【写真】言葉はボソボソとしているのだが、逞しい発言が続いた上久保。試合の放送が楽しみでならない (C)MMAPLANET
15日(木・現地時間)に中継されるONE118:ONE TNT02に組み込まれた上久保周哉ミッチェル・チャマール。
既報の通り、上久保はトロイ・ウォーセンとの対戦のためにシンガポールを訪れていた。そして試合前日に対戦相手が変更された。彼はこの緊急事態をどのように捉えていたのか。現地時間の7日夕刻に急遽行ったインタビューの模様をお届けしたい。
──シンガポールに向かう前にトロイ・ウォーセン戦について話を聞かせてもらい、上久保選手らしい何とも掴みどころのない具合が非常に良かったのですが、……試合前日になり、対戦相手変更という大変な事態に陥りました。
「今日の午後1時(※取材は現地時間の午後5時半に行った)にハイドレーションと計量があって、その3時間前ぐらいに対戦相手が代わるって聞かされました」
──いやぁ、もうそれは驚く以外ないですよね。
「実は朝の7時半ぐらいホテルを出て、フェイスオフを8時ぐらいにウォーセンとしたばかりだったんです」
──対戦相手が代わるかもいう話は、それまで全くなかったのでしょうか。
「どこかのカードが組み代わるらしい……バンタム周辺であるかもしれないというのは聞いていて……。でも、僕の試合は変えない方向で話を進めるという風に伝わっていました」
──ジャレッド・ブルックスリト・アディワンが一度は発表されて、すぐに消去された。で、アディワンと急遽戦うオファーのあった選手が、相手がアディワンでなくなった……。そんなこともあったようですが、憶測でしかないですがラカイ勢に陽性、もしくは濃厚接触があった可能性があるのではないかと。なんせ飛行機で近くに座っている人が陽性だと、陰性でもシンガポール政府から試合許可が下りないというケースがあるぐらい厳しいようです。
「きっと色々あったのでしょうね……階級を変えて戦うことができるのかっていう話もあったようですし。でも僕にはリネケルという話はなかったです」
──TNT用に米国人選手が必要だったという見方もできますよね。
「戦いやすい方を選んだじゃないですか……(微笑)」
──上久保選手はリネケルと戦うかと尋ねらえると、銅返答していましたか。
「まぁ本意じゃないですけど、迷わずやったかもしれないです」
──リネケルですよ?
「むしろ……なんでリネケルじゃないだって思ったぐらいだったので」
──それがファイター・マインドなのですね!!
「正直、自分が選ぶことができるならソッチだし。でも、僕が選ばれなかったのは何か理由があるのでしょうね。今回のこのシチュエーションでいえば互いの100パーセントを出し切ることができないので、勝っても負けても何かが残るファイトになると思います。
でも僕からすると飛び級で元UFCのランカーと戦えるのなら、チャンスだから受けます」
──結果として相手はチャマールになりました。
「7勝2敗とかで、5年ぐらい試合をしていなくて。動画を見たら組まれて即ギロチンを極めた……何とも言えない試合しかなかったです(笑)」
──私はキックの試合で、最初のハイキックで相手が目を負傷して終わったという映像を見ました。
「アハハハ。実力が計りかねる相手ですね。ある種、トロイを強敵とし自分が越えるべき相手として捉えていたので残念は残念ですけど、自分の戦い方は対策を練ってはめ込むわけじゃなくて、やりたいことを相手の押しつけるスタイルなので、基本的にやることは変わらないと思います。その入口の部分に気を付けて、自分のやりたいことを展開していくことに変わりはないです」
──相手を動かせながらコントールするという?
「そうですね。トロイにやろうとしていたことは、他の相手にも使えることだと思うので。やることは変わらない、油断しないことです。
誰と戦っても同じような展開になると思われる選手でありたいので、やるべきことを正しくミスなく、丁寧にやるつもりでいます」
──試合前日のこういうゴタゴタで精神的な影響はありますか。
「正直、こういうトラブルは初めてじゃないですし、こういうものだと思っています。整理して言葉にしているのとは違うところで、モチベーションに変化はあるかと思いますけど。実際には当日ケージの中に入って動き始めたら、やることは一緒です。今は明日の自分が頑張れるよう、コンディションを良くすることだと思います」
──Phoenix FCでの経験が生きていますか。
「アレを経験すれば何でも大丈夫です。あの時の自分のレベルで元UFCファイターとやろうとしていて……あの時の方が命知らずでした(笑)。で、試合がなくなった時のショックが大きすぎて、思っていた以上に気が張っていたことに気付かされました」
──対して、今は平常心でいることができている?
「やることは決まっていますし、自分の力も理解しつつあります。昔より強いところ、弱いところの把握ができているので、こういう状況を受け止めることができるようになっています。
まぁ、舐めんなよという気持ちはありますけど(笑)」
──舐めんなよ? チャマールに対してですか。
「ハイ。もちろん、前日になって試合を受けてくれて感謝の気持ちはあります。計量の時もありがとうと伝えました。
わざわざシンガポールまで来て、1週間隔離されて何もしないで帰るより、自分がやってきたことを出して帰国できることは良かったと思います。この状況でカードが変わっても、試合ができるのは運が良かったとも感じています。
でも、試合前日に受けて勝てるような相手じゃないぞと思っています。今回の試合に関して、コンディションを100パーセント創って来たのは自分だし。向うは試合前日に受けて、ケージの中に入るのであれば、創ってきたモノの差を見せつける試合になると思います。
相手が試合を受けたことを後悔するよう戦います」
■視聴方法(予定)
4月15日(木・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
■ONE TNT02中継対戦カード
<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(タイ)
アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)
<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)
中原由貴(日本)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
ワン・シュオ(中国)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ミッチェル・チャマール(米国)
上久保周哉(日本)
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