【写真】ユン・チャンミンに続き、アジアの新鋭を連破できるか(C)ONE
5日(金・現地時間)に中継されるONE117 02 「Fists of Furry02」で、高橋遼伍タン・カイが放送される。
MMAワールドのニューパワーハウス=中国の新鋭に対して、高橋はZoomインタビューで「ホントに強い」と素直に話した。それでも勝つしかない──そのための鍵はファイターのメンタルと、ダブルレッグであり、カーフキックではなかった。
──タン・カイ戦が明日に控えている高橋選手です。今の調子はいかがですか。
「いつも通りです。計量もハイドレーションもパスして、食事をし終わったばかりです。計量が2日間でなく前日だけになったので、めっちゃくちゃ楽ですね。外に走りに行ったりとか、そういうことができないので2日ある時はかなり体重には気を付けていたのですが、1日になって楽になりました」
──水抜き禁止、北米ユニファイドより1階級上のクラスだと、どのような食生活になるのでしょうか。
「昨日は朝ごはんだけ食べて、それからはバナナとか果物、そしてずっと水を飲んでいます」
──では逆に水抜きがあるときは、どのような食生活に?
「試合の3日ぐらい前から塩抜きだけして、残り4、5キロにして最後に水抜きをしていました」
──水とフルーツでエネルギーがしっかりと補給できるのですか。
「その意見は分からんでもないです(笑)。水ばかり飲んでいると、スカスカな感じはするんです。栄養はないですからね。それでも自分はギリギリまで食べることができる方なのですが、体がスースーして軽かったですね」
──水抜き減量の時の選手のように声がかすれたり、倒れそうになっているということはないのですが、だからといって試合に向けて十分なのかも疑問を持つようになりました。
「塩分が抜け過ぎるのって、きっと良くないんだと思います。結局は体重を落として、そのために塩抜きをしていますしね。でも、この計量方法の方が自分は楽ですけどね。さっきも言ったようにギリまで食べることができているんで。普段の体重を抑えるのが難しい人もいるでしょうし。
それに水抜きした選手が10キロとか戻してくると、僕からするとめちゃくちゃ大きくなりますからね。だからってバンタム級まで落とせないし、その間の63キロとかあって欲しいです」
──ここまで技術的に進化したMMAが、階級だけは20年近く同じで5キロ、6キロ、7キロ刻みなどは見直す時期ができているのかもしれないですね。
「スーパーバンタム級とか作ってくれたら、ホンマに戦いやすいですよ」
──計量ミスをなくすのも、階級を小刻みにすれば良いとも思うのですが、チャンピオンが層は薄くなってしまうということでしょうかね。
「でも国内とかスーパー〇〇級とか、できるのはホント良いことだと思います」
──という試合前日には相応しくない内容になってしまいましたが(笑)、改めてタン・カイの印象をお願いします。
「無理をしない選手ですね。手堅く、安全に戦えるかしこい選手だと思います」
──ケアヌ・スッパにあの勝ち方をしたときは、どのように思いましたか。
「あの試合、他の日本人選手はそうでもなかったかもしれないですけど、僕はめっちゃ注目していたんです。タン・カイは試合をすることになるだろうとヤマを張っていた1人なんで。で、自分がほぼやられていたスッパをあれだけボコボコにしたので『コイツ、ヤバいな』って。
でも、あの強さはおかしいって。こんなボコボコにデキるわけないやろって思い、スッパのSNSをチェックしたんです。そうしたら『試合中に足を怪我して、ほとんど動けなかった。ごめんね』とか書いてったので、ホッとしました(笑)。それでも、あの試合の印象が凄く強いので、タン・カイにはめっちゃ強いイメージを持っています」
──その相手とのマッチアップでオファーが来た時は?
「嫌でしたよ、正直。『来たかぁ』って。でも相手を選んでいてもしょうがないし。ダスティン・ポイエーなんて、過去8試合の相手がアンソニー・ペティス、エディ・アルバレスと2試合、ジャスティン・ゲイジー、マックス・ホロウェイ、ガビブ・ヌルマゴメドフ、ダン・フッカー、ほんでコナー・マクレガーですよ。
ずっと強いヤツとやって、負けたのはヌルマゴだけで。僕がポイエーみたいになれるかって言ったら、技術的に無理なんです。でも、相手を選ばない心意気、メンタル面は学ぶべきやと思っていて。自分がファイターとして第1線で戦っている間は、相手は絶対に選んだらアカンなって。
自分の強さに自信があったら、対戦相手なんて選ばない。ここのメンタルは学べる。それがファイターのメンタルやと思っています」
──そのメンタルをもって、タン・カイを相手にどのような戦いをしたいと思っていますか。
「いつも通り打撃で戦うことになると思うんですけど……戦術は特にないです。ローキック、右のパンチをしっかり当てると勝てるやろうって思っています。今回も、そんな感じです」
──カーフの流行で、対策は進んでいると思います。
「カーフキックって新しいジャンルになるって思っていました。僕が修斗で戦っている時は、他に使う人がいない特別な蹴りだから勝つことが出来ていたんですけどね。
でも皆が知った時には、僕は並の選手になる。そう思っていた時から、レスリングを磨いてきました。ただ、それでも試合でテイクダウンを仕掛けたことはないんです(笑)。
そもそもタン・カイは打撃を見切る目も持っていますしね。だから、組んで倒すことはホントに考えています。う~ん、でも迷ってしまいますよね。テイクダウンか蹴っていくのか。
タン・カイだけでなく中国の選手でグランドができない。だからテイクダウンを狙おうか……でも、どうなりますかね。タン・カイはホントに強い選手だし、これから強もっとくなっていく選手です。でも、勝つしかない。
内容は何でも良いです。拳が折れても、構わない。ただ負けたくない。ケガするのより、負けることが怖いです。負けるのが何より嫌で。負けるのだけは……。だから、この気持ちがどう試合に影響するのか……そこも分からないですけど、入場したら吹っ切れて普通に動けるはずです。そうですね、ダブルレッグもきっと出せます。大丈夫です。多分──」
──多分(笑)。では最後にファンへ一言お願いします。
「全局面で圧倒して勝ちたいです。打撃もレスリングも、寝技も」
■視聴方法(予定)
3月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App
■ONE117 02 「Fists of Furry02」対戦カード
<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
カン・ジウォン(韓国)
<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アナトリー・マリューヒン(ロシア)
アレッシャンドリ・マシャド(ブラジル)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
高橋遼伍(日本)
タン・カイ(中国)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>※
中原由貴(日本)
ラスラン・エミルベク(キルギス)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>※
ロシャン・マイナン(インド)
アジス・カリム(インドネシア)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
マーク・アベラルド(ニュージーランド)
エミリオ・ウルティア(米国)
※昨年12月18日に行われた試合。それ以外の試合は2月26日に実施され、録画中継される。
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