【写真】年齢差18歳、平良が世界王座に挑戦するための実績創りにさせられるわけにはいかない (C)MMAPLANET
20日(土)、東京・文京区の後楽園ホールでShooto2021#02が開催される。
今年の10月に40歳となる前田吉朗は、2003年のプロデビュー以来、これがMMA 62戦目。そんな前田が対戦する平良達郎は現在21歳、前田戦がプロ7戦目だ。
昨年、福田龍爾を相手に暫定世界フライ級チャンピオンシップに臨んだ前田は、福田に3R TKO負け。パンクラス、DEEPに続き3本目のベルトを腰に巻くことはできなかった。
あれから8カ月、再び修斗のベルトへつながる試合が組まれた前田吉朗が、戦い続ける意味、そして平良戦について語る。
Text by Shojiro Kameike
――平良達郎戦まで残り1週間となりました(※インタビューは12日に行われた)。練習は順調にできていますか。
「はい。今日で追い込みの練習は終わりました」
――前田選手にとっては、これが修斗公式戦としては8試合目になります。これまでの修斗公式戦を振り返ってみて、何か思うところはありますか。
「あまり深くは考えていないですね。試合に対する考え方は変わってきているかもしれないですけど」
――というと?
「初めてVTJに出たのが、2014年。そのあと2016年から修斗公式戦にも出始めたじゃないですか。その時は、修斗の選手を全員倒してベルトを獲ってやろうと思っていたし、その気持ちが前面にあったと思うんですよ」
――はい。前田選手のファイトは常に、技術だけではなく気持ちも見えるものでしたね。
「で、最初の公式戦でランボー(宏輔)に勝ってから、しばらく試合がなかったじゃないですか」
――ランボー戦が2016年4月23日。次の石井逸人戦は、翌年の1月29日でした。
「その間に、世界王者の扇久保(博正)もおらんようになって。UFCの番組に出ていたから」
――扇久保選手は修斗の世界フライ級王座を保持したまま、TUFに参加。その間、世界チャンピオンシップは行われていませんでしたね。
「一方で僕は公式戦2試合目で石井逸人に負けて、そこから試合数もそれほど多くはなかった。だから、当時はベルトに対するモチベーションも下がっていたかもしれないです」
――そうだったのですか。試合ぶりからは、そうは見えませんでした。
「もちろん、試合に対するモチベーションは、ずっと高いですよ。でも、ベルトに関していえば正直、自分は今そのベルトに絡む選手なのか? と思ったりするんです」
――だとすると、前回の試合(2020年7月12日、福田龍爾戦。3R TKO負け)が暫定とはいえ世界チャンピオンシップだったのは……。
「タナボタ、じゃないですかね(苦笑)。オファーを聞いた時は、このカードが世界チャンピオンシップにふさわしいのかな? とも感じていました。チャンピオンシップを組んでくれることは嬉しいし、そこでベルトを獲れたらラッキーやとも思いますよ。でも、結果は負けてしまって」
――次の平良戦は、世界チャンピオンシップにつながる試合だと思います。特に平良選手は昨年11月に清水清隆選手に勝利し、世界ランキングも1位で次は……という位置にいます。
「僕も、『次の試合で勝てば世界チャンピオンシップ』そう考えています。そういった試合にまた絡ませてもらえるのは、すごく嬉しい。修斗的には、『平良、世界チャンピオンシップをやるなら、前田ぐらいには勝っておけよ』という意味なのかもしれないですけど」
――実際のところ、そういった意味合いの強いマッチメイクでもあると思います。
「僕としては『ナメんなよ』っていう気持ちですけどね。それが試合へのモチベーションにもなっている。ただ、他の人がそう考えるのは仕方ないでしょう。僕、直近の試合で負けていますから」
<この項、続く>
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