【写真】幼少期から苦労の連続──ボカン・マスンヤネはどのような事態でも、常に落ち着いている(C)MMAPLANET
4日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE114「Bing Bang」で、ボカン・マスンヤネがレネ・カタランと戦う。
昨年7月にバックスープレックス、バックフリップでシングルレッグを回避という驚異的なフィジカルをパンクラスで見せたボカンは、12月にONEに転じた。
そして、澤田龍人を相手に日本で見せた試合とは正反対の渋めのファイトで初勝利を挙げている。あれから1年、新型コロナウィルスのパンデミックは、ボカンの母国である南アフリカも襲い、一時期は世界で4番目の数の感染者数が出てきた。
そのような状況で、ボカンはジム活動の再開を待ち、カタランというタイトル・コンテンダーとの試合を承諾した。
──金曜日にレネ・カタランとの一戦を控え、シンガポール入りしたボカンです。まず南アフリカの新型コロナウィルス感染状況とその影響を教えていただけないでしょうか。
「そうだね……南アフリカの感染者数は世界でも、かなり多い方の部類に入る。結果、人々は職を失い、経済的に大きな打撃を受け皆の生活に大きな影響が出ている。結果、案の定というべきか傷害、強盗事件の数も増える一方でね……最悪の状態だよ。
もともと犯罪発生数でいえば、世界でも指折りの治安の悪い国だったけど、OVID19のおかげでさらに状況は悪化している。本当に国全体が大変な状態だよ」
──なんとも……ですね。そのなかでボカンはMMAの練習は問題なく行えていたのでしょうか。
「ジムは9月までクローズドされていたよ。2カ月前にジムで練習できるようになったけど、それまでは何カ月もジムで練習はできなかった。だからジムが再開されると、ファイトできる状態に戻すため、その準備に取り掛かってきたんだ。
言い訳にはしたくないけど、練習という部分でもタフだった。でも、この2カ月間は12月には試合ができるようにできるよう練習を行うことはできたよ」
──ジムが再開されるまでは、どのように過ごしていたのですか。
「それまでは実家に戻り、弟を相手に反復練習をしたり、シャドーボクシングをしていた。技術力をキープすることは簡単ではなかったけど、それでも現状を維持することと、シェイプを保つことにフォーカスし、ジム活動が再開されるのを待っていたよ」
──そのなかで今回の試合のオファーがあったのですね。
「それも2カ月ほど前だよ。コーチとは、それで戦う状況が創れるのかという話し合いを行った。コーチとは2週間でどれだけ調子、感覚が戻っているのかを確認しようということになったんだ。
そして2週間後、この試合を受けることを決めた。これなら間に合うと思ったからね」
──対戦相手レネ・カタランの印象を教えてください。
「とても爆発力があるね。打撃は特に優れているよ。ただし、僕の方が優れたファイターだと思っている。カタランと戦うために何か特別な練習をするということはなかったし、自分のやるべき戦いに必要な部分に、より磨きをかけてきた。
しっかりとゲームプランを立て、この試合で何をすべきかを頭にいれてトレーニングをしてきたんだ。準備は整っているよ」
──昨年12月のONE初戦では、かなり動きが固かったように感じました。日本で見せたエンターテイメンター振りは発揮できなかったですね。
「その通りだよ、何も言い返すことはできない。ONEチャンピオンシップは世界で最も大きなマーシャルアーツ・オーガニゼーションだ。
これまでのキャリアで、あんなに多くのファンを前にして戦ったこともなかった。凄く緊張してしまったんだ。観客の多さだけでなく、ファイトウィークから大会の規模が何かも、過去に経験したことがなかったので……地に足がついていなかった。
結果、自分の力を出すことすらできなかったんだ。あのパフォーマンスは僕も納得していない。
だからこそ、次の試合ではもっと良いパフォーマンスを見せたいと思っている。去年のあの時点よりも、MMAファイターとして強くなっているし、今の力を全てケージのなかでカタランを相手に発揮したい。絶対にONEデビュー戦よりも、良い動きを見せるよ」
<この項、続く>
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