【写真】話を訊けば、訊くほどに昨年7月のマーク・アベラルド戦は決してフロックでないことが分かってきた──ファブリシオ・アンドラジ(C)ONE
本日5日(金・現地時間)に中継されるONE116 03「Unbreakable 03」。同放送で佐藤将光と戦うファブリシオ・アンドラジ・インタビュー後編。
昨年7月のマーク・アベラルド戦では見事な一本勝ちを収めているが、アンドレジはまだまだ未知な部分は多い。とはいえ、ブラジルのフォルタレーザから中国は四川省の成都、さらに香港からタイのプーケット島と流浪のファイター人生を送ってきた彼の格闘技に対する想いは、並外れていることは確かだ。
「格闘技を続けることだけは諦めることがなかった」と振り返ることができる23歳──実力は未知数ながら、相当な手練れ感は十分に伝わってくる。
<ファブリシオ・アンドラジ・インタビューPart.01はコチラから>
──タイガームエタイを所属先に選んだのは? プーケットには他にも選択肢があったかと思います。
「タイガーで練習している知り合いが何人かいて、彼らも僕にコンタクトしてきてくれた。そして、トレーニング費用が掛からず練習できるということだったんだ」
──ブラジルの同朋であるブルーノ・ミランダもタイガームエタイ所属ですね。
「その通りだ。タイでブラジル人のチームメイトがいるっていうのは最高だよ」
──その時はMMAではなくて、キックやムエタイにフォーカスしていたのでしょうか。
「WLFでは毎月のように試合が用意されていたから、MMAを戦う時間がなかったんだ。試合をして、勝って、ずっとその繰り返しだったよ」
──WLFはK-1ルールに近いキックボクシング大会ですよね。ただし、ファブリシオは首相撲もMMAで使いこなしていました。
「ムエタイのトレーニングはずっと続けていたから。WLFでキックを戦ったのは、僕はルールを選ばないから。キックで試合の機会があれば、キックを戦うよ」
──WLFで日本人と対戦したことはありましたか。
「なかったよ。ただ1度、RIZINで試合をする可能性があったんだ。レン……なんとかっていう選手と戦わないかっていう話があったんだ」
──平本蓮選手ですか?
「そうそう。そうだよ。僕は戦うつもりでいたけど、実現しなかったんだよ」
──そんな話があったのですね。RIZINで平本選手と話があったとすれば一昨年の年末でしょうし、それから7カ月後にONEで戦うようになりました。COVID19のパンデミックがもたらした契約ともいえます。
「実のところ最初のオファーは僕にではなくて、チームメイトのエミリオ・ウルティアに来ていたんだ。でも彼がケガをして、僕に出番が回ってきた。本当に素晴らしい機会を手にできたよ。
もっと僕の試合を色々な人に見てほしいと思っていたんだ。中国で戦っていても、世界の人々は僕のことを知らないままだったからね。中国は他の国のSNSをブロックして、独自のSNSが普及しているだけで、僕がどれだけ試合をしても、世界の人は誰も知らないままだった。だからONEのようなイベントで戦いたいと思っていたんだ。
ONEで試合をするチャンスを得たということは、僕の試合を世界の人に見てもらうチャンスも得ることができたんだよ」
──そして7月の1試合で、多くの人がファブリシオのことを知ることになりました。
「正直言えばオファーをもらった時、ピンと来ていなかったんだ。試合が始まるまで、いや始まってからも集中していたとは言えないね。ただ、自分がやってきたことを繰り返しただけで」
──それでいてムエタイで圧倒するだけでなく、最後はRNCで一本勝ちでした。
「立ち技でも倒せたし、組み技への対処もしっかりとできた。スタンドだろうが、グラウンドだろうが僕はフィニッシュを狙っている。どちらの局面だろうが、自信は持っているよ」
──あの試合で世界と戦う扉を開けることになりました。
「そうだね。凄く嬉しかったよ。本当に嬉しかった」
──あれから5カ月、佐藤将光選手と明後日に戦います。佐藤選手は修斗の世界チャンピオンでONEでも3連勝中で3つのフィニッシュ勝利を挙げています。
「本音を言えばね、サトーと戦うことになって凄く驚いた。サトーはタイトルに挑戦するに相応しいファイターだからね。
でもONEが僕と彼の試合を求めた。そして、サトーはこの試合を受けた。それができるサトーを尊敬しているよ。アベラルドとの試合が決まった時、研究するためにサトーとの試合を何度も繰り返し見ていたんだ。
サトーはコンプリートファイターだ。立っても寝ても戦うことができる。エクセレントだし、トリッキーでもある。そしてタフだ。僕は傲慢な人間じゃない。でも、自分が彼より強いことを知っている。これまで……本当に色々なことがあった。でも格闘技を続けることだけは、諦めることがなかったんだ。
ずっとハードな練習だけは続けてきた。僕がどこで何をしていたのか、誰も知らない。でも、僕は知っている。自分に自信を持っている。打撃はサトーより上だ。グラップリングに関しても、普通のレベルでできるよ」
──グラップリングでも佐藤選手とやり合える自信はありますか。
「僕が言えるのは、彼とグラップリングをすることが楽しみだってことだよ(笑)」
──現状、プーケットでは普通に練習をすることは可能だったのですか。
「今、タイガームエタイは以前のように多くの国のファイターがいるわけじゃない。練習する人数も通常よりも少ない。でも、既にタイに生活拠点を移している選手も少なくないし、十分な準備ができるだけのファイターは残っている。
クリスマスもニューイヤーシーズンも、誰かが必ず僕をサポートし、サトーと戦うための練習に付き合ってくれた。最高のキャンプだったよ。
去年の7月の試合だけじゃ、多くの人が僕の実力に関して懐疑的なのは分かっている。でも、サトーとの試合で僕が次の挑戦者になれるだけの力があることを証明するよ。
ONEバンタム級戦線はチャンピオンがビビアーノ・フェルナンデス、次期挑戦者がジョン・リネケル、そしてその次のチャレンジャーが僕になる。3人のブラジル人ファイターが上位を占めるなんて、素晴らしいことだよ。僕としては、次の試合はリネケルと戦いたいと思っていたんで。でもビビアーノでも良いよ。佐藤戦が終われば、本当にワクワクすることが起こりそうだよ」
■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App
■ONE Unbreakable 03対戦カード
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)
<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)
※2020年12月18日に収録
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