UFC285:第10試合・ボー・ニッカル vs. ジェイミー・ピケット

ミドル級。

レスリングでNCAAディヴィジョン1で3度優勝、全米選手権を制し、東京五輪出場候補だったニッカルだが、五輪予選で敗退(負けた相手は東京五輪で金メダルを獲得したデヴィッド・テイラー)したことでMMAに転向。アマチュアで2勝した後、昨年6月にプロデビュー。同じデビュー戦の相手から33秒KO勝ち。2ヶ月後にコンテンダーシリーズに出場すると、MMAキャリア3勝0敗の相手に1分2秒でチョークを決めて一本勝ちしたが、さらなる経験が必要と判断され、翌月にもう1試合組まれる。今度は7勝1敗の相手だったが、ニータップでテイクダウンを奪うと、ハイマウントから三角→下になって決めてまたも秒殺。プロデビューは昨年だが、MMAのトレーニング自体はレスリング時代からしており、またMMA以外にグラップリングマッチにも精力的に出場している。ただ、ここまでは時間が短すぎて、ほぼ一方的に攻めるのみで終わっており、相手の打撃に対するディフェンスなど未知数な部分も多い。

相手のピケットはUFC6戦のベテランだが、MMAトータルで13勝8敗と、UFCファイターとしては珍しく勝率が低い。8敗のうち4敗はUFCで喫したもの、2敗はコンテンダーシリーズで喫したもの(3度目の挑戦で勝利しUFCと契約)。UFCデビュー戦の相手もプロ2年目、キャリアわずか4戦のテフォン・チュクウィで、序盤に早くも心を折られて逃げ腰になり、フィニッシュこそされなかったものの、全くいいところを見せられず敗れた。その後2勝しているとはいえ、相手は1勝3敗・0勝1敗の相手で、現UFCミドル級の中では下から5本の指に入るレベル。チュクウィ戦では若く勢いとフィジカルの強さがある相手に早々に諦めていたが、今回は意地を見せることができるか。

ハイを空振ってスリップダウンしたニッカル。立ち際にハイを打ち込むピケットだが、ニッカルタックルへ。受け止めてボディに膝を入れるピケット。ニッカルケージに押し込むと膝。ややローブロー気味。アピールするピケットだがレフェリースルーで試合が進む。ダースチョークのクラッチをで引き倒したニッカル。バックに回りチョークへ。しかし顎の上。肩固めに切り替えたニッカル。ハーフのまま絞める。苦しげなピケットだがまだ入っていないか。かなり力を入れているニッカル。もう一度絞め直す。マウントで絞めてタップアウト。

ニッカル、大方の予想通りの完勝。しかしまた打撃の対処やスタミナなどがテストされることはなかった。

 

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