【ONE】After 2/22平田樹─02─「チンタラやっている友達はいらない」&「女子高生っぽいのは面倒くさい」

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【写真】ミーシャ立ちの平田。まだまだぁ (C)MMAPLANET

2月22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されたRoad to ONE04「Young Guns」のメインで、中村未来にTKO勝ちした平田樹インタビューPart.02。

5月28日に開幕するONE女子アトム級GP出場もアナウンスされたことで、また違った逆風が吹いた平田は、これからの練習環境をどのように感じているのだろうか。

自分と同じような世代での練習環境、他の競技との交流──試行錯誤が続く。

<平田樹インタビューPart.01はコチラから>


──試合後の落ち込み具合とは、もう正反対の精神面ですね。

「試合後はマジで、一生見せられないぐらいの最悪の自分でした(笑)。でも、もう一周回った感じですね」

──とはいえ山口選手の練習仲間の反応を見ていると……浜崎選手にしてもGP出場メンバーに関して『ほとんど知らない選手』という書き込みがあったり、ああいう言葉を見るともう一緒に練習はできないだろうなと。今後、練習環境はどうしていくのかという危惧はあります。

「難しいですね。良く思われていない自分と……世代の差、対決でないですけど、そういう部分は出ているように感じます」

──若い選手も上の世代と練習しているし、平田選手と交流しづらい空気が完全にできたと感じました。

「そうですね……逆に、そういう存在になったという風に捉えて、同世代だけの練習環境を創りたいと凄く思います。技術も今から創っていく、フィジカル的には自分たちに合った動きもあると思うので。

そこは対抗するわけじゃないですけど、違うところを見せないといけないです。だからMMAだけじゃ狭いし、戦っているところが違うということで気まずさがあるなら、MMA以外まで練習仲間を広げていって勉強したいと思います」

──と同時に、彼女達は女子MMAを続けるうえで練習仲間とも試合をし、顔面を殴り合い──でも信頼関係を築いている。そういう彼女たちの歴史があって、今に通じているとは思います。

「そういう女子MMAが大変だった時期があったからこその今ということに関しては、その世代の方への尊敬心は持ち続けています。それでも、自分ぐらいの世代の女子選手は少ないので、自分たちの練習環境を創っていきたいという気持ちでいます。

ただチンタラやっている友達はマジでいらないです。女の子、女の子してMMAを戦っている人じゃなくて、練習で殴り合って、終わったらご飯を食べに行く。そういう関係で、ダメなところも指摘しあえるような存在の人達とやっていきたいです。なかなか難しいわけですけど」

──世間を動かすのではなく、自分の周囲の反応を大切にする。そこは今のJ-MMA界の男女に共通している部分だと思います。でも、女子選手間の人間関係の難しさって……自分は正直、このご時世で言うと問題なのかもしれないですけど、男の選手より感じます。仲良く笑顔でいて、どこか刺し合っているような。

「アハハハハ。女の子の性格は……。う~ん、グループになって女子高生っぽいことは、本当に面倒くさいので。自分が絡んでいる人って、どちらかというと女の子離れしている性格なんです。その方が一緒にいて楽で。女の子、女の子して格闘技をするのは、一番面倒くさいです」

──これは個人的な話になってしまうのですが、自分は若い頃に好みの女性のタイプっていうのがないと周囲から言われていました。遊び相手なら正直、誰でも良かったというのもあるのですが(笑)。ただし、付き合ったり、結婚した家内に関しては女性だからではなくて、人間として尊敬できた。だから女子云々でなく、人間関係だと思っているんです。

「あぁ、間違いないですね。人間ですよね」

──女を武器にしないというか……。そういうて、先ほどZoomでインタビューしたミーシャ・テイトに初めて取材した時の後ろ手で組んだ立ち方とか、凄くドキドキしたとかスタッフと話していたのですが(笑)。

「アハハハハ。あぁ、こういう立ち方ですよね(とミーシャと同じポーズをとる)」

──あぁあ、ミーシャと全然違いますねぇ(笑)。平田樹は体育会系だ。

「それは……負けましたね(笑)。でも、そういう練習環境は本当に創りたいんです。それが女の子って……しかも自分ぐらいの世代って、そういう女の子同士にありがちが感情が凄く残っていて……。ずっとあるのかもしれないですけど、それが激しいというか」

──「BBAなめるな」世代、20代前半や10代後半世代、その間にいる世代、それぞれの立ち位置もあるのでしょうが。実はこの間の世代──三浦彩佳選手たちの世代の踏ん張りに期待したいというのもあります。ところで首投げから袈裟の先輩として、三浦選手も自分自身、周囲の評価と戦ってきました。

「三浦さんが去年の2月にティファニー・テオに完全に対策されて、バックに回られてパウンドされた。あの試合を見て、色々と考えることはありました。そこからの展開を作らないといけないと。

投げ切れると良いのですが、それができないと自分も同じようになるなって」

──平田選手が最後にあの形で勝ったのは大内刈り、ダブルレッグでテイクダウンをしたときにコントロールできなかったから。対して、袈裟だと一番安定感があった。

「寝技だけの練習だとできることが、MMAになると考えることが増えて頭の中がグチャグチャになってしまうんです。そうなると、試合中の動きも雑になってしまって。試合を意識して練習するといっても、やっぱり練習は練習なので。そこが凄く難しいです。

でも、やっぱりどんどん練習していけば試合に生かせる。それは絶対です。GPまで時間はあまりないですけど、とにかく練習することだと思っています」

──平田樹という選手が置かれている状況は、他の選手にはないモノです。何も考えずに、ノビノビと経験を積めるモノではなくて。技術的にも練習して、自身でMMAに落とし込む感じかと。

「大沢さんがアドバイスしてくれることもあるのですが、やっぱりずっと一緒にいるわけではないので。でも、自分がやりたいことを自分で決めることができるのも強味だと思っています。

誰かに言われて、その練習をするのではなくて。自分でやりたいからやる。それが自分で考える力になっていますし」

<この項、続く>

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