【F2W】シャウブ・ファイト=噛み合わない一戦はギロチンを持つマリーニョがルナに3-0のレフ判定勝ち

13日(土・現地時間)テキサス州ダラスにあるジリーズにて、プロ柔術大会Fight to Win 163が開催された。コロナ禍にもめげず、世界トップクラスのグラップラーを集めて精力的に活動、すでに今年4度目の開催となるこの大会。

ここではペドロ・マリーニョとマテウス・ルナのグラップリングでは、ある意味ありがちな試合の模様をお伝えしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<ノーギ/8分1R>
ペドロ・マリーニョ(ブラジル)
Def.3-0
マテウス・ルナ(ブラジル)

試合開始直後から積極的に前に出るマリーニョに対し、背筋を伸ばしてリラックスして立つルナは、絡んでくるマリーニョの手を振り解いて対処する。ルナはときに後退してマリーニョの前進をやり過ごすなど、テイクダウン合戦を挑む気は毛頭ないようだ。

やがて、マリーニョがボディロックから前進してテイクダウン。が、ルナは後ろに倒れながら足を使ってマリーニョの体を浮かせると、そのまま立ち上がった。

さらに前に出たマリーニョは、シングルレッグで再びテイクダウン。必殺のギロチンを持つマリーニョに対し、ルナはスクランブルを試みることもなくオープンガードを取る。対してマリーニョも上からは深追いせず、腰を上げた状態で足を捌こうとする程度。やがてルナが立ち上がった。

その後もスタンドであまり戦う気のない──かと言ってガードの下から仕掛けることもない──ルナと、テイクダウンは取るものの、上からのパスにはそれほど積極的ではないマリーニョによる噛み合わない展開が延々と続いた。

終盤、ややフラストレーションを溜めたマリーニョは、ルナの右足を捕まえて高々と抱え上げると、豪快に叩きつけてテイクダウン。さらにマリーニョがストレートフットロックを狙って倒れ込むと、ルナも逆に切り返す。が、結局お互い極めることができないまま試合終了を迎えた。

ジャッジは3人とも、終始前に出ていたマリーニョを支持。残念ながらこの試合は、お互い相手の得意領域に踏み込むことを避けた──通称ブレンダン・シャウブ・ファイト──結果、攻防らしい攻防が成立せずに終わってしまう形となった。

ただ、ルナがスタンドで仕掛けず、下からスクランブルを試みることができなかったのはマリーニョ必殺のギロチンを警戒したからか。とするならば、一つ絶対的な武器を持つことの有利さが示された試合だといえる。


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