『RIZIN.28』斎藤裕がヴガール・ケラモフのロープ掴みやアイポークといったダーティーな攻撃に苦言も「やって良かった、意味のある試合です」

MMA
【RIZIN】斎藤裕がケラモフのダーティワークに苦言。クレベルとは「防衛戦しかない。年内にやりましょう」(ゴング格闘技)
 物議をかもした判定だったが、RIZINはラウンド毎の10点法ではなく、「15分間の試合全体で評価」するトータルジャッジで、判定基準の優先順位が「相手に与えたダメージが50%」「アグレッシブネスが30%」「ジェネラルシップが20%」というもので、ケラモフは「ロープ掴みとショーツ掴み」によるイエローカードによる「マイナス20%」が大きく響いた形になった。

「反省点はたくさんある」としながらも「いまあの選手とやることは意味があると思って受けた。実際やってみてパワーがあって、ダーティさ、荒々しさもあったし、日本人選手で同じ階級であのフィジカルの選手はいるのかなと思う。やはりケラモフ選手とやったことは意味があった」と振り返った。

 その一方で、ケラモフのダーティワークには、「とにかく荒い。ダーティー。ショーツを握られてたり、(脇を)差されているというより、ガシッと握られてる。細かいところで随所で“そういうことするんだ”という感じでしたね」と苦言を呈した。

バレなきゃ反則じゃないみたいな、確信犯。それもテクニックのひとつだと思いますけど、明らかなロープ掴みとかは違う。悪意があるか無いか」という斎藤は、1R終盤、ロープ際での攻防でレフェリーにサミングの反則を訴えている。

「指とかが入って、1Rの終わりくらいかな、上に乗られて叩かれて叩いた後にやったり……してきてた。傷口だったらいいんですけど、目とか(指を)ぐりぐりやられるのはヤバいじゃないですか。だからすぐに言いました。『目に指を入れてる!』って。外国人選手、見えないところでそういうのをやることはあるんですよ

「後半にチャンスは来るとは思っていた。パワーは強いから、早く失速してくんないかな、と思ったけど、思いのほか体力もあった。強い選手ですよね。日本人で誰が相手をしたらいいんだという感じになりますよ。大変だなと思います」と、ケラモフの実力を認める斎藤は、試合後に、ケラモフに声をかけたことを会見で明かしている。

「僕も判定2-1で負けたことがあるんですけど、今回2-1で勝って。本当に大変ななか、アゼルバイジャンから日本に来て試合をすることを選んでくれたので、そういう感謝の気持ちというか。いろいろ隔離とかも大変だったと思うのですが、無事に試合できて良かったなと。伝わってなかったかもしれないけど、その思いを伝えました」

「本気で潰しに来ているマッチメーク」と苦笑する斎藤は、「だって、摩嶋(一整)選手は11連勝で、朝倉(未来)選手は8連勝。ケラモフ選手は11連勝……クレベル選手はいま何連勝ですか(4連勝)。最後KSWで負けているけど、(それ以外は)10連勝くらいしてる(2016年から10勝1敗)でしょ。なんか力が働いているとしか思えない(笑)。まあ摩嶋選手、朝倉選手に勝ったので、それ以下の選手はダメなんでしょうね」と、ベルトを持つ者の厳しさを語る。

ケラモフもほんとうに強いんですよ。石渡(伸太郎)さんからも『なんでやるの? 一番やっちゃダメな相手だよ。まだクレベルの方がいいじゃん』と言われました」と明かすが、その選択には意味があったという。

「この先のことを考えると、北米の選手とやることを考えると、やっぱりケラモフのような選手とやっておいた方がいいんで。これでまた5分3Rやったことが、ものすごく財産として自分の中に残る。これをもっと意味のあるものに変えていかなければと。

 試合をしないと分からないことがある。勝って反省できるのが、選手としては一番いい。KOでウワーッと浮かれるよりは。ちゃんと相手を対策して、今何が足りなくてやるべきなのかをやっていく。それ(取り組み)が積み重なって、試合も続いて成長させてくれる。それは後のキャリアにものすごく影響してくる。消化試合はない。今回の試合はやって良かった、意味のある試合です。近年ないくらいに相手が充実している。そういう相手をどんどん当てられるというのは逆にそこまで評価してくれているとも思います。防衛戦もあるし、そういう選手を受け容れて、やりきりたい」




 ハイリスク・ローリターンな相手と対戦し、反則攻撃に苦しめられ、バッティングで6針縫うケガをし、微妙な判定で批判され…大変ですね。次はクレベル・コイケとのフェザー級王座防衛戦になると思いますけど、ケラモフ戦で学んだことが活かせれることを願います。

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