【写真】2月に一条貴洋に判定勝ちの石井、インフィティリーグ戦ではなく齋藤翼と今大会で戦う (C)SUSUMU NAGAO/SUSTAIN
31日(日)に会場非公開のABEMAテレビマッチとして開催されるProfessional Shooto2020 Vol.3 で、インフィニティリーグ戦線中の石井逸人が、齋藤翼とリーグ戦ではない試合を戦う。
インフィニティリーグ参戦の真意と、今回の試合に向けての意気込みを石井に訊いた。
──1週間後に齋藤翼選手と戦う石井選手です。今年はインフィニティリーグに参戦しているのですが、フライ級時代にトップ戦線に躍り出ようかという勢いがあった石井選手が、なぜ混戦状態の象徴のようなリーグ戦に出ることを決めたのでしょうか。
「自分はベルトが欲しいです。そのための発言権を得るためにも、インフィニティで優勝しようと考えたんです。長南さんが持ってきてくれた話でもありますし、好き勝手に言うためにもインフィニティ優勝っていう実績があった方が良いと思いました」
──瀧澤謙太戦の前にも同じようなことを言っていたような(笑)。
「そうですね(苦笑)。あの試合は……アレはアレで良い経験になりました。TRIBEに来て打撃に自信が持てるようになり、『当たるじゃん』って調子に乗ったところもありました。そこが今はアジャストできてきているので、今回は大丈夫です。瀧澤選手に髙谷さんがセコンドについていて、今回も髙谷さんが関係している選手なので、もう負けていられないです」
──コロナ問題でインフィニティリーグもどれだけ消化できるか余談を許さない状況ですが、それもあってインフィニティリーグ戦でなくとも試合を受けたという形でしょうか。
「まぁ、ぶっちゃけて言うとインフィティリーグで決まっていた試合が戦えなくなったからです。野尻(定由)選手との試合はコロナ問題で早々に流れて、他の出場選手ともできなかったです。皆が色々な事情があるのだろうけど、僕はコロナ問題云々でなく人生を賭けて格闘技でやっているので、同じ熱量の選手はそれほどいないんだなって……。
仕事の関係とかで試合や練習ができない人がいるのは理解できます。と同時に、そういう選手は僕と同じだとはもう思っていないです。
そのなかで齋藤選手は出てくるってことは、同じような熱量のある選手だと思いますし、思い切り戦います。齋藤選手は同じ種類の人間、根性を入れなおして殴り合いをしないとダメですね」
──今回に向けてトレーニングの方は?
「TRIBEでは変わりないです。これまでと同じです。逆にこの状況でもやるんだってことで、より結束力が高まって練習ができているかと思います。
今の自分が一番強いって胸を張って言えるので、試合をしないという選択は僕にはないです」
──練習を続けることに関して、感染の拡大を抑えようという世間の目を気にすることはないでしょうか。
「世間の目を気にしていたら、こんな生き方はしていないです。世間の目よりも、自分がやってきたことが形にできない方が怖いですし、今を無駄にできないです。
もちろん手洗い・うがい、ジム内もしっかりと消毒していますし、僕は家とジムしか行き来していない。体調不良の人間が出たら黙っているようなことはないですし、やるべきことをやって積んできたと思っています。
大会自体もRoad to ONE02でケージサイドは防護服で、消毒も念入りだったと聞いていますし、でもABEMAで見ていたらバイオハザードみたいでした(笑)。異様な空間には見えます。UFCのようにPRC検査や抗体検査があれば良いのですが、日本はそういう状況でないなかで、大会を開いてくれる人たちもコロナ対策はできるだけのことをしてくれています。PCR検査があれば安心できますが……あの鼻に棒を突っ込まれるのは怖いですよね」
──……ケージでMMAを戦う人が何を言っているのか(苦笑)。ところで、根性を入れて殴り合うという言葉がありましたが、それは気持ちの問題ということですか。
「ハイ、そう戦うということではないです。作戦らしい作戦も立てていないですし、どの局面になっても戦えるだけのことはやってきました。要点は絞って、その場で必要なことをやろうと思います。3Rとも削って取って、終ってみれば石井の完封だったという試合にしたいです」
──長南さんがアップしている上久保(周哉)選手とのスパーリングの映像を拝見させてもらいました。
「あれは疲労のピークの時だったんです……」
──いやぁ、封じ込みに掛かる上久保選手に対して、よく動けていると思いましたよ。
「上久保さんとは今、週に2回は組ませてもらっています。自分の理想は上久保さんと和田竜光さんの寝技なんです。あの2人の寝技を吸収したくて。動き回るより、要所を押させた試合がしたいです。こっちに来てボコボコにされた2人なので、自分をそういう風にした人たちのようになりたいです。ただし、以前のように動くことができる局面もあるので、そのためにも2人のような寝技を取り入れています」
──だからこそ、この間も積んでいることを出したい試合になりますね。
「この状況下での試合だから、特別だという意識はないです。いつも通りの感覚でやります。どの試合も自分にとっては頑張らないといけないですし。自分の頑張りを見て欲しい人がたくさんいます。その点でも、いつも通り戦うだけです」