【写真】2019年2月のQuintet FNでの一戦は両者失格だった──そして、GTF04=ZSTグラップリングではすれ違ったハイサムイゴールが道着柔術で実現(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET
29日(水)に柔術ライターの橋本欽也氏率いるKINYABOYZ JIU JITSU CLUBが10月11日(日)にブラジリアン柔術の無観客&ライブ配信大会=KINYABOYZ INVITATIONAL TOKYO 01の開催を発表した。
Eddie Bravo InvitationalがEBIなら、まさにこの大会はKBI──ではなくKIT01と略称が用いられている。そんなKITの開催に向け、橋本氏はリリースで以下のような活動開始理由を話している。
「いまコロナ・パンデミックのせいで無観客大会が多くなり、有料大会配信が主流になりつつあります。ですがMMAやグラップリングの配信大会はあっても柔術はないので、ならば配信大会をやってみようと一念発起し配信大会開催を決めました。
試合機会のない柔術家のために柔術家でもある自分が、日本の柔術シーンの活性化を目指し開催するのが今大会です。今後は年に2~3回の定期開催を検討していますが、それも初回大会をしっかりと終わらせることができてこそ──なので、まずは初回大会のことだけを考えてやりたいと思っています。よろしくお願いします」
橋本氏のいうように、既に客入れが始まったMMA大会とは対照的に柔術界からはまだ活動再開の報が聞かれない。柔術は基本、アマチュア競技で出場選手が参加費を支払い試合を戦う。帯、体重、年齢など細かくカテゴライズされたトーナメントが何階級も取り行われ、国内でも多い時には6面や8面という試合場が敷かれて競技運営がなされる──屋内競技だ。
加えて日本にも複数の連盟が存在し、プロモーターが興行を打って収益を得るMMAとは競技運営及び団体運営形態が根本から違っている。そのような背景もあり、ここまで柔術のワンマッチ無観客&ライブ配信大会は開かれてこなかった。
結果、柔術家達は限られた出場機会をグラップリングに求めていたのが実情だ。そんな状況に橋本氏が立ち上がり、開催されるKIT01はオンラインサロン「KINYABOYZ Jiu Jitsu CLUB」の会員限定Facebookページにて配信予定で、視聴するにはオンラインサロンに加入する形が取られる。その一方で、他の配信方法も調整中で後日発表されるとのことだ。
また最新情報や出場選手のオファー状況などは随時オンラインサロン内で情報共有されることになる。
気になる出場メンバーだが、なんとリダ・ハイサムイゴール・タナベ──グラップリングでZSTの勝村周一朗Pが熱望していたカードが決定した。全8試合程度が予定され、両者以外に丹羽飛龍、吉永力、ミレーナ・サクモトというようにムンジアル、パン、ヨーロピアンで結果を残している実力者の参戦が決まっている。
ルールはIBJJFではなく、ノーポイント&サブオンリーで時間切れの場合は延長戦(本戦の半分の時間)のゴールデンスコア方式。つまり、延長戦はポイント先取のポイント制が適用される。延長戦で決着がつかなかった場合は、レフリー判定が採用される。また外掛け&ヒールフック、スラムなしというのもIBJJF競技柔術に準じており、道着の有無だけでなく競技ブラジリアン柔術のアイデンティティが感じられるルール設定だ。
試合時間は黒帯が8分で以下、1分ごと刻まれ青帯が5分、キッズは3分とサブオンリーに求められる瞬発系の時間設定となっている。ライブ視聴という形態も踏まえ、柔術を愛するメンバーが辿り着いたワンマッチ大会といえるKIT01、その続報を待ちたい。