コロナ後の世界に残したい激闘10撰~ノゲイラ×ミルコ~

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コロナ後の世界に残したい激闘10撰もいよいよラスト2試合。セミファイナルと言っても過言ではない一戦は2003年11月にPRIDE GP2003 決勝戦大会で行われたアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ×ミルコ・クロコップのPRIDEヘビー級暫定王者決定戦です。
当時破竹の勢いを誇っていたミルコ。K-1ではGP王者のマーク・ハント、無双状態だったボブ・サップを下し、2003年から本格的にPRIDEに進出。6月にはPRIDEルールでヒース・ヒーリングをミドルキックでボディをえぐってTKOで下し、PRIDE制圧にも王手をかけていました。そこに立ち塞がったのは柔術マジシャンと呼ばれたアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ。エメリヤーエンコ・ヒョードルに判定に敗れてヘビー級王座は失ったものの、PRIDEで敗れたのはこの1試合のみ。PRIDEの牙城を守る砦としてミルコとの対戦に挑みました。

試合はノゲイラが1R早々に組み付いて自らグラウンドに引き込む。しかしミルコはガードを固めて下からの仕掛けを許さずスタンドへ脱出に成功。こうなると圧倒的なミルコペース。ノゲイラのタックルを闘牛士のようにことごとく切ると、パンチ、ミドルを的確にヒットさせてジワジワとノゲイラを追い詰めます。そして極めつけがラウンド終了直前の伝家の宝刀左ハイキック。これでノゲイラがダウンを喫したところでラウンド終了のゴングが打ち鳴らされます。あまりの衝撃、会場の悲鳴と歓声が交差し、事態を飲み込めずにレフェリーストップかと誤解したファンは「早いよ!」という怒号が響き渡る殺伐とした雰囲気。そんな中でインターバルを迎えて試合は2Rに入ります。

すると事態は一変。ノゲイラはファーストタックルでテイクダウンに成功。楽々とマウントに移行するとノゲイラの独壇場。敢えて隙を与えてミルコが脱出しようとしたところを腕十字で捕獲。大逆転で一本勝ちを果たしました。
この時の会場の大歓声たるやもう一生モノ。わりと冷静で無感動な私でさえ自然と立ち上がって絶叫したほどです。さらにテレビの向こうでは解説席にいたノゲイラ贔屓の小池栄子の感涙の雄たけびが(笑)。このワンシーンがこの一戦の爆発の全てを物語っています。そして敗れたミルコの悲しそうな表情を見て以来、ミルコ嫌いだった私は少しずつターミネーターに感情移入しつつあるのでした。
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