【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、サンチン編─05─「僅かに吸うと呼吸が体を通り……」

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【写真】サンチン、型の分解。今回はここまでの動きに関する呼吸について触れたい (C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型を使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせないモノであって、その形で戦うことではない。

サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。5種類の型稽古にあって、唯一サンチンのみが意味を吸いて吐くという意味での呼吸を学ぶことができる。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンの解析、第5回──用意の姿勢から突き、受け──ここまで紹介した動きの間に見られる、呼吸を振り返りたい。

<サンチン解析第4回はコチラから>


(01)サンチンをする際の呼吸、まず用意の姿勢の時に息を吸うが、呼吸そのものは大きく見せることはしない。

特に吸うときは、通常の呼吸と同じように息を吸っていることをことさら強調しない。

基本的に武術は呼吸を見せないモノで、サンチン以外の型では隠し呼吸といって、外には見せないようになっている
  
(02)用意の姿勢から始めの声が掛かり、足は結び立ちから内八の字立ちとなり、手の甲を交錯している状態から正拳を握り体側に開き下ろす時に息を吐く。

✖ 動作に合わせてハッと息を吐く。

肩を上げて息を吐く動作はガク引きと呼ばれ、よく見られている。しかし、このガク引きのような大きな動作と大きな呼吸は必要ない

【重要】吸った時を特に見せないようにするのは隙だらけになり、その瞬間に腹を突かれると相当に効かされてしまうから。

吸う呼吸を見せることは健康法ではあっても、武術ではありえない

(03)01:右足を内に回しながら前に進めるとき、両腕が交差し足は内側にある時点まで息を吸い、

(03)02:両腕受け&右足が外に踏み出した時に息を吐く。ここでもガク引きはせず、腹を圧縮するようにし、

(03)03:ごくごく小さく発声するように吐く

(04)左手を引きながら、吸い

(05)突きながら吐く

✖腕を突く時に、大きくヒザでタメを作り同時にハッと大きく発声しながら息を吐いてはいけない

(06)腕受けの際は、外側に下がっている時に吸い

(07)内側を挙がってくるときから、両腕受けになるまで吐く

サンチンの息の吐き方を身につけると息が長くなる。呼吸が長くなるとサンチンに掛る時間も長くなる。

【最重要ポイント】新しい空気を入れるよりも、古い空気を出していないことの方が疲れに通じる。大きく吸って、大きく吐いてという動作をしていると、実際には体の中に呼吸が通っておらず人間の体は軽くなる。少し口を開き、僅かに吸うと呼吸が体を通り、強い状態になる。つまり吸って、吐いてという呼吸を学ぶことで、最終的には吸ったり吐いたりするのではない、体の内面に流れる呼吸を身につけていく。

<この項、続く>

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