UFC on ESPN56:第7試合・ワルド・コルテス・アコスタ vs. ロベリス・デスパイネ

ヘビー級。

アコスタは元マイナーリーグのピッチャーで、肘を故障し野球を断念。MMAに転向した。パンチを武器にしたストライカーで、UFC4勝1敗。しかしグラウンドには穴がある。マルコス・ホジェリオ・デ・リマにはカーフキックを効かされ判定負けしている。前戦は元王者で大ベテランのアンドレイ・アルロフスキーに打撃戦で手数が少ない展開となり判定勝ち。層の薄いヘビー級ではランキング目前のポジション。32歳。

デスパイネUFC史上唯一の柔道・レスリング以外のオリンピアン(テコンドー2012年ロンドン五輪銅メダリスト)。MMAのトレーニングを開始したのは2019年だが、パンデミックの影響でプロデビューが遅れ、デビューは2022年6月。ここまで5試合すべてが1RKO勝ちで、デビュー戦以外は組みの展開になる間の開始直後の打撃戦で終わっている。2年前のプロデビュー戦では、組まれてケージに押し込まれると耐えるのみだったが、組みの実力は向上しているのか。テイクダウンされた後の対応は?長期戦のペース配分やスタミナは?あまりにも多くの項目が未知数。ランキング目前のアコスタが相手だと、さすがに序盤で試合が終わることは考えにくく、この試合で明らかになる可能性がある。35歳。

いきなり詰めたデスパイネ。ノーガードから右フック。さらにパンチを打ち込む。アコスタタックル。切れずに倒されたデスパイネ。ハーフで押さえ込まれた。下のデスパイネ、立つ動きがない。下から抱えてディフェンスするのみ。ハーフからパウンドを入れていくアコスタ。じわじわケージの近くに移動してきた。ハーフからアメリカーナ。足が抜けてサイドで極めようとする。力で耐えるデスパイネ。耐えきった。外れる。またハーフ。デスパイネ、やはり下の技術がサッパリ。下から抱えてディフェンスするだけ。パウンドを入れていくアコスタ。ホーン。

1Rアコスタ。デスパイネ、この後はスタミナがあるかどうかも問われる状況に。

2R。またノーガードでじわじわ出るデスパイネ。ジャブ。ロー。ミドル。ケージまで下がったアコスタに右オーバーハンド。かすめた。アコスタは打ってこいと挑発。アッパーを放ったがアコスタタックル。こらえたがケージを背負うデスパイネ。離れた。デスパイネジャブから右。しかし疲れている?パンチのスピードがやや落ちている。ジャブからアッパー。ガードの間からヒットしているように見えるが、アコスタは打ってこいとアピール。パンチを入れるがアコスタも打ち返した。そしてまたタックル。ボディロック。簡単に倒されてすぐマウント。デスパイネ、スタミナもテイクダウンディフェンスもない。アコスタ体を起こしてパウンドラッシュ。腕でブロックするのみのデスパイネ。また下からホールド。しかしアコスタもフィニッシュできるパンチを入れられない。ホーン。

2Rアコスタ。デスパイネ、スタミナ切れで立ち上がるのも一苦労。

3R。ノーガードで出るデスパイネ。しかしタックルの間合いは入らない。遠い間合いからジャブ、ロー。インロー。前蹴りが顎にヒットしたが、アコスタは効いてないとアピール。アコスタ自分から組み付いた。脇を差したデスパイネだが、しっかり引き剥がすことができずケージに押し込まれる。アコスタクラッチしてテイクダウン。アコスタパウンドラッシュ。打たれているデスパイネ。なんとか体を起こそうとしたデスパイネだが、サイドで押さえ込んでパンチを入れるアコスタ。タイムアップ。

30-27×2、30-26の3-0でアコスタ勝利。

デスパイネ、想像していた以上にMMAへの対応力がなかった。予想はしていたものの、もう少し長く幻想を見せてほしかった。このテイクダウンディフェンス・グラウンドでの対処では、遠からず他の相手に同じ負け方をしていただろうが。

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