UFC306:オッズ/予想と展望

ショーン・オマリー 1.77
メラブ・ドバリシビリ 2.10
アレクサ・グラッソ 1.74
ワレンチナ・シェフチェンコ 2.14
ブライアン・オルテガ 2.45
ディエゴ・ロペス 1.57
ダニエル・ゼルフーバー 1.43
エステバン・リボビクス 2.90
ロナウド・ロドリゲス 1.74
オデー・オズボーン 2.14
イレーネ・アルダナ 1.91
ノルマ・ドゥモン 1.91
マヌエル・トーレス 1.85
イグナシオ・バーモンデス 1.98
ジャスミンハウレギ 1.20
ケトレン・ソウザ 4.80
エドガル・チャイレス 2.90
ジョシュア・ヴァン 1.43
ラウル・ロサスJr. 1.12
アオリ・チロン 6.75

2年連続となるメキシコ独立記念日イベントで、メイン以外の全試合にメキシカンまたはメキシコ系アメリカ人ファイターが出場する。昨年オープンした新会場・スフィアでの初の開催(スフィアでのスポーツイベント開催自体が初)。会場の内壁がLEDスクリーンとなっており、通常のナンバーシリーズの制作費200万ドルに対し、10倍以上の予算をかけた演出がされるとのこと。

メインは王者オマリー2度目の防衛戦。UFCデビューからプロスペクトとして期待され、KO勝ちの山を築いてきたオマリー。当時ランキング11位、ランカー相手の勝利がないままランキング1位のピョートル・ヤン戦が組まれ、露骨にプッシュされているイメージがある中で、メディアもファンもほとんどがヤンの勝ちと見た内容でオマリーが判定勝ち。批判もされたが(オマリーには責任はないが)、これでランキング1位となり、昨年8月にスターリングの王座に挑戦。難攻不落の王者から左一発でダウンを奪い、パウンドでKOして王座を獲得した。そこに至る経緯には、周囲の力によるものという印象はあったものの、タイトル戦の勝ち方には文句のつけようがなかった。しかし、その後はNo.1コンテンダーであるドバリシビリではなく、過去に敗れている下位ランカーのヴェラを初防衛戦の相手に指名。判定勝ちしたが、事前の期待感を超えるものではなかった。今回は満を持してドバリシビリとの対戦が実現する。ここで勝てば、王者としての実力を疑うものはいなくなるだろう。

ドバリシビリはUFCデビューから2戦こそ力を出しきれずに敗れたが、そこから10連勝。10勝のうち、マルロン・モラエスのKO勝ちが唯一のフィニッシュで、唯一のボーナス獲得。ノンストップでテイクダウンしまくるスタイルで、立たれてもテイクダウンを繰り返し、相手を消耗させていく。テイクダウン66回は、UFCバンタム級では2位リッキー・シモンの43回を大きく上回る圧倒的トップ。オマリーが実質負けていたピョートル・ヤンにも完勝し、実績的には王座に挑戦することに問題はなかったが、当時の王者スターリングが同門のため対戦を拒否。ドバリシビリのタイトル挑戦が後回しにされたのは、それもあってのことかもしれない。

オッズは僅差だがオマリーがフェイバリット。10連勝中、劣勢な場面すら見せなかったドバリシビリだが、33歳で、通常軽量級ではピークアウトし始める年齢。ここで勝てなければ、タイトルに届かないままキャリアを終えることになる可能性もある。

ヤン相手には打撃を効かせた上でテイクダウンを取りまくって勝利したドバリシビリ。長期戦になるほどドバリシビリが有利となる。オマリーが勝つとすれば、前半のうちにビッグパンチをヒットさせて大きなダメージを与えた場合か。

ドバリシビリ判定勝ち。

セミは女子フライ級タイトルマッチで、昨年3月、9月に続く3連戦目であり、TUFコーチ対決。初戦は、当時絶対王者だったシェフチェンコにがジャブを突いてタックルからテイクダウンする展開で優勢に試合を進めていたが、シェフチェンコのバックスピンキックに合わせて背中に乗ったグラッソがチョークで一本勝ち。絶対王者シェフチェンコにフライ級で初めて土をつけた。回転技に対してチョークを狙うのは試合前から用意してきたもので、偶然ではないが、作戦がうまくハマっての勝利という印象も残った。

昨年9月のダイレクトリマッチでは、シェフチェンコが1R・3Rにテイクダウンからバックを奪い、2Rはグラッソがパンチでダウンを奪う展開で一進一退。4Rはグラッソがテイクダウンしてバックを取るが、シェフチェンコが反転して上を取り返し、残り30秒でもテイクダウンを奪ってジャッジの印象が割れるラウンドに。運命の5Rはシェフチェンコの投げをスカしたグラッソがバックマウントからチョークを執拗に狙っていったもののフィニッシュは奪えず。4Rの判断次第でジャッジが割れる内容ではあったが、一者グラッソ、一者シェフチェンコで、残る一者が5Rに10-8をつけて三者三様のドローに。が、5Rは通常であれば10-8をつけることほどの差はなく、10-8をつけたジャッジが他の2名と同様に10-9であればシェフチェンコの勝利となっていただけに、このジャッジも物議を醸した。

オッズは初戦が大差でシェフチェンコのフェイバリットだったものが、再戦では僅差でのフェイバリットとなり、今回はついにグラッソがフェイバリット。シェフチェンコはフライ級に落としてから初のアンダードッグとなる。シェフチェンコは36歳で、女子フライ級では3番目の年長。前回も僅差でのドローとはいえ、初戦に比べれば内容は競っていた。さらに1年が経過し、両者の力関係も逆転したと見られているか。

予想はグラッソの判定勝ち。

通常のナンバーシリーズは全12~13試合だが、今回は全10試合。第1試合開始は朝8時半から。速報します。

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