UFC300:第6試合・ホリー・ホルム vs. ケイラ・ハリソン

女子バンタム級。ホルム5位、ハリソンは初参戦。プレリム最注目の一戦。

元王者ホルム。柔道銅メダリストで、当時の女子格闘技のアイコンであり、女子MMAの世界を確立したパイオニアロンダ・ラウジーをハイキックでKOしたのが8年半前の2015年。そこから12戦で5勝6敗1NCと苦戦しているものの、6敗のうち4試合はタイトルマッチ。かつてのストライカーから、現在は組み主体の選手に変貌を遂げている。前戦はマイラ・ブエノ・シウバをケージに押し込んだところにニンジャチョークに捕まり、タイトル陥落したミーシャ・テイト戦以来となる一本負け。今大会最年長の42歳。

女子柔道2タイムオリンピック金メダリストハリソン。2018年にPFLでMMAデビューすると、2019年から開催された女子ライト級リーグ戦を全勝で制して100万ドルを獲得。しかし女子ライト級といいつつ、ほとんどの選手がフェザーから階級を上げての出場で、ハリソンのための階級だった。2021年もまた全勝で2度目の100万ドルを獲得したが、2022年は決勝で過去2度破っている(いずれも判定)ラリッサ・パチェコ相手に苦戦し、判定負けでキャリア初黒星。2023年シーズンは、リーグ戦は女子フェザー級に変更されたがハリソンは出場せず、元UFCのアスペン・ラッドと150ポンド契約ワンマッチで対戦し判定勝ち。Bellatorを買収したPFLでは、Bellator女子フェザー級王者・元UFCフェザー級王者のクリス・サイボーグとの対戦が期待されていたが、ハリソンはPFLとの契約を終えUFCと契約。てっきり空位となった女子フェザー級で戦うのかと思いきや、さらに体重を落としバンタムにはじめて落としての試合となる。33歳。

はたして柔道時代の78kgから61.2kgまで落としたハリソンが、今までと同じように動けるのかどうか。

いつも通り重心を低くしたMMAの構えを見せるホルム。組み付いたハリソンだが、ホルムが脇を差してケージに押し込む。ハリソン払腰で投げた!が、投げられた勢いで上を取り返したホルム。ハリソン立った。なおも脇を差しているホルム。が、ハリソンが潰して上を取る。ハーフから強いパウンド。背中越しに下の手をホールドしてパウンドを入れるハリソン。半身のホルムにPFLでは使えなかった肘を入れる。パウンドラッシュ。なんとかガードに戻して膝で距離を作ろうとするホルムだが、インサイドからパウンドを入れていく。パウンド・肘。下から肘を返すホルムだが、ハリソンはガードの中で立ち上がってパウンドを落とす。ホルム下からホールドして凌ぐ。ホーン。

1Rハリソン。攻め続けたが、2Rも同じように動けるスタミナがあるかどうか。

2R。ジャブ、サイドキックを出していくホルム。ハリソンが詰めると距離を取る。ハリソン右ハイからタックルへ。組み付いた。膝を着いたホルムにギロチン。しかし放した。大外刈りで投げるとマウント!背中を向けたホルムからバックマウントに。体を伸ばしてチョーク。タップアウト!

ハリソン完勝。柔道家らしくスタンドで脇を差されてしまうが、そこで投げて上を取ると盤石。王者ペニントン、1位ペーニャとの対戦をアピールし、年内に王者になると宣言。

オッズで大差のアンダードッグだったとはいえ、ホルムがここまで一方的にフィニッシュされたのはアマンダ・ヌネスにKOされた時以来。

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