<SUGアブソルート級選手権試合/5分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
Def.OT1R
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
座ったジョーンズに対し、距離を取るファウラー。左足を取られ、必死に抜いたファウラーだが、足と同時に頭を抱えられるとマットにヒザをつかされる。足を抜くことで形的には一瞬、上四方になったファウラーだが自ら立ち上がる。ジョーンズは足を捕えると、関節を狙わずスイープで上を取る。ハーフのファウラーが潜って左腕を差すと、ジョーンズはクレイドルから腰を引いて立ち上がりがぶっていく。
そのままアームインギロチン&ジャンピングがードのジョーンズに対し、スタンドで耐えるファウラーが頭を抜く。腰をマットにつけたジョーンズのオモプラッタも、即腕を抜いたファウラーが距離を取り直す。
自らの足を取られず、ジョーンズの足には絡まれないよう間合を取るファウラーは立ち上がれと挑発。笑顔を見せたジョーンズは座ったままで前に出る。ファウラーは一瞬のパス狙いも、寝技に付き合う気はない。それでもジョーンズは必死にカカトをとりにいき、右足を捕えると、ファウラーが踏み止まるために左足を引いたところで両足を絡ませる。これもすぐに抜いて立ち上がったファウラーは、ジョーンズの頭を押す動作を繰り返さす。
頭を触りに来るタイミングで、右足のカカトを左腕で取りに行くジョーンズだが、ファウラーは足を抜くのを前提で動いている。触って回るファウラー、ジョーンズは右足のカカトと取ると同時に後方回転しながら、左足を抱えにいく。ファウラーは頭をマットにつけて横に回転し両足とも取らせない。この辺りは見事な防御だ。
そのまま立ち上がったファウラーは、残り1分を凌ぎOT狙いは明らか。ジョーンズも無理に取りに行かず、なんと試合タイムが残っているのにスタンドに戻り、両者はタイムアップを待った。
OT先攻のジョーンズはシートベルトを選択し、四の字フック。自らの腕をアゴの前で組んで首を守るファウラーは88秒かけてエスケープに成功する。後攻のファウラーもバックを選択、ライディングタイムが88秒あるジョーンズはアゴの上からの絞めに何やら声を挙げる場面も。
同じようにアゴの上からフェイスロック気味に絞めにいったファウラーに対し、ジョーンズが再び声を漏らすとレフェリーが試合をストップ。裁定はネッククランクに対する、バーバルタップアウトに。
レフェリーに抗議するジョーンズだが、受け入れられずSUGアブソルート級チャンピオンベルトがファウラーの腰に巻かれた。ファウラーはルールに則して、OTの一点突破に賭けて勝利を手にした──ものの、番狂わせという表現を用いるのも憚れるほど、極端な組み技コンペティション・ルールに特化した勝ち方といえるだろう。