出が決まる。相手にも恵まれているので、勝ち上がる可能性が高いか。あとはアンダーカードでも、早くフィニッシュするほど勝ち上がりの可能性が高くなってくる。

女子フライ級 

(P)ダコタ・ディッチェバ 6点・1位 1.08
(P)チェルシーハケット 0点・7位 10.00
(B)リズ・カモーシェ 3点・4位 1.33
(B)渡辺華奈 3点・4位 3.40
(N)タイラ・サントス 6点・2位 1.42
(B)ジェナ・ビショップ 6点・3位 3.05
(B)イララ・ジョア0点・8位 1.67
(P)シェイナ・ヤング -1点・10位 2.20
(B)ジュリアナ・ベラスケス 0点・6位 1.33
(P)リサ・モールディン 0点・9位 3.40

ヘビー級と対照的に、女子フライ級は欠場者ゼロで、全員がリーグ戦2戦目に臨む。決勝進出ラインの上位4名のち3人は初戦1Rフィニッシュ勝利。6点獲得の3人は、勝てば決勝トーナメント進出が確定する。

1位はPFLが露骨にプッシュしているディッチェバで、ストライカーだが、ここまではまだレベルが高い相手との対戦経験がない。今回の相手はキック世界王者のハケットで、もっとも相性がいい相手。そのため、オッズも今大会一番の大差でフェイバリットとなっている。ディッチェバの勝ち上がりは固い。

続く2位サントスと3位ビショップは直接対決。しかし、ビショップはMMA7戦全勝とは言っても、36歳でMMAデビューしてキャリア2年。柔術・ノーギで活躍してきた選手で、ディッチェバ同様、MMAのトップとは対戦経験がない。初戦もグラウンドに穴があるハケットが相手だから1Rでフィニッシュできたようなもの。元UFCランキング1位のサントス戦が、初めてMMAでの実力を試される試合となる。

ボーダーライン上の4位カモーシェと5位渡辺は直接対決。カモーシェは初戦がBellatorランキング1位のベラスケスとの対戦で、2戦目がBellatorランキング2位の渡辺と、もっとも厳しいマッチアップとなっている。前回3年前の対戦では、パンチのディフェンスに難がある渡辺に序盤からパンチを打ち込んだカモーシェが秒殺KO勝ち。打撃のスキルについては度々疑問視されてきた渡辺だが、リベンジを果たすには前回からの相当な向上がないと厳しい。

得点争いのカギとなるのが初戦でカモーシェに敗れたベラスケスで、2戦目の相手は初戦でディッチェバに一方的に敗れたモールディン。昨年、PFLチャレンジャーシリーズで勝って出場を決めた選手だが、正直今回の出場選手ではワンランク落ちる。もし、ベラスケスが1Rでフィニッシュ勝利した場合、カモーシェ vs. 渡辺戦が判定決着なら、得点は両者6点で同点となる。

ベラスケスが1R勝利し、カモーシェ判定勝ちの場合、タイブレーク規定の1「直接対決の勝者」により、勝ち上がりはカモーシェとなるが、渡辺が判定勝ちした場合は、タイブレーク規定3「フィニッシュ数が多い方」という規定により、決勝トーナメント進出はベラスケスとなる。ベラスケス vs. モールディン、イララ・ジョアニ vs. シェイナ・ヤングの2試合の決着が2R以降であれば、渡辺も勝てば(ほぼ)決勝進出となるため、カモーシェ vs. 渡辺戦の前に行われるベラスケス vs. モールディン戦など他の試合の結果も、戦い方に影響を与えることになる(もっとも、渡辺は試合の勝ちに徹するため、得点状況で作戦を変えたりはしないと言っているが)。

ワンマッチ

(B)スミコ・イナバ 1.25
(N)サライ・オロスコ 4.00
(N)メリッサ・バリック 1.36
(B)クリスティーナ・キャッツキズ 3.15 ※中止

ワンマッチ2試合はどちらも女子フライ級。なにげにRIZIN参戦経験のあるオロスコが出ている(RIZIN.15で村田夏南子にヴォンフルーチョークで一本負け)。

第1試合開始は14日朝6時半。速報します。

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