【Special】Fight & Life#82より、カルペ芦屋をオープンした岩崎正寛。「柔術の説明ができるようになった」

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【写真】ジムのある建物の前を国道二号線が走る (C)MMAPLANET

21日(月)、岩崎正寛が生まれ故郷・神戸の東隣である芦屋市にCarpe Diem芦屋を正式オープンした。

コロナ禍で関西に自らのジムを開くこと決め、半年間知人のサポートによりテンポラリー道場で基礎を固めていた岩﨑のインタビューが、12月23日(水)発売のFight&Life#82に掲載されている。

ここでは誌面で掲載しきれなかった──自らの城を開いたことによって、新たに気付いた岩﨑の柔術観をお伝えしたい。


──自らの道場を出す、青山や三田で柔術の指導をしていた時と柔術そのものへの見方が変わるということありましたか。

「ハイ。ここには柔術というだけで、それが何か理解してもらえる文化はないです。先日、入会した会員さんは全く柔術を知らなくて、そこから始めたんです」

──つまりは、そういうことなんですね。関西でやるべきことは。

「柔術って何かを説明すると良いかというのが、こっちに来て分かるようになってきました。柔術は競技目線で説明すると、わけが分からなくなります。

柔術は競技、スポーツとしてのルーツを辿るとやはり護身術なんです。ルールが護身術に則してできているから、クローズドガードを取って何も攻めていなくても、下の選手が勝つことが多い。

それをどう説明すれば良いのか……こないだ、オンラインでルール講習会があり、それに参加すると『柔術のルールは護身術を元に自分の身を守ることができるかどうかにフォーカスして判定を下す』という話を聞きました。

つまりクローズドガードを取った人は、そこから取れるわけで。相手はそこからエスケープしないといけない。つまり5分、10分とクローズドガードを取り続けることは護身術として成立することになります」

──確かに!!

「柔道家に対して、トップを取って10分間守り切れるかといえば相当に難しいです。でもクローズドガードを取って10分間守り続ける方が圧倒的に簡単です。そういう行為を柔術家同士の試合でも成し遂げたのであれば、クローズドガードを取り続けた選手の勝ちで良い。それが護身術としての見方ですね」

──IBJJFの柔術競技は、スポーツとして稀な守りを評価するルールなのですね。

「その通りだと思います。野球でファインプレーをしても得点にはならないですよね。でも、柔術は防御力を評価する。とともに、そこで勝負を競い合う時での攻めはコントロールに主眼を置いています。一本を極めなくても良い。コントロールすれば勝ちです。護身術だからです。

ポイントが多い順から低い方へ、制圧をしている度合いが違ってきます。だからマウント、バックグラブが4Pで、パスが3P、テイクダウンとスイープは2Pです。このポイント、ルールに則して話すと、柔術って何か簡単に説明できます。

柔術を知らない人が来て、『これはどうすれば勝ちなのですか?』と尋ねられると、制圧したらです──と答えることができます。そこからポイント制度について話をしていけば良くて。

なぜマウントはポイントが高いのか。両手が自由で相手の胴体を制しているから。対してクローズドガードは両手は自由でも、胴体は制されていて相手も何かできる。だから五分です──と説明すると、『だから、ここだと動けて。こっちだと動けないのですね』というのが分かってもらえます」

──東京時代にそういう風に指導したことは?

「無かったです。正直、柔術のことを知って道場にきているんでしょうと思っていました」

──その考えも正論です。ただ、そうでない人がいるかもしれないと芦屋では考えるようになったのですね。

「正直、僕は柔術はマイナー競技だと思っている節がありました。それでも興味を持った人が道場にやってくる、と。でも、そのスタンスではダメです。東京のカルペディエムだったら、それで通用したかもしれないですけど関西でイチからやっていくには。

柔術という底に広がりがある競技でも、入り口が尖っていて狭くては普及もままならないです。そこを広げていくために工夫しないと。柔術入口を広げることを考えると、それがさらなる底辺の広がりにつながると思います。今までそんなこと全く思ったことがなかったのに……。

この間、MMAファイターに組み技の指導をしていた時にサイドバックから、どうやってバックグラブを取りに行けば良いのかっていう話になったんです」

──ハイ。

「そもそも柔術的に考えると、そのポジションを取りに行くことねぇよなって。一本を決めるのが柔術ではなくて……柔術の観点からいえば、一本を取りに行くのは正義ではないです。

自分の身を守ることが第一で。なら、そこに居れば良いんです」

──そういう意味ではいえば、究極の競技柔術家はホジャー・グレイシーでしょうか。

「そうですね。ピンチにならないです。制圧してからの一本勝ちで。結局、その制圧に必要なことを丁寧に指導すると、MMAに使えるというか……MMA選手が理解できる柔術になっていきます。

柔術だから三角絞め、腕十字を取らないといけない。サブミッションを仕掛けないといけないってことがおかしいです。組み技を使ってMMAというゲームで勝てば良い。なら柔術の良いところを抜き取れば良いわけで。そもそも護身術なんだから、良いポジションにいるところにまずフォーカスを当てないと」

──そういう丁寧な指導が、好きな人への指導ではなくて、好きな人を増やすということに通じるという考えでしょうか。

「柔術を知って欲しいですね。好きな人を増やしていって、1人ずつの柔術を見続けたいです。最近、関節の方向や胸の開き方でできる技、できない技があることが分かって来たんです。

自分のことだけでなく、指導をしている人のことで分かるようになった。例えば肩が前に出て、ヒジが柔らかい巻き肩の人はマルセロチンに適している。でも胸が張っている人は背筋力があってマルセロチンは難しく、しぼって取るギロチンの方が良い──とか」

──おぉ!!

「じゃぁ、全員にマルセロチンを指導してどうすんだってことですよね。トップ選手は間違っていない。その選択も。でもトップに行けない人は間違っている。それを指導できる人がいるかどうか。

それが皆が強くなれない理由の1つです。絶対的に人間の体なんだから、強い部分と弱い部分がある。弱い部分を押し出しているから、弱い。でも反転していて、弱い部分の裏には強い部分があるんです」

※カルペディエム芦屋をオープンした岩崎正寛インタビューは、12月23日発売のFight &Life vol.82に掲載されているので、ぜひともご拝読お願いします。

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