【写真】当たれば、でっかいホームラン──となるか(C)MMAPLANET
20日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#02。
メインで修斗世界バンタム級チャンピオン岡田遼に、大塚隆史が挑むという注目カードが組まれた今大会の上位カードには、もう1試合見逃せないバンタム級戦が組まれている。
それが魚井フルスイング後藤丈治のKO必至マッチだ。ここでは1年2カ月振りの修斗出場となる──悩める魚井の話を訊いた。
Text by Shojiro Kameike
――3月20日の後藤丈治戦は、昨年1月26日の手塚基伸戦以来の修斗公式戦となります。2020年は11月にキックボクシングのRISEで戦った試合を除けば、MMAは手塚戦と、RIZINでの元谷友貴戦(8月10日)の2試合のみ。2014年から2019年まで5年間で4試合とハイペースで試合に出場してきたなか、この試合間隔はどのように感じていますか。
「次の試合への影響という意味では、それはやってみないと分からないのが、正直なところです。でも、コロナ禍のなかでも僕はまだ、試合をやらせてもらっているほうだと思います。そもそも、以前の試合のペースが特別だったのではないかと(苦笑)」
――なぜあれだけハイペースで試合をこなしていたのでしょう。
「それはもう、オファーを頂いていたからです。たぶん『魚井フルスイング』というキャラクターは分かりやすいんですよね。キャラが立っているから、相手にしてみれば、そんな選手に勝つと印象に残る。僕も、自分自身を俯瞰で見て考えると、色があっていいのかなぁとは思いますけど」
――キャラとしては印象に残る。だから試合のオファーもある。しかし選手として考えた時に勝敗とキャラ、どちらを優先するのか。
「自分としては『嫌な路線になっているなぁ』と思います。負けているのに試合に出て、しっかり勝っている選手に申し訳ない……」
――申し訳ない?
「いや、申し訳ないっていうのは違いますね。僕たちはプロだから。でも、自分自身に対して『どうなんだろう?』と考えることはあります」
――というと……。
「僕はもともと神戸の出身です。地方出身の人間から見ると、東京でしっかりとした舞台に立てているのは、自分がそのレベルにあると認められているのだろうと思うし、それはすごく嬉しい。そして、頂いたチャンスにはトライしたい。だからハイペースでもオファーを受けてきました」
――はい。
「試合を重ねていくうちに、勝ち続けることが重く感じられる選手もいると思います。あるいは、負けが続いたり、勝ったり負けたりを繰り返していると、少し試合間隔を空けてみようと考える選手もいるでしょう。でも自分は、試合が全くないっていうよりは、そうやって試合をさせてもらえることに対して嬉しいし、特には気にならなかったです」
――ただ、現在は連勝後の連敗というパターンが続いていますね。
「そうですね……。試合の勝敗って、自分自身はもちろん、周囲の環境や心境も影響してくるじゃないですか。自分の中で何かまとまっていない、気持ちが入りきっていない試合もあったかもしれない。その中で負けという結果が続いているのは、何か歯車が噛み合っていないのだと思います」
――今その歯車が噛み合っていない原因は見つかっているのでしょうか。
「はい。ここ最近は、試合が終わってから、自分の格闘技や試合に対する向き合い方に対して、『ここはダメだった』『ここは間違っていない』と、自問自答しています。そうやって、歯車が噛み合っていない原因は、見えてきています」
――HEARTSの大沢ケンジ代表からは、どのように言われていますか。
「しっかりとMMAの技術を高めていこう、という感じです。僕は、勝つ時は打撃っていうパターンが多いじゃないですか。どちらかといえば、バランスの悪い選手だと思います。後藤選手は、すごくバランスの良い選手ですよね」
<この項、続く>
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