格闘技を始めたきっかけは、中学1年生のときに父親に本場タイのムエタイのジムに置き去りにされたという衝撃の告白があった──修斗世界フライ級チャンピオン福田龍彌インタビュー後編。
MMAの道を選び、修斗のオフィシャルジム=ピュアブレッド京都(※現在は中心選手がMIBUROで活動中)に入門、修斗の頂点に立つまでになった福田だが、その想いは複雑だ。
実力、結果で証明することで、様々な外的要素を吹き飛ばそうとするチャンピンの声をお届けしたい。
<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>
──驚愕のムエタイ留学から自主練習だけで、打撃が修斗のジムで通用したのですね!! そもそも改めて修斗のジムに入会しようと思ったのはなぜですか。
「打ち込めるモノを探していたというのはありました。MMAがしたかったです。RIRDEは見ていて面白かったですし」
──そしてプロ修斗デビューは2012年。もうすぐ10年選手です。
「ピュアブレッド京都は修斗が正義──みたいなジムでしたからね。あの時代は、そうですよね。修斗でプロライセンスが取れたら、ホンマの意味でプロやって。
僕も19歳の時にプロ昇格は貰えたのですが、ジムの方針でもう1年アマチュアをやることになって。ジムでOKが出なかったです。もう1年、地方選手権からやりなおして全日本で結果を出してからプロやって。
ジムの選手もPower Gateとか、Demolition、Rising Onでも出ていたのですが、ジム内でプロ選手といえば修斗のプロライセンスを持っている人間という認識でした」
──私などは個人的にはPower Gateの6角形リング&パウンド無し、そしてケージを用いたRising Onなど興味深かったです。
「きっと他で戦うのは、修斗でやっていけているからこそっていう部分はあったと思います。修斗以外はプロとして認めていないという空気はありました。
ただ僕は試合が出来たら、どこでもという感覚は当時からあったかもしれないです。さすがに地下格は出んでおこうというのは思っていましたけど。
京都って地下格の方が盛んで、ナンボでも試合ができて。アイツら、ずっと試合しとんなぁ。俺ももっと試合したいなぁというのは……ありましたね」
──それでも2014年ぐらいまでは、順調に試合をこなしていました。
「新人王の決勝戦で征矢(貴)君に負けて、次に呑谷(尚平※故人)さんと戦って、それからオニボウズ、そしてVTJで鈴木隼人と試合をして負けて」
──呑谷選手の最期の試合ですね……。2014年までは着実に戦績を積み重ねていました。鈴木隼人選手とも試合をしていたのですね……。すみません、記憶に残っていなかったです。
「猿田も僕のあとにやって、負けているんですよね。僕も負けたけど、上も取れたし2Rは取ったんちゃうんかな。自分のなかでは……なにかと色々とできてまうから、ムエタイっぽいことはしぃへんまま、一からやり直した感覚でやっていました。
そこからヒザのケガをして、ホンマに純粋にケガで2年間ブランクがあったんです。だから今となっては、プロデビューから8年経ったけど、試合数は少ないですよね。だから、もっと試合に出たいんです」
──東京に出た方がチャンスが広がるという風に考えることはなかったでしょうか。
「う~ん、格闘技の本質は住む場所で左右されない──試合機会が選択されるもんじゃないと思っています。強くて結果を出していれば、どこに住んでいようが使ってくれる、と。そういうモノが正義、それが僕がジムに入ってから教わってきた修斗でした。試合に出て、結果を出すと上にいける実力社会やと。
礼儀という部分も言われてきましたし、だからSNSで試合を煽るとか、そういうことは僕も好きじゃない。そういう風に戦ってきたつもりです。でも、それやとプロじゃないのか、試合数は増えなかったですね。だから与えられた試合で、結果を残すしかない」
──そして結果を残し、ベルトを巻いた。サステイン的にはストーリーラインとして、平良選手にもう一度スポットを当てて福田選手への挑戦を煽りたいということなのか……。それでも、福田選手からすると暫定王者になって、正規王者との試合ができないまま時間がすぎ、平良選手は11月に続き、3月も試合があるとなると、心中穏やかではないですね。
「……。平良選手、試合があるんですねぇ……。僕的には次は6月の大阪やと思っています。もう28歳やし、年に4試合は戦いたくて……コロナもあって、いろいろと状況は変わってきていますけど……修斗だと年に1回か2回しか、試合ができないので。で、DEEPに出たんですけど……」
──サステインとすればDEEPに出て安谷屋智弘選手に敗れたのは、使い辛い要因になったことは想像に難くないです。
「そうなりますよね……。でも、やっぱり試合はしたいですからね。偉そうなことをいうつもりはないけど、1回こけたことで見放す……そういうこともあるでしょうけど、自分のなかでは負けたつもりもないし。
お題を持って戦うことで、『これで戦える』ということが分かり、吉朗さんとの試合に生かすことができました」
──正規王者になったばかりですが、他に機会があればということは考えてしまうのではないでしょうか。
「どっかわけの分からん海外の大会から声が掛かればやりたいです。とにかく試合がしたい。時間は有限なので……」
──現状、日本全体のフライ級で自分のランクはどれぐらいだと認識していますか。
「う~ん、やったことがないので、やれると面白いなとしか言えないですよね。皆に勝てるつもりでいますし。TV放送がある選手の試合を視ると、こうやって戦おうっていうのも考えます。フライ級やったら結構エェとこにおるんやないかと思いますけどね。
色々と忖度することはあるでしょうけど、結果を残すことで『ざまぁみろ』って──ネガティブな感情かもしれないですけど、その部分で修斗に拘っています」
──修斗世界フライ級チャンピオン福田龍彌ってこんな人──ということを知ってもらいたくて、インタビューをさせてもらったのですが、少しテイストが変わってしまいました。
「川原波輝や秋葉太樹とか集まって練習会をしたり、コブラ会、MIBURO、SWAG GYMと京都と大阪で練習はしっかりとしているので。試合が決まれば、直心会にも行くし。
次の試合が平良君になるんやったら、これだけチヤホヤされているし、そこで皆を分からせることができれば良いんじゃないですかね……今は、そう思うてます」
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