【写真】ショートインタビューだったが、早口で多くを話してくれたゲイジー。しゃべりも勢いがあります (C)MMAPLANET
23日(土・現地時間)、マカオはコタイにあるギャラクシー・アリーナで開催されるUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」にジャスティン・ゲイジーが、ディエゴ・ロピスと共にゲストファイターとして訪れている。
Text by Manabu Takashima
もはや東洋のラスベガスといっても過言でないマカオ・コタイ地区のナイトライフを楽しんでいると公言するゲイジーに、そのファイトスタイルとBMF王座、そしてUFC世界ライト級タイトルの関係性について尋ねた。
――ジャスティン、実はWSOF時代に日本のGONGマガジンのインタビューをラスベガスでさせていただいたことがありました。もう10年も昔の話になりますが……。
「10年っていうことはないだろう。15年は昔だよ(※ゲイジーのMMAデビューは2012年)」
――とにかく大昔ですね。お父さんやおじいさんが銅の採掘をしていたという話をしてくれました。
「あぁ、アリゾナのモレンシー銅山で穴を掘っていたんだ」
――あの時、D-1オールアメリカン・レスラーのジャスティンに「なぜ、テイクダウンを使わないのか」を尋ねました。そうすると「レスリングじゃない。プロのファイトはファンをエキサイトさせないといけない」という風にジャスティンが返答してくれた記憶があります。
「それが俺のファイトだからね。レスリングをやるためにMMAファイターになったわけじゃない。ファイトをして稼ぐためにMMAを戦ってきたんだ」
――ハイ。そのスタイルをWSOFで3年間続けてUFCに転じた時は、正直なところジャスティン・ゲイジーもいよいよ戦い方を変える時がきたと思っていました。世界最高峰であの戦いを続けることはできないだろうと。それが……。
「ノー。俺は変わらない。これまでも、これからも。心配しなくて良いよ。俺はずっと、このままだ(笑)」
――いや、体のことは心配しますよ(笑)。
「アハハハハ。そこも心配しなくて構わない。なぜなら、俺が選んだことだから。レスリングは疲れる。レスリングをやると、バテて試合も勝てない。だから、殴り合っているんだ。それが俺の勝ち方で。レスリングをやっても、俺は勝てない」
――D-1オールアメリカン・レスラーが、本当にそうなのでしょうか。
「ファンだって、こっちの方が良いだろう? 俺もこっちが好きなんだ。レスリングじゃない、ファイトが」
――もちろんファンも、プロモーターもその方が良いです。では家族はどうでしょうか。
「おお、そっちか……。でもさ、マムが双子の俺たちにレスリングをやらせたんだ。4歳の時にゴルフキャップを持ってきて、ゴルファーになるか、レスリングをやるのかって尋ねられた。俺たちはゴルフを選ぶ気は一切なかった。でも、こうやって自分のスタイルを続け、いつだって求められた試合をしてきたことで今の俺がある。ファイトしてきたから、皆が俺を認めてくれたんだ」
――確かに普通のUFCファンは、世界王者を全て知っているわけではないですしね。
「でも、俺のことは忘れないだろ。それは俺があの戦いを続けてきたからだ」
――そこでジャスティンに尋ねたいことがありました。BMFのタイトル戦を戦う時と、UFC世界ライト級選手権を戦うときは気持ちの面など違いはあったのでしょうか。
「う~ん、リアルベルトが掛かっている時はプレッシャーがより大きかった。だって、勝つしかないだろ? チャレンジャーは。1試合、1試合がそれぞれしっかりと経験になるのは絶対だ。ただし勝って手にしてきてモノは、負けると全て奪われる。だからこそ、全ての試合で新しい経験ができる。そして、試合が終わると自分が何者が再確認できるんだ。全てが経験値を高めてくれる。それでも、世界タイトル戦のプレッシャーは群を抜いている」
――その点でいえば、BMFタイトル戦は戦う意思を見せ続ければ試合に負けても、敗者はいない。そんな印象を与えることができる戦いになります。
「うん、その意見は正しいな。ファイトはファンが喜ぶためにあるからね。そうだな……逃げずに、真っ向から戦う姿を見せることができればファンは文句を言わない。そして俺は自分がやりたいように戦っている。俺のファイトを、俺のことを皆がいつまでも覚えてくれるような戦いを続けたい。それには、インパクトのあるフィニッシュが欠かせない。
俺はマックス・ホロウェイでKOされた。ただし、そこには勝敗を超越した何かがあって……その何かを皆に見てもらうことはできたはずだ。それでも勝者と敗者は違う。負け喜んでいるヤツはない。ただし、ファンに認められているなら敗者はいないという意見は正しいと思う」
――ではジャスティンはUFC世界王座挑戦と、BMFタイトル挑戦を二者択一ということが起こった時には、どちらにチャレンジしたいと思うのでしょうか。
「もちろんライト級のワールドタイトルだ」
――それでも戦い方は変えない?
「MMAってクレイジーなんだ。俺が(シャーウス)オリヴェイラにレスリングを仕掛けてどうなる? ヤツの庭に自分から飛び込んでいくようなモノだろ? 一発、アイツの頭にパンチをぶち込んだら勝てる。殴り倒してからも、寝技をさせないためにパウンドにもいかなった。オリヴェイラが背中をつけていたから。それでも、俺は負けた。クレイジーだよ」
――オリヴェイラがスタンドで待つジャスティンに右を当ててダウンを奪ってから後ろ三角、そしてRNCで逆転勝ちでした。となると、さきほどレスリングをすると疲れると言っていましたが、例えばダゲスタンのレスラーとレスリングを使って戦うのも手ではないでしょうか。
「そりゃあ、使うだろう。ただしテイクダウンを奪うことだけがレスリングじゃない。テイクダウンを切るのもレスリングだ。レスリングはオフェンスとディフェンスがある。俺はレスリングを立って戦い続けるために使う。KOするために。足を蹴って頭を殴って倒すために、ね」
――そんなジャスティンの試合を次に見られるのは、いつ頃だと期待して良いですか。
「3月だ。俺は3月に戦いたい。相手は分からないけど、UFCが決めることだ」
――またビッグファイトになりそうですね。
「そりゃあ、そうだ。俺はいつだってビッグファイトをやってきたから」
■視聴方法(予定)
11月23日(土・日本時間)
午後5 時00分~UFC FIGHT PASS
午後4時45分~U-NEXT
■UFN248対戦カード
<バンタム級/5分5R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン(中国)
タバタ・ヒッチ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン(中国)
ムスリム・サリコフ(ロシア)
<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
ガブリエラ・フェルナンジス(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア(スイス)
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
<ライトヘビー級/5分3R>
オジー・ディアス(米国)
チャン・ミンヤン(中国)
<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
ユ・スヨン(韓国))
チィルイイースー・バールガン(中国)
<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
キル・シン・サホタ(英国)
<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
フン・シャオカン(中国)
<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス(米国)
ニャムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)
<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ(英国)
ホセ・オチョア(ペルー)
<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン(米国)
クァン・リー(ベトナム)
<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ(中国)
ニコラス・モッタ(ブラジル)