【ONE Dangal】バストス戦前に三浦彩佳が話していたこと─01─「アトム級の方が選択肢が増える」

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【写真】昨年2月28日のティファニー・テオ戦以来、363日ぶりの実戦復帰直前に三浦に話を訊いた(C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録されたONE Dangalが中継される。

同番組では4月29日と2月26日に収録された6試合が放送され、三浦彩佳✖ハイアニ・バストス戦も含まれている。

MMAPLANETでは試合の3日前に行っていた三浦のインタビューをここでお届けしたい。この翌日に賛否の声が大きく挙がったアトム級GP出場メンバーが正式発表された──ことを踏まえて、この時に三浦がどういう気持ちでいたのかを知って欲しい。


──放送日が確定していないという試合が控えています。選手は試合をするだけなのですが、ライブと録画中継でいつ放送されるか分からないことは心理面で影響することはありますか。私自身は収録&中継というあり方が存在しても、放送日が試合をした日という風に記録に残るは違うと思っています。

「全く影響しないと言えば、嘘になると思います。実際、何試合目に試合があるのかも分からないですし……でも、やれることをやるしかないという感じです。自分自身のプロモーションができないので……そういう部分でライブ中継の試合との違いはありますね」

──現地に今、いるということは長南さんも三浦選手もSNSでは発していますが、試合が終わってからは放送が終わるまで触れることができないという形ですね。

「ハイ。試合が発表になっていないので、相手のことも公表できないですしね」

──スポンサーを集めづらいという意見は耳にします。

「そうですね(苦笑)。日本で告知できないので、『えっ、試合なの?』という雰囲気があって……。そこはスッキリしない感じはあります。でも、試合をすることには変わりないので、集中していくだけです」

──スポーツとしてどうかと感じつつ、記者としてはインタビューの掲載が試合をした後になるので、作戦的なことも詳しく話してもらえるという一面が実はあり、そこは有効活用させてもらっています。

「アハハハハ。そういうことがあるんですね」

──実はそうなんです。凄く詳しく作戦を尋ねることができて、しかも記事に反映できるし楽しいといえば楽しいです。そんななか、三浦選手にとっては1年振りの試合です。

「ホント、きっかりそうですね」

──あの試合から新型コロナウィルスの感染が世界に広まり、ONEが本格的なイベントを再開したのが昨年の10月。昨年中に試合の機会がありませんでした。

「今回の対戦相手に2度、断られて……本当は11月とか12月に戦うつもりだったので、それ以来ずっとギアはあげている感じでやってきました」

──この間、対戦相手は変わらずハイアニ・バストスだったのですね。

「ハイ。同じ相手で、でも52キロ級……アトム級で組まれるかどうかという話があって。アトム級GPがあるので私もそこを睨んで、ずっと体重を落としてきたんです」

──えっ……三浦選手が52キロで戦うという発言を耳にしただけで、恐怖を感じてしまうのですが……。パンクラスで戦っていた時の減量の痛々しさを思い出してしまって。

「アハハハハ。そうですよね(笑)。でも、ずっとTRIBEのトレーナーの堀江(登志幸)さんに相談してきました。水抜き無しで52キロというのは怖いので。堀江さんから大丈夫だと言われたら、アトム級で出ようと思っていました。

かなり前から落としていて、そうするとストロー級で組まれたので減量無しで今回の試合は戦います」

──つまり減量なしで56キロで戦えるまで、普段からしぼっていると。そして、アトム級で戦える状況になっているのですね。

「ハイ、なっていました。1月ぐらいまでは」

──実は三浦選手のその意志を知らなかったので、アトム級はGPもあり盛り上がっているけど、ストロー級はそうではない。この現状についてどう考えているのかを尋ねさせてもらおうと考えていました。それがアトム級転向を心に決めていたとは。

「ストロー級は人がいないので、ランキングは全然動かないですし。チャンピオンのシィォン・ヂィンナンも、アンジェラ(リー)もストロー級とアトム級を行き来している。違いは4キロ強だし行き来できるんじゃいかっていう話を長南さんから提案してもらっていて。

ただ、これまでの私の体重の増え方とかが怖かったので、堀江さんと食事面から相談して、無理でなければ落とそうと決めたんです。アトム級の方が、選択肢が増えますし。やっぱり試合はコンスタントに戦っていきたいですし、できないもどかしさを感じてきたので。

アトム級は選手が多いだけでなく、レベルも高いと思うので……私もいつまでMMAを戦えるのか分からないですし、そういうなかで盛り上がっているアトム級に食い込めたらという気持ちでいます」

──試合直前に尋ねることではないかもしれないですが、あの頃を思い出して怖くないですか。

「年齢って言うとダメかもしれないですけど、30歳になって体が変わってきたみたいで」

──それは大きくなる方向でなくて、ですか!!

「北岡さんから『高野さん(SARAMI)も体つき変わったけど、三浦さんも変わったね』って指摘してもらったことがあって。『変なぶよぶよ感はなくなったね』と(苦笑)」

──ぶよぶよ感(笑)。

「出産したあとは増えるそうですけど、そうでないと増えないようなんです。あとはサプリとかも見直して摂取していると、キレが変わったというか」

──無事に体重が落とせるなら、それは楽しみです。当時の三浦選手は減量が危なすぎるという印象でしたから。

「あの頃は本当にヤバかったです。でも、堀江さんのおかげで本当に無理なくアトム級で戦えるところまでもっていったんです」

──GPの発表が近々あると聞いていますし(※インタビューの翌日2月24日に女子アトムGP出場メンバーが発表された)、なおさら今回はアトム級で実力誇示したかったのではないですか。

「そうですね。アトム級とストロー級のどちらにするかと聞かれて、どちらでも戦えるのでアトム級でやりたいと返事はしていました。だからアトム級に関しては、今回の試合が終わってからまた考えようという感じです」

──その間にトーナメント出場メンバーの発表があり、トーナメントは進捗していく可能性が十分にあります。

「そうなればストロー級でも、とにかく自分ができることをやっていくしかないと考えています。ホントは本戦でも補欠戦でも出たいとアピールしたいのですが、今の私はそういう立場にはないので……」

──いやいや、言いましょうよ。

「先のことを口にすると、今回の試合でポカをしそうで怖くて。まずはバストス戦でしっかりと集中して勝ち……アトム級GPに出してもらえるなら出たいです。試合間隔を開けたくないので」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
5月15日(土・日本時間)
午後7時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT04 対戦カード

<ONE世界ヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ブランドン・ヴェラ(米国)
[挑戦者] アージャン・ブラー(カナダ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>※
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ショーン・クランシー(アイルランド)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ビー・ニューイェン(米国)

<58.3キロ契約/5分3R>※
三浦彩佳(日本)
ハイアニ・バストス(ブラジル)

<65キロ契約/3分3R>
グルダージャン・マンガット(カナダ)
ロシャン・マイナン(インド)

<57.7キロ契約/5分3R>
アンソニー・ドゥ(米国)
ホイ・リアン(豪州)

※2月26日に収録。その他の試合は4月29日に収録された試合

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