コロナ後の世界に残したい激闘10撰~MIKU×瀧本美咲~

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今でこそ完全に市民権を獲得してUFCやRIZINでメインを飾る事も増えてきた女子格闘技。そんなジョシカクにも不遇の時代が長く続いていた事はファンの皆さんならよくご存知でしょう。今からその受難ぶりを事細かに話す事はやめておきますが、あと10年遅く生まれていたら、あと10年時代が早く進んでいたら、RENA浅倉カンナ浜崎朱加と並んでRIZINのリングで脚光を浴びていたであろう選手がMIKUです。

富山県に拠点を置くクラブ・バーバリアンに所属。柔術では紫帯を巻く一方でキックルールの試合にも出場。シュートボクシングではなんとRENA(当時のリングネームはレーナ)に判定勝ちを収めています。MMAではDEEPを主戦場にして渡辺久江に勝利してDEEP女子ライト級王者を戴冠。まさしく立って良し寝て良しのコンプリートファイター。一時代を築いたと言っても過言ではないでしょう。
しかも勝利してきた選手がまたすごい。既出のRENAや渡辺に加え、カリーナ・ダムにリサ・ワード、ハム・ソヒとビッグネーム揃い。試合を見た事がなくてもMIKUの実力を把握できるのではないでしょうか。

そんなMIKUのベストバウト。RENAかハム・ソヒ?いえいえ。私が選んだのは文句なく瀧本美咲(空手道禅道会横浜支部)です。一体誰?と思う方もいるでしょう。しかしMIKUと2勝2敗の五分の戦績。女子格闘技黎明期の名勝負数え歌を繰り広げた寝業師です。最後に両者が拳を合わせた2008年のDEEP女子ライト級タイトルマッチではMIKUのミドルキックで瀧本が悶絶。MIKUと瀧本の名前を聞いてこの試合が蘇るオールドファンはいるのではないでしょうか。

でも私が選んだベストバウトは2007年に開催されたclub DEEP 東京での一戦。瀧本の腕十字地獄
でMIKUは大ピンチの連続。いつ一本取られても不思議ではない場面からことごとく脱出します。そんな圧倒的に劣勢な状況ながら、寝技勝負を挑み続けて最後の最後で大逆転の腕十字で一本勝ちを果たしました。

試合の中身が最高に面白かったのは言わずもがな。それよりも試合後に屈託のない自然な笑顔で抱擁する2人の姿に、男子格闘技にはない清々しさを見せつけられました。スリル、泥臭さ、美しさ
。。。女子格闘技の魅力が凝縮した最高の試合。この試合を見て女子格闘技にブレイク前夜の雰囲気を感じたのは私だけではないはずです。
残念ながら瀧本戦のフル動画は発見できませんでしたが、名場面的な動画があったのでMIKUの凄さを垣間見てくれたらうれしいです。もしRIZINに参戦していたら。。。そんな思いを馳せながらご覧ください。
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