UFC307:第2試合・カーラ・エスパルザ vs. テシア・ペニントン

女子ストロー級

初代女子ストロー級王者エスパルザはこの試合が引退試合になることを公言している。2010年にプロデビューし、その後、Invictaでストロー級王座を獲得すると、2014年にUFC女子ストロー級のスタートとなるTUF20初代女子ストロー級王座決定トーナメントに大本命として出場し、決勝でローズ・ナマユナスを破り優勝。しかし初防衛戦でヨアンナ・イェンジェイチックに敗れて王座から陥落すると、それ以降は戦績も振るわず、試合機会もなかなか得られなくなり、経済的に困窮してTUF優勝賞品のハーレーを売りに出したこともあった。それでもテイクダウンを武器に戦う泥臭いファイトスタイルで2019年から5連勝。王者となったナマユナスのタイトルに挑戦する機会を得ると、両者見合いが続く凡戦ではあったが、スプリット判定勝ちで2度目の王座を獲得した。2022年にジャン・ウェイリーに2R門脇チョークで敗れて、またも防衛を果たすことはできず。昨年は妊娠・出産に伴い休業し、ランキングからも外れていた。母として最初で最後の試合となる。36歳。

ペニントンはセミで防衛戦を行うパートナーのラケルとの同日参戦。テシアもランカーだったが、昨年娘を出産しており、休業中にランク外となった。5月の復帰戦では、元SEI☆ZAのタバタ・ヒッチと対戦。ヒッチのテイクダウンを防いで打撃をヒットさせる試合内容となり、ヒッチのコントロールとペニントンの打撃のヒットのどちらを評価するか難しい展開の末、スプリット判定負けした。バックボーンは空手・キック・テコンドー。35歳。

両者は10年前のTUF20の2回戦で対戦しており、エスパルザが2R2-0で判定勝ちしている。

右で飛び込みヒットさせたペニントン。左右のパンチを打ち込む。下がり気味のエスパルザ。また飛び込んで右を入れたペニントン。エスパルザが距離を詰めようとしたところでカウンターのヒザを入れたペニントン。ペニントンが出てきたタイミングでエスパルザタックル。しかし小手に巻いて防いだエスパルザ。が、再度タックルへ。今度はタイミングよく入ってテイクダウン!下から蹴り上げるペニントンだが、エスパルザは立たせず足をサバいてパス。サイド。押さえ込みながらヒジを入れる。下から足を絡んでハーフにしたペニントンだが、足を抜いたエスパルザがクルスフィックスで固定しパウンド。ペニントンブリッジで暴れる。クルスフィックスは外れたが、がっちりと押さえ込んで逃さないエスパルザ。ノースサウスからパウンドを入れる。ホーン。

1Rエスパルザ。テイクダウンまではけっこう苦労したが、倒してからの押さえ込みの強さは変わらず。

2R。テイクダウンを警戒して手数が減るペニントン。エスパルザが飛び込んで単発の打撃を入れる。ペニントンは間合いを詰めることもできない。エスパルザが右をヒット。ペニントンカーフキック。タックルのフェイントから左を打ち込むエスパルザだが空振り。さらに飛び込んで右を入れるとペニントンもパンチを返し相打ちに。ペニントンまたカーフ。エスパルザが飛び込もうとするとバックステップでかわすペニントン。エスパルザのパンチの打ち終わりに飛び込んでパンチの連打を入れたペニントン。大きな展開がないまま残り1分半。ペニントンインロー、カーフキック。エスパルザタックルへ。受け止めて切ったペニントン。さらに飛び込んでパンチを入れたエスパルザだが、ペニントンがまたパンチを返す。エスパルザまたタックル。切ったペニントンだが、エスパルザさらに魂のタックルでテイクダウン。すぐに立ちに行くペニントンのバックに回りパンチを入れる。立って正対したペニントン。離れた。打撃を入れるペニントン。ホーン。

2Rもテイクダウンを取ったエスパルザだが、コントロールされた時間は短く、打撃のヒットで上回ったペニントンのラウンドか。

3R。ローで攻めるペニントン。カーフキック。前蹴り。慎重なエスパルザに対し、手数は多くはないが蹴りを入れていくペニントン。エスパルザはタックルも打撃も出ない。ペニントンが淡々と打撃を入れていく展開に。またカーフ。残り半分。エスパルザ飛び込むとパンチ3連打を打ち込む。今度は飛び込みからタックルを狙うが、ちょっと間合いが遠い。ステップもなくなってきたエスパルザ。飛び込みからワンツーを入れたエスパルザ。さらにニータップからパンチを入れる。残り1分。また飛び込んで連打を入れるが、さらに飛び込んだところで右をもらった。カーフを効かされて飛び込みのスピードもなくなっている。残り30秒でテイクダウン。パウンド。下から蹴り上げるペニントンの足をサバいてハーフにするとヒジ!タイムアップ。

エスパルザ、最後にテイクダウンからパウンドで見せ場があったが、ちょっと遅かったか。

29-28×2、30-27の3-0でペニントン勝利。

会場はペニントンにブーイング。1Rもペニントンに入れたジャッジはどうかと思うが、29-28ペニントンは妥当。エスパルザ有終の美を飾れず。

試合後のインタビューで、エスパルザの現役生活を振り返るVが流される。

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