【写真】まず注目はフルマゴメドフとゲイジーのレスリング能力 (C)Zuffa/UFC
過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。
ここでは番外編として、UFCで控える大一番──カビブ・ヌルマゴメドフジャスティン・ゲイジー戦の愉しみ方を青木に話してもらった。
──UFCでついにカビブ・ヌルマゴメドフジャスティン・ゲイジーのUFC世界ライト級統一戦が決まりました。この試合について、青木選手の期待度を尋ねたいと思います。
「あぁ、ゲイジーヌルマゴは……レスリングでヌルマゴが圧してしまうと思います」
──この試合に備えてゲイジーがシカゴにあるノースウェスタン大学のレスリング部で昨季のBIG10で21勝0敗のパーフェクトレコードを残し、コロナ禍で中止となった今年のNCAAの157ポンド級でナンバーワンシードだったライアン・ディーキンとトレーニングをしてきたそうなんです。そこが青木選手のいうようにレスリング勝負になることをゲイジー陣営が考えているのかと。
「ヌルマゴメドフはロシアン・レスリングですしね。どれだけNCAAのレスラーと対策を練ってきてもヌルマゴメドフ有利は変わらないと思います。勝負はゲイジーが最初にいかに行けるかのってことで決まってくるような。最初に下がらずに、どれだけいけるのかが大切になってくるでしょうね」
──ジャスティン・ゲイジーならそういうスタイルで行こうとしそうですが。
「ハイ。ただし、行こうとするのと行けるのとは違うので。ゲイジーがいくら行こうとしても、ヌルマゴドフがそれをさせまいとしたら行けなくなることも十分にありえますしね」
──ゲイジーはこれまで乱打戦が多く、レスラーとしての側面を余り出していない。そのなかでテイクダウンをされていないじゃないですか。
「確かに、そうですね」
──テイクダウンの攻防がヌルメゴメドフの力によって見ることができると、それはそれで凄く興味深いです。
「ゲイジーはいつも打撃戦になってしまっていますよね。そして、頭を下げて殴りにいくことがある。そこにヌルマゴメドフの凄い一発が入ることもあり得ますし。ただ、それがあるならゲイジーも一発が入ることもある。そういうフィニッシュも考えられます」
──ゲイジーのローは有効打にはならないでしょうか。
「蹴ることができますかね。それを狙うと、テイクダウンされるような気がしますね」
──この試合は戦略を考えて愉しむという一戦でしょうか。
「もちろん、そういう愉しみ方はどの試合でもできます。ただし、どうしても不確定な要素が多いので、つまりは万人が愉しめるファイトなるということですね」
──その万人が愉しめる試合も、コア・ファンは愉しむことができるということで、順番としてヌルマゴゲイジーの前にマイケル・チャンドラーゲイジーが見たかったという想いがあります。
「あぁ(笑)。僕はチャンドラーヌルマゴの方が見てみたいです。この試合の方が、幻想がありますよね。一発当たったらっていう部分で」
──青木選手が予想したようにヌルマゴメドフゲイジーで、ヌルマゴメドフが勝利して、次はチャンドラーというのはあるかと思います。そうなる前に絶好調のゲイジーとチャンドラーが見たいというのがあったんです。
「あぁ、そういうことですね(笑)。ゲイジーが傷つく前に見たいという。ゲイジーチャンドラーを楽しむには、そっちの方が良いですしね。でもセコンドが新型コロナウィルス検査で陽性になったら試合ができないという状況ではヌルマゴメドフゲイジーが、ヌルマゴメドフチャンドラー、ゲイジーチャンドラーに取って代わられる可能性は普段よりよほど高いですし、チャンドラーだってスタンバっているかと思います。
試合以上に不確定要素があり、何か起こった時にチャンドラーを用意している。凄く贅沢で、ここを抑えることができるのがUFCの凄さです。中東の王子様の持ち物じゃないのに、そこまでUFCは地力があります」
The post 【Special】月刊、青木真也のこの一番─番外編─10月25日、ヌルマゴメドフ✖ゲイジー戦の愉しみ方 first appeared on MMAPLANET.