【写真】立って良し、寝て良しのバウシュト。欲を言えば青木や徳留、日本勢との試合がこのタイミングで見たかった(C)MMAPLANET
11月6日(金・現地時間)に中継されるONE113「Inside the Matrix II」で注目のライト級マッチが視られる。それがピーター・バウシュトとティモフィ・ナシューヒンの一戦だ。
昨年5月に下石康太を破りONEデビューを飾ったバウシュトは、今年の1月にエドゥアルド・フォラヤンを下しONEで3連勝中。タイトル挑戦権はユーリ・ラピクスに譲ったもののバウシュトは、自身の力に絶対の自信を持つ。
オランダを発ちシンガポールへ向かう直前に行ったインタビューで、新型コロナウィルス感染が再拡大傾向にあったオランダにおいて、最高のキャンプができたとバウシュトは断言した。
──ティモフィ・ナシューヒンとの試合へ、もうすぐシンガポールへ向かうところかと思います。現在の調子はいかがですか。
「コンディションはパーフェクトだよ。気合も入りまくっている。コロナウィルスがあっても、スマートにしっかりとキャンプをしてきた。本当に良いキャンプだったよ」
──春に続き、オランダは感染者が増えてロックダウンになるのではと聞いています。それでもキャンプに影響はなかったのでしょうか。
「自己隔離をしながらチームメイトとだけ会って練習をしてきたんだよ。人数も固定して協力しあって、トレーニングをしてゲームプランを立ててきた。1週間に1度コロナのテストをして、メールで結果が届くまで2日間は家に待機だ。そして陰性結果が出てから、ジムで対人練習を再開する。そうやって感染していないことを確認しながら、トレーニングしてきた。練習仲間は、凄く自分の体に気を遣ってきたよ」
──それほどまでの対策が必要だったとは思いもしませんでした。と同時に、それだけ頻繁にPCRを受けることができるのですね。
「PCRは無償だけど、10分や15分後に結果が割るスピードテストは150ユーロ(※約1万8300円)の自己負担なんだ。でも、今後はこのスピードチェックがどんどん採用されていくだろうね。
一時期は上手くコロナを抑えることができて、その時はジムで普通に練習できるようになっていたんだ。政府もバカンスにいくことを推奨した。そして、寒さがやっていてインフルエンザが流行り、コロナかインフルエンザが混乱してしまって。で、多くの人が一気に検査をしたことで余計広まってしまったんだ。
政府はその時は調子がそれほど悪くなければ2週間自宅待機をするという指示をしてね。その間に調子が悪くなると、病人に行くようにって感じだったから。
結果的に準備をしている最後の週になって、感染状況の悪化にともない、レストランは閉められ、グロッサリーストアだけがオープンしているような感じになった。コンタクト・スポーツは禁じられ、フィジカルトレーニングしか許されていない。このままでいけば、またロックダウンになるだろうね。ギリギリのタイミングで僕は練習できて、試合も戦える。幸運だったよ」
──インフルエンザ流行の時期が来ると、また感染者が増えるという学者の予測は当たっていたわけですね。ピーターは色々な条件があるなかで練習をしてきたのですが、それにしても毎週PCR検査をして、結果がでるまで自宅待機とは……とは。
「試合をするために必要なことだった。戦って生きていくには、現状を受け入れなければならない。不満をいっても、ストレスが溜まるだけだから。今、MMAの試合に出るにはこういうことを受け入れる必要があるんだ。
でもね、外に出る人も少なくなり、車も走っていない。凄く空気は綺麗になり、気持ち良くランニングをすることができた。エドゥアルド・フォラヤンと戦った時より、ずっと体調は良いよ。
──えぇ、それはどういうことですか。
「フォラヤンとの試合は2週間前のショートノーティスのオファーだったから、今回の方がずっと調子が良いよ。実は10月にトニー・カルーゾと戦った時もオファーは3週間前だった(笑)。エドゥアルドとの試合の時はマネージャーから『人生で最も大切な試合だ』って連絡がきてね(笑)。
1週間の練習で、19時間かけてマニラに行き体重を落とした。だから1月の試合に比べると、ちゃんと準備はできている。なんといっても今回のティモフィとの試合は、過去2年で初めてファイトキャンプを開くことができたから」
──人生で最も大切な試合で元世界王者に勝った時は、タイトルに挑戦できると期待したのではないですか。
「まったくだ(笑)。バカげているよね。ランキングもユーリ・ラピクスの方が上だった。僕はコウタ・シモイシに勝ち、無敗だったカルーゾに勝った。そして元世界王者にも勝った。マネージャーも『次はタイトルだと思っていたけど、アンディ・サワーと同じジムじゃないからな』だってさ(笑)」
──キョーレツな嫌味ですね。
「アハハハ。ラピクスはペトロシアンのジムに所属しているから挑戦権が回ってきたんだ。でも、問題ないよ。ティモフィに勝てば、僕が挑戦権を手にできる。きっとね(笑)。そうでなくてもダギでも、シンヤ・アオキでもエディ・アルバレスでも誰とでも戦う。誰にも負けない。タイトル戦がどれだけ遠ざけられようとも、僕は辿り着く」
──それだけナシューヒンに勝つ自信もあるということですね。
「ティモフィは強いよ。本当に強い。でも、彼のファイトIQはそれほど高くない」
──えっ?
「いや、彼をリスペクトしていないわけじゃないんだ(笑)。でも、僕のファイトIQは彼より高い。僕の方が彼より戦いの幅がある。判定になることもないし、距離を取ることもない。初回が2RでKOか、サブミッションで勝つよ。ベストを尽くす、やるかやられるか──そして、やるだけさ。
ベストを尽くして、僕がベストだと証明する。武士道ウェイとは自分を信じ、いかなる時もやるかやれるかの覚悟で前に進むこと。可能か不可能かじゃない、ただやるだけなんだ」
■視聴方法(予定)
11月6日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」
■ONE113 Inside the Matrix2対戦カード
<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] キャムラン・アバソフ(キルギス)
[挑戦者]ジェイムス・ナカシマ(米国)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ピーター・バウシュト(オランダ)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・キュソン(韓国)
若松佑弥(日本)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ガオール(インドネシア)
モン・ボー(中国)
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