UFC294:セミファイナル・カマル・ウスマン vs. ハムザト・チマエフ

ミドル級。両者ともに現在はウェルター級ランカーで、ウスマン1位、チマエフ4位。

ウェルター級王者ウスマン。UFCデビューからの連勝を15に延ばし、アンデウソンのUFC記録に並ぶまであと1分を切ったところで、レオン・エドワーズのハイキックでKOされ、記録が途絶えた。最後にハイをもらうまでは優勢だった初戦に対し、今年3月のダイレクトリマッチでは、エドワーズが互角以上に渡り合い、判定負けで連敗。その後の去就が注目されていたが、5月のインタビューではチマエフとの対戦に興味を示しており、ミドル級に上げて戦う可能性もその時に示唆していた。しかしその後、このコメントを聞いたチマエフがウスマンに対戦要求を行うと、ウスマンは「キャッチウェイトなら受ける。何も成し遂げていないお前のためにミドル級には上げない」と返し、自身はタイトル奪還を目指し、まだ対戦経験のないスティーブン・トンプソン戦を希望するコメントを出している。
36歳。

チマエフはUFCデビューから6連勝、MMAデビューからも12連勝中。UFCデビューから2ヶ月で3勝を挙げ、わずか半年でメインに抜擢されたが、コロナ感染で欠場。後遺症のため、一時は引退も口にしていた。1年以上のブランクで復帰すると、ランカーのリー・ジンリャンに1Rチョークで一本勝ち。昨年4月にはタイトル挑戦経験のあるギルバート・バーンズとの試合が組まれた。当時まだ二桁ランカーのチマエフが、ウスマンのタイトルにも挑戦したランキング2位のバーンズと対戦するという飛び級マッチメイクで、1Rにダウンを奪うも2Rにパンチで盛り返され、消耗戦となった3Rを制して判定勝ち。初の判定だったが、バーンズ相手に互角以上に戦いきったことで、かえって評価を上げた。この時点で、当時絶対王者だったウスマンのタイトルへの挑戦を期待する声も上がってきた。が、次に組まれたネイト戦で大幅体重オーバー。そのままミドル級に戻している。今回、当初予定のパウロ・コスタが欠場したことにより、急遽念願だったウスマン戦が実現することに。29歳。

ウスマン陣営が緊急オファーを受け入れる条件として、勝者が王座に挑戦することを入れていたため、この試合の勝者はショーン・ストリックランドのタイトルに挑戦することになる。

ミドルを入れたチマエフ。タックル。シングルレッグでクラッチ。足をかけて倒そうとする。こらえたウスマンだがスタンドバックを取られた。そこからグラウンドに引き込もうとする。膝を着かせた瞬間にバックマウントへ。鉄槌・パウンド。耐えているウスマン。チョークを狙うチマエフだが、ウスマン顎を引いて防いでいる。背負って立ったが四の字バックからチョークを狙うチマエフ。前転してチマエフを頭から落として外したウスマンだが、なおも四の字バックをキープしているチマエフ。残り1分。またマタレオンを狙ったが浅いと見て自ら放すチマエフ。足のフックを外したチマエフだがまたフックしバックマウントから殴る。ホーン。

1Rチマエフ。10-8あるかもしれない。

2R。カーフを蹴るウスマン。しかし両者警戒して手が出ない。チマエフはスイッチしながらジャブで牽制。ウスマンもジャブを一発入れる。出ないチマエフ。ウスマンは行くしかないが出られない。タックルフェイントを見せるウスマン。チマエフミドル。ほぼ両者牽制のみで3分経過。ジャブの手数を増やしてきた両者。チマエフのスイッチに合わせてスイッチし喧嘩四つをキープするウスマン。ウスマン飛び込んでワンツー。残り1分。チマエフタックル。ダブルレッグで倒した。ウスマンホールドして時間を使う。残り10秒でホールドした腕を外したチマエフだがホーン。

2Rは打撃の手数でウスマンか?

3R。チマエフいきなりローシングル。切ったウスマン。ジャブ、前蹴りを出す。ウスマンワンツー。チマエフの右に右を返したウスマン。チマエフダブルレッグ。切った!左ハイ。ウスマンのジャブがヒット。パンチで攻めるウスマン。ワンツー。タックル!切ったチマエフ。チマエフまたローシングル。今度は足首を掴んだ。そこからダブルレッグへ。テイクダウン!完全に寝かせた。下から殴るウスマン。チマエフが足を抜いた瞬間に立ち上がった。パンチで出るウスマン。左右のフック。タイムアップ。

29-27×2、28-28の2-0でチマエフ勝利!

1Rにコントロールしきったチマエフ。そのため2Rに攻めきれなかったウスマン。3Rにはタックルを切って打撃の手数で上回る展開だったが…。

ジャッジは2Rは二者ウスマン、一者チマエフ。3R二者チマエフ、一者ウスマン。いずれにしても1Rは三者10-8チマエフだったので、ウスマンが勝つにはフィニッシュするしかなかった。

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