UFC on ESPN+84:メインイベント・シリル・ガーン vs. セルゲイ・スピバック

ヘビー級5分5R。ガーン2位、スピバック7位。

ガーンは昨年1月のヘビー級王座統一戦でテイクダウンから固められての判定負けを喫した後、ちょうど1年前に開催されたUFC初のパリ大会でタイ・ツイバサと対戦。このところのガーンの試合は距離を取ってのアウトボクシングというリスクを回避する戦法で盛り上がりにかけていたが、ツイバサにはダウンを奪われピンチに陥ったことで、ガーンも打ち合いに応じてKO勝ち。地元の会場を盛り上げた。その後ガヌーがタイトルを返上し、ガーンは今年の3月にヘビー級転向初戦となるジョン・ジョーンズと王座決定戦で対戦。開始直後にテイクダウンを奪われ、座った体勢でギロチンを決められて一本負け。またしても正王座獲得はならなかった。今回もまた、タイトル戦敗北からの地元での再起戦。33歳。

モルドバのスピバックはUFC7勝3敗。最初の3戦が1勝2敗で、そこから6勝1敗。とはいえ前座~中堅の試合が長く、2戦前のアウグスト・サカイ戦で勝ってランキング入りを果たし、前回のデリック・ルイス戦がUFC5年目で初のメイン。ルイス戦は試合当日イベント開始後にルイスのコロナ感染が発覚して消滅するというアクシデントがあったが、今年2月にリスケして組まれた試合では、組んで投げ、立たれてはまた投げるという展開でルイスを消耗させ、最後は肩固めで何もさせずに完勝。一気にトップ10ランク入り。そしてまた、今回ガーンに勝てばあっという間にタイトル挑戦圏内に入ることになる。テイクダウンからのパウンドが武器で、テイクダウン成功率はヘビー級最高。東ヨーロッパのモルドバ出身だが、ヨーロッパで試合をするのはUFC契約後初めてとなる。ランカー最年少の28歳。

スピバックが勝ったランカーのうち、サカイはすでにリリースされており、ルイスは連敗中で落ち目であったことを考えると、スピバックにトップ5ランカークラスの実力があるかは証明されていないが、オッズは意外と競ったものになっている。

両者ジャブで牽制。スピバックインロー。ガーンはロー、関節蹴り。タックルを見せたスピバックだがバックステップして組ませないガーン。またジャブ。前蹴り。スピバックパンチ連打で3発目がヒット。スピバックタックル。ケージに詰めてシングルレッグ。切られた。パンチを入れて離れる。前蹴り、ボディを入れたガーン。左がヒット。ジャブ。ボディ・顔面と打ち込むガーン。前蹴り。スピバック手が出ていない。残り1分。左右のボディを入れるガーン。ワンツー。ハイ。組みに行く動きもないスピバック。ガーンがジャブからボディ。ホーン。

1Rガーン。

2R。ジャブ、ローを入れるガーン。腹にテンカオ。スピバック後退。腹が効いた。ステップで翻弄しつつパンチを入れていく。スピバックパンチで突進して組もうとしたが切られる。パンチ・膝をボディにもらった。ケージを背負ったスピバック。ガーン冷静にパンチをガードの隙間に打ち込む。ボディ・顔面。スピバックも逆転の一発を狙うが空振り。ケージを背に動きが止まったスピバックに荒いパンチで滅多打ち。レフェリー止めた。

前回はピンチに陥ったことで盛り上がったが、今回はそうした場面もなく圧勝。しかし会場は地元スターの勝利に大喜び。

ルイス相手には相性で圧倒できたスピバックだが、正直ガーンとは大きな差があった。

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