【ONE Unbreakable03】アンドラジ戦へ、佐藤将光─02─「やっぱり喧嘩ができないと格闘技はできない」

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【写真】プランB、そのさらに先まで話してくれた佐藤。明日の中継前に、ぜひとも熟読してほしい (C)MMAPLAET

5日(金・現地時間)にONE116 03「Unbreakable 03」が中継され、同放送でファブリシオ・アンドラジと戦う佐藤将光インタビュー後編。

ABEMA TVのTHE WONDERがシンガポールへ行く直前の佐藤の練習を追い、MMAPLANETでは練習を見たうえでアンドラジ戦について話を訊いた。

<佐藤将光インタビューPart.01はコチラから>


──その嫌な強さというのは、どこになりますか。

「ムエタイなのでクリンチができる。和田(竜光)さんがヨッカイカー(フェアテックス)と試合をした時に、倒すのに結構苦労していたじゃないですか。ただ押し込むだけじゃ、なかなか倒れない。組んでも倒せないと、打撃で殴られる機会が増える。

そういう嫌なイメージを持ってしまいます。あとバックステップが上手いので、詰め切れるのか。半端なテイクダウンを狙うと切られて殴られる。行くなら思い切りドンっといかないと危ないでしょうね」

──思い切り行った時に下がって打ってくる点、そして首相撲でクリンチを切り返すことで佐藤選手の合間を埋める攻撃を遮断する。この2点が現実になれば、本当に嫌な相手です。そのような相手にどう戦っていこうと考えていますか。

「まずは倒しに行こうと思っています。ただし慌てていかないこと。慌ててしまうと、向うが淡々とできるようになりますからね。打撃の交換をしながら探って、フェイクを見せてテイクダウンが決まれば、トップから攻めてフィニッシュを狙おうとは思っています。

それとシングルやダブルのフェイントからの打撃ですね。相手を浮かして……重心を浮かせたいです。そうするとパンチが入りやすくなりますし、向うのパンチは効かなくなるので。

あとはミドルをキャッチして、テイクダウンというのはあります。キャッチできなくても、そのままカウンターでテイクダウンを狙いたいですね」

──練習を見させてもらって、ボディロックや相四つでも自ら下になるシーンがありました。カニバサミから足関節、あるいはガードをとってすぐにリバーサル、それと背中をつけて三角絞めなど、ケージレスリング&スクランブルMMAの主流ではない流れも。

「三角は最近、得意なんでよく狙っています。あとカニバサミはテイクを取れない時のBプランです。下になっても良いということで、押し込んで相手がワキを差してきたらカニバサミからサドルに入ってヒールとか。

そういう技は多分、対応できないだろうなって思っています。あとはギロチン(齊藤曜)との試合で僕がやられたことですが、テイクダウンを狙って切られると一度背中をつけて、直ぐに起き上りながらもう一度入るとか。そういうことも考えています」

──アンドラジはやはりテイクダウンを切ることを徹底してきそうですし、そこを考えての戦法ですか。

「そこは狙えるなと思っています。スクランブルになれば行けるだろうと。テイクダウンを潰させて、バックに回ってこさせてからでも行けると思っています。

バックを取らせながら……基本は左側に回ってくるので、左手をいれて取らせないようにして、足を入れてくる前に寝転がってスクランブルに持ち込めば、こっちが上を取れるかと」

──練習中に見せていた流れですね。

「ハイ。あの動きは得意なので、そこはいけるかなとは思っています」

──もちろん一つの試合ですが、負けらないと気持ちのなかに世界戦を組まなかったONEを見返してやろうという気持ちは含まれていますか。

「う~ん、世間ですね。見返すのは。日本の格闘技が世界に通用しないという風潮があることを感じているし、実際にそうなってきてしまっています。そこをひっくり返したいとは思っています」

──それだけアンドラジを強敵だと捉えているということでしょうか。

「この相手ということではなくて1試合、1試合の積み重ねで、今年1年を掛けて見せて行かなければならない。そういうところですかね。この試合もその1部です」

──リネケルにはUFCファイターという肩書もあり、ベリンゴンにも圧勝しました。そんなリネケルと挑戦権を争うなか、今回の試合で何を見せないといけないでしょうか。

「単純にフィニッシュですね。でも、もう僕が試合をする頃にはリネケルとビビアーノは決っている。それぐらいで思っています」

──きっと私が記者として、最近、日本人が軽視されているなという想いをONEに対していだいているので、余計に見返してほしいと思ってしまうのかもしれないですね。

「まぁ最近のマッチメイクは結構潰しに来ているし、美味しくないのは多いですよね。日本大会がコロナでなくなったのもありますけど、日本に対して力の入れようは最初と比べて落ちてきているなと感じます」

──これだけ日本人選手が多いとマーケットの開拓具合も考慮し、切るために潰しに掛かるマッチメイクがあるのも理解できます。そうなれば強い人間が残る。だからこそ、日本人選手もこの逆風を跳ね返す必要があります。

「勝たなきゃリリースされちゃうし、勝たないと続けられないというのはあります。そういう世界だから、勝たないといけないです。結果が全てです」

──そういう時こそ……いつもそうだといけないのですが、最後に真っ向勝負ができるという佐藤選手への期待が高まります。韓国でギリギリの根性勝負をは殴り合いで見せていた佐藤選手だからこそ、そういう強味があるのではないかと。

「あぁROAD FCの時ですね(笑)。そうですね……あると思います。やっぱり喧嘩ができないと格闘技はできないので。どこか気持ちの弱さが出てきてしまいますからね。1発貰って小さくなってしまったら、もうそこで差が出てきてしまいます。1発殴られても『この野郎』って打ち返せないと。

それは別に打ち合わなくても構わないんです。でも、やり合う。どこかでやり返すという気持ちがないと……弱気が出た瞬間に負けちゃうので。そういう気持ちは大切だと思います」

──あのドロドロの殴り合いを演じていた若者が、MMAファイターとして成長を遂げた。そのうえで、なお気持ちの勝負も重視していると。

「試合っていうか、練習からですよね。練習でやりあっているから、試合でもやりあえると思っています」

──そういう意味では、アンドラジはまだまだ未知数でどこまでできるか分からないです。そして綺麗にムエタイが戦える選手は、MMAも綺麗にやってくるのかという気もします。ならドロドロの喧嘩で佐藤将光が引けねぇだろうと。

「やってみないと分からないですが、簡単に行くかもしれないというのはあります。スクランブルを創ると、直ぐに折れるかもって。でも、そこを期待していて違っていると、こっちがガックリきてしまうので、ある程度できるというイメージで創っています。

コロッと行くことがあっても、逆にメチャクチャ乗ってくることもあるだろうし。ただし、やり合う気持ちで……リネケルと戦った時のベリンゴンのようにはならない。最悪の事態も想定して、どこかでやり返すつもりでいます。

やはり打撃で1発も食らうこともあるだろうし、予想以上にデキるかもしれない。色々とイメージしておくことで、本番では驚かないで済むので──やりあう覚悟は持っています」

──どれぐらい自信を持って戦えますか。

「どれくらいというのは難しいですけど(苦笑)。準備の段階では自信を持つことはないです、いつも。試合の時にやってきたことを出し切れれば良いという気持ちです。これだけ出しても勝てなかったらしょうがない。自分の方が弱かったと諦めるしかないです。

なので、試合ではやってきたことを出し尽くすつもりでただやるだけです。そうですね、あまり試合前に自信があるということはないです。自信はない……いや、自信はないということではなくて、負けるかもしれないということはどこかで思っています」

──自信を持たないようにしているということは?

「あぁ、自信を持たないようにしているかもしれないですね。だから試合の時だけ、ケージの中だけは躊躇しないように自信を持って戦う──というのはあります」

■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable 03対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

※2020年12月18日に収録

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