コロナ後の世界に残したい激闘10撰~桜庭和志×ホイス・グレイシー~

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コロナ後の世界に残したい激闘10撰もついに最終夜。メインマッチは2000年5月に東京ドームで開催されたPRIDE GP 2000での桜庭和志×ホイス・グレイシーの一戦です。ベタと言われようが、この試合を超える感動とインパクトはいまだに味わってません。試合が実現するまでのストーリー性、そして試合の中身から劇的な結末に至るまで全てがパーフェクト。ルールや階級が整備されて競技性が高くなったMMAでは信じられない無制限ラウンド制というのがまた異種格闘技の名残があっていいじゃありませんか。これぞ後世の格闘技ファンに残したい一戦に間違いありません。

この試合の根底にあるのは日本人×グレイシー、プロレスラー×グレイシー、UWF×グレイシーという図式でしょう。桜庭と同じUインターに所属していた安生洋二が道場破りを敢行するもヒクソンに返り討ちにされ、師匠の髙田延彦はヒクソンに2度の一本負け。さらにPRIDE GP1回戦ではホイスにも見せ場を作れないまま判定負けを喫し、ファンのストレス、鬱積は極限に達します。

そのストレスをきれいに回収して爆発させてくれたのが桜庭和志。グレイシートレインで厳かにに入場するホイスに対して、スーパーストロングマシンのマスクを被って入場。グレイシーの伝統に対してユーモアで対抗します。
その姿勢はファイトスタイルにも。インサイドガードからモンゴリアチョップや恥ずかし固め、さらにホイスの道着を捲り上げて動きを封じてパンチを当てる徹底ぶり。おちょくりを交えた攻撃に留飲を下げたファンは多いことでしょう。

もちろんそれ以外のスタンダードな攻撃もまた秀逸。ホイスの寝技に付き合わず、序盤からローキックを着実にヒットさせてダメージを与えていきます。結局、このローの蓄積でホイスの足が言う事を効かなくなり、戦意喪失気味に棒立ちになってセコンドのエリオとホリオンに何やら話しかけるシーンはクライマックス感満載。そして6ラウンド終了時にホリオンの手からついにタオルが投入されました。あの時の高揚感。東京ドームがまさに爆発。最後に桜庭がエリオと握手するシーンなんてもはやドラマですよ。全てのわだかまりが浄化され、不遇の時代を過ごしてきた日本のファンが報われた瞬間です。

その後の桜庭はいつしかグレイシーハンターと呼ばれヘンゾ、ハイアンを連破。桜庭に対して国民栄誉賞を与えるべきだと本気で思っていた頃が懐かしくて恥ずかしい。そんな時代もありましたね。
さて、この試合でコロナ後の世界に残したい激闘10撰も終わり。。。と言いたいところですが、まだ物足りないでしょ?いざ選んでみると好勝負が出るわ出るわ。とても10試合には収まり切りません。そんなわけでお代わりタイムをスタート。不定期になりますが、コロナ後の世界に残したい激闘を独断と偏見でピックアップしていきたいと思います。
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