フライ級5分5R。ロイバル1位、平良5位。
ロイバルはUFC6勝3敗で、負けた相手は現王者パントージャ(2度)と前王者モレノのみ。昨年12月にパントージャのタイトルに初挑戦したが、終始パントージャがテイクダウンからパスする展開で攻めさせてもらえず、二者がフルマークの大差で敗戦。2ヶ月後に組まれていたモレノ vs. アルバジ戦で、アルバジの欠場に伴い代役として出場。モレノの地元メキシコというアウェイだったが、3Rまでジャッジの判定が割れる接戦となったものの、テイクダウンされても下から足関・三角・オモプラッタなどを仕掛けてポイントを取らせずスプリット判定勝ち。が、2ヶ月前にタイトル戦で完敗したばかりということで王座再挑戦の機運は上がらず。8月のオーストラリア大会では、UFCデビュー戦となる朝倉海との対戦をオファーされたが、ランク外の相手と海外(相手のタイムゾーン)での試合である上に、勝っても王座挑戦の確約は得られないとのことで、リスクに対するリターンが見合わないとして拒否している。32歳。
平良はモカエフがリリースされたことでフライ級ランカー最年少に。プロデビュー以来16戦全勝、UFC6戦全勝。何度も相手の都合により試合が延期・消滅している印象があるが、平良自身に長期欠場がないため、22年5月以降7試合目というのは、ロイバルの5試合より2試合も多い(ランク外の相手でも拒否せずに試合を受けていたからという側面もある)。前戦はレスラーのペレスからタックルでテイクダウンを奪うと、立ち際に背中に乗って、おたつロックでグラウンドに持ち込もうとし、こらえたペレスが膝を負傷してのTKO勝ち。24歳。
オッズは下位ランカーだが無敗の平良がフェイバリット。勝てば日本人初のUFCランキング1位となる。
サウスポーのロイバル。蹴りで牽制するが空振り。平良も距離を取り様子見。お互いフェイントを繰り返している。またロイバルのハイが空振り。ミドル。今度はヒット。平良キャッチしてタックルに。首をギロチンに抱えるロイバルだが、放したところでダブルレッグに入る平良。が、無理をせず離れた。平良の右ストレートがヒット。ロイバル左ミドル。平良もインローを返す。踏み込んで左ミドルを出したロイバルだがまた空振り。パンチで出たロイバル。平良の右に左を返したロイバル。ロイバルの左ミドルがヒット。また左ミドル。ロイバルのワンツーが平良の顔面を捕らえた。また左がヒット。またミドルが入った。そのままバックブローを放つロイバル。さかんに左ミドル・左ハイを蹴るロイバル。手数で押す。平良のジャブでバランスを崩したロイバル。その瞬間にタックル。スタンドバックからテイクダウンした。すぐに下から足関を狙うロイバル。ディフェンスしている平良だがロイバルが仕掛けて攻めさせない。足を引き抜いた瞬間にロイバル立つ。ホーン。
1Rは有効打数でロイバル。
2R。ワンツーを入れた平良。ライブオッズは僅差になったがまだ平良。ロイバルが出てヒザを出したところでキャッチしてタックル。バックマウント!暴れて逃れようとするロイバル。四の字バックからパウンドを入れる平良。スクランブルで逃れようとするロイバルだがバックキープ。おたつロック。逃げようとするロイバルを逃さない。座った体勢になったロイバル。また反転しようとするが、平良バックキープ。パウンド。チョークを狙うが防いでいるロイバル。残り1分。平良ハーフネルソンからまたマウントに。ロイバルディープハーフから返そうとするが、先回りしてバックに回る平良。ハーフからパウンド。残りわずかで立ったロイバルのバックを取った平良だが自ら放した。ホーン。
2R平良。この試合一番のポイントになるロイバルのスクランブル力 vs. 平良のコントロール力の勝負では完全に上回った。
3R。平良のワンツーがヒット。ジャブもヒット。ロイバルは手が出なくなっている。詰めるとロイバル下がった。ケージまで下がったところにタックル。こらえてヒジを入れるロイバル。さらにヒザ。離れたロイバル。右を入れるロイバル。左もヒット。さらにアッパーも入る。平良ちょっと下がった。連打を入れるロイバル。頭の動きが止まっている平良。逃げ気味のタックル。シングルレッグでしがみつくところにロイバルの鉄槌をもらう。しかしシングルから振ってバックを取った。テイクダウンしたがすぐ起き上がり上になるロイバル。なおもテイクダウンを狙う平良だが切ったロイバル。逆にバックを取ったロイバルがバックから腕十字。しかし外した平良がパスしてサイド。マウントからバックに。四の字バックからチョーク!パームトゥパーム。ギリギリ入ってないか。ホーン。
3Rロイバル。効いたのはタックルを切ってのブラウン肘か、その後のパンチか。KO負けかと思ったところから良く盛り返した。しかしダメージがどれだけあるかが心配。
4R。パンチで出るロイバルにジャブを返す平良。右。しかし頭の動きがなくロイバルのパンチを貰っている。平良タックル。切りきれずにバックを許したロイバル。バックからたすきにとってヘンゾフックから後方に倒れ込みおたつロック。足のロックを外そうとするロイバルだが四の字ロックに切り替えた平良。スクランブルを狙うロイバル。反転しようとするが、平良バックキープ。またチョーク。ロイバルスクランブルで逃れようとするが、どんなに動いてもポジションをキープし続ける平良。肩固めのポジションからおたつロックに切り替えた平良。また四の字ロックに。ロイバルの腕ごと足でロックしている。残り30秒。腕を抜いたロイバルがディープハーフに入って逃れようとしたところでホーン。
4R平良。2-2で最終ラウンド勝負に。
5R。パンチで出るロイバル。タックルのフェイントに反応してスリップしたロイバル。明らかに動きが落ちている。平良のワンツーがヒット。苦しげな表情からパンチを出していくロイバル。ケージを背負ったロイバルにタックル。またバックを狙う。ロイバルを押さえ込みノースサウスポジション。向き直りタックルに入るロイバル。逆に上を取りに行く。平良も消耗している。ロイバルは両足を束ねると逆にバックを取った。平良立ち上がりスタンドバックに。ロイバルが背中に乗ろうとしたが、足のフックがかからず降りた。肘を入れて離れるロイバル。パンチで出た平良だがロイバルのジャブがヒット。手を出すロイバル。平良タックル。シングルレッグ。こらえたロイバル。平良離れた。ヒザを出したロイバル。平良の右がヒット。ロイバル左右の連打。バックブローは空振り。平良のタックル。ロイバルギロチンに捕らえる。反転してマウント。回転して外した平良だがロイバルのバックマウント。フェイスロック。こらえた平良。外して反転したところにロイバルが腕十字を狙ったがタイムアップ。
48-47平良、48-47ロイバル、48-47ロイバル。スプリットでロイバル勝利。
平良激闘の末にキャリア初黒星。
#UFCVegas98 Official Scorecard: Brandon Royval (@BrandonRoyval) vs Tatsuro Taira
— UFC News (@UFCNews) 2024年10月13日
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割れたのは1R。平良が2R・4Rはフィニッシュ直前まで攻めたが、ロイバルはスクランブルできなくてもフィニッシュは許さなかった。パンチの被弾で徐々にダメージが蓄積していったか。最終ラウンド、平良がテイクダウンした時は勝ったと思ったが、それまで完全にコントロールしていたところを、ギリギリの場面になってロイバルのスクランブルで逃れられてしまった。しかし3RにKO寸前まで追い込まれたところから良く盛り返した。間違いなくフライ級のトップであることは証明した試合。まだ24歳。打撃が課題ではあるが、伸びしろでもある。