【KSW58】欧州最新・最後の未知強&MMA界のキリアン・エムバペ=サラディーヌ・パルナスが王座防衛戦

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【写真】さらなる大舞台でも勝ち上がれる可能性をKSWのケージで見せてきたフェザー級王者パルナス (C)KSW

30日(土・現地時間)にポーランドはウッチのクルブ・ベッツフォーニャでKSW58が開催される。東欧#01MMAプロモーションで2021年活動開始を告げる一番はKSWフェザー級選手権試合=王者サラディーヌ・パルナス✖挑戦ダニエル・トーレスの一番からだ。

前フェザー級&ライト級王者マテウス・ガムロのUFC転出により、暫定王者から正規王者に昇格となったパルナスは──ガムロがUFC初戦で躓いたとはいえ──非UFCファイターのなかでもトップレベルにあるワールドクラスの実力者だ。


1997年12月生まれ、23歳になったばかりのフランス人チャンピオンの戦績は14勝0敗1分というパーフェクトなモノ。欧州MMAワールドではMMA界のキリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマンのフォワード&フランス代表の点取り屋)と呼ばれている。フランス人ファイターらしく、昨年までMMAが認められなかった同国でパウンドなしの100%Fightで打撃とレスリング、極めを磨いた。

またパウンドのないルールを活用し、大胆にもスタンドでアナコンダを仕掛けるとプロレスのブレーンバスターのように後方に投げるという破天荒な技も見せていた。KSWには2017年12月から参戦し、4戦目でロマン・ジュマンスキを下し暫定王座に就いている。

その暫定王座を2019年12月にイワン・ブヒンケルを相手に防衛して以来、今回が実に1年1カ月振りの実戦復帰となる。「この試合が決まって、最高にモチベーションが高まっている。ダニエル・トーレスは爆発力があり、アグレッシブで、予想できない動きをする」と持ち上げながら「でも、彼はノーチャンスだ」と言い切っている。

チャレンジャーのトーレスはオーストリア在住のブラジリアンで、戦績は11勝4敗。KSWでは3勝1敗でオーストリアのローカル大会と合わせて現在3連勝中だ。昨年11月にはPFLで活躍したドイツ人選手=マックス・コガをスプリット判定で破り、挑戦権を手にした。

トーレスはチャンピオンの言う通りオーソドックスの構えから豪快な左右のフックで踏み込み、ボディロックテイクダウンという流れを得意とする積極的なファイターだ。ただし、粗い。この粗さが「予想できない動きをする」という評に繋がるのだろう。

対してパルナスは非常に整ったウェルラウンダーで、サウスポーから伸びる左ストレート、右リードフック、ショートアッパー、ボディ打ち、さらにはハイキックからミドルと攻撃を散らすことができる。

ばかりか、この打撃戦のなかでダブルレッグ&バック奪取、組みの打撃とゼロ距離でも強さを見せている。

レスリング防御に関しては、過去の戦いぶりで両者に差があるのは明白だ。パルナスが打撃の交換のなかでテイクダウンに反応しスプロールに長けているのに対し、トーレスは倒されて背中をマットにつけてしまう。パルナスも尻もちをつかされ、バックに回られることもあるが即座のスクランブル、またスイッチでバック奪取と抑えられることはほぼない。

両者の共通の対戦相手ジュマンスキとの戦いでトーレスがテイクダウンから抑え込まれ判定で敗れたのに対し、パルナスは切り返し逆にトップからパウンドアウトしている。打撃とテイクダウンの融合という部分で優位に立つチャンピオンは、トーレスが得意とする乱打戦でもボクシング技術でも上回る。パルナスにとって怖いは、ガムシャラな左右のフックだが──この手のパンチが彼のアゴを打ち抜くシーンは想像しづらい。

この完成度の高さこそ、サラディーヌ・パルナスが非UFCファイターの最高到達点にあり──同朋のマンスール・ベルナウイと共に欧州MMA界最新・最後の未知強と目される所以だ。

■視聴方法(予定)
1月31日(日・日本時間)
午前4時00分~FITE
午前4時00分~KSW.TV

■ KSW58対戦カード

<KSWフェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] サラディーヌ・パルナス(フランス)
[挑戦者] ダニエル・トーレス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
シモン・コウェッツ(ポーランド)
マルチン・ザワダ(ドイツ)

<ウェルター級/5分3R>
ミハウ・ミハウスキ(ポーランド)
アレキダンダー・ラカス(クロアチア)

<ウェルター級/5分3R>
シャミール・ムサエフ(ロシア)
ウロシュ・ユリシッチ(スロベニア)

<ヘビー級/5分3R>
ミハウ・アンドレシャク(ポーランド)
グト・イノセンチ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
パウェウ・ポリティウォ(ポーランド)
ダヴィッド・マルティニック(チェコ)

<68キロ契約/5分3R>
ロベルト・ルハワ(ポーランド)
ダニエル・バジャント(クロアチア)

<ライト級/5分3R>
バルトミ・コペラ(ポーランド)
フランスシスコ・バリオ(アルゼンチン)

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