【写真】3月5日発売のKAMINOGEで、初カバーを飾った平田樹(C)MMAPLANET
2月22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されたRoad to ONE04「Young Guns」のメインで、中村未来にTKO勝ちした平田樹。
試合後には不貞腐れ、また涙も見せた。キャリア4戦目、初めての挫折といっても良い経験をした平田だが、その2日後には5月28日に開幕するONE女子アトム級GP出場もアナウンスされた。
良くも悪くも、既にJ-MMA界の顔となった21歳の女子ファイター──唯一無二のキャリアを歩む、平田樹の今の想いとは。5日(金)にChateau AmebaでGP出場に向け、各メディアとリモート会見を行った直後の平田に話を訊いた。
──中村戦から10日ほどが過ぎました。この間、何をしていましたか。
「試合の2日後ぐらいから、体を動かし始めました。試合の写真とか皆が送ってくれるのですが、それを見ると……もう溜息で……。なんであんな試合しちゃったんだろうって、どうしても考えてしまって。
でも、すぐにGP出場が決まったので『トーナメントがあるから』って気持ちを切り替える。で、また考えるという風なことを繰り返していました」
──すぐに次の試合を考えるということは、体と心をリラックスさせることはなかったということですね。
「特には……あっ、でもワンちゃんを飼いました。そこが一番のリラックスかなぁって。オスのワンちゃんでめっちゃ可愛いですよ」
(同日同所でリモート取材のあった)青木真也 お前、太ったなぁ。太っただろう(笑)。
「アハハハ。太ってないですよ」
──少し肌も荒れ気味なので、ちゃんと遊んでリラックスできたのかと思いました(笑)。
「これは……犬に噛まれたり、舐められるとこうなっちゃったんです(笑)。青木さんはすぐに『太った』って言ってきて……。
う~ん、リラックスとは違うかもしれないですけど、試合後に同い年の名古屋の友達に電話をして……この時期だから、どこかに遊びに行くことはできないですけど。去年は12月に名古屋の友達の家に行って1日ゴロゴロしただけで、東京に戻ってきたんです(笑)。別に何をするのでもなく、そうやって一緒にいるのが一番良くて」
──おお、良かったです。同世代、同性の友人とそういう時間を過ごせて。
「2人いますね(笑)。もう1人は地元の足立区の子なんですけど、看護の仕事をしているから凄く忙しくて。何かあった時、とりあえずは彼女達に相談しようって。そこから親と話すように順番は変わりましたね。
今回も名古屋の子にすぐに電話をして『最悪だったよ』とか話していました。そうしたら『自分が一番分かっているから、それで良いでしょ』って言ってくれて。彼女も柔道をやっていて、少し格闘技をしていた時期もあるけど、家庭の事情とかもあって続けられなくて。
『私の分まで頑張って』という風に言われたこともありますし。看護の仕事をしている友達は、本当にめっちゃ大変そうで。遊ぶ時間がないどころか、休む暇がない。家でもずっと提出物を書いていたりして。彼女と比べると、自分は半日ぐらいの練習で、自由な時間もありますし。そうやって考えると、恵まれているなって感じました」
──しかし、良かったです。私は自分の娘に彼氏や旦那というモノは突然のフィーリングでいつでもできる。だから同世代、同性の友人を大切にしないさいと言っているんです。そういう存在が平田樹からはあまり伝わってこず、ペットまで飼いだしたらどうなるんだと感じていたので、ホッとしました。
「ずっと寮に入っていて東京にいなかったから、もっと友達は欲しいとは思っているんですけど……」
──人数ではないと思います。中村戦後に連絡できる友達がいるのだから。
「格闘技界に入って、格闘技仲間じゃないですけど……同じ競技の選手より違う競技の選手と仲が良くなりたいというのは大きいです。でも、どうしても女子選手は少ないですしね」
──他にないキャリアの積み方という表現を良くしてきましたが、だからこそ得られるモノと失うモノはあるということですね。常に大人に囲まれ、強面のお父さんもいますしね(爆)。
「アハハハ。そういう中にあって、アニキ……お兄ちゃんの存在には助けられています。やっぱり親との関係は違うので。お兄ちゃんは自分のいうこと、技のこととかもまずは肯定してくれて、そこから色々な意見を言ってくれます。格闘技のこと、私生活のことも。そこは親とは違うところで。一番頼ってしまうので、すぐに連絡しちゃいます」
──ところで試合後に、エゴサーチはしましたか。
「しました!! 試合が終わって、車に乗ってから速攻でしました。でも自分的には8割ポジティブで。ここまで期待されているんだからっていうことは、良い風に捉えることができましたね。『回りが求めているモノが高いから、それが平田樹だ』っていう風に結構言ってくれて。
ONEの人達もそうだし、それだけ多くの人が視てくれたんだ──と思って、ネガティブな意見よりもそっちの方に目が行きました」
──ポジティブシンキング、良いです(笑)。
「アハハハ」
──しんどい時に自分を攻撃してくる文字を追うのはキツイですしね。
「そうですね。また言われているわって……。でも、今回はそんなになかったと思います」
──そんなRoad to ONE04から2日後にONE女子アトム級出場選手が発表されました。
「ハイ」
──結果、直接名指しのバッシングではないですが、山口芽生選手の怒りはともかく、そこを支持する声は平田樹批判と捉えることができました。
「ハイ、いっぱい見ました。代理戦争に勝った時に、また戻ったなって。まぁ良くは言われないですよね。でも、ああいう風に言われて、何か自分にマイナスになることはあるのかなって考えるようになりました。
で、ならないなって。私はここで勝っても、また何か言われ続けるだろうし。それが現実だと思います」
──ぶっちゃけてファンではなく上の世代の選手達の反応には、どのように感じましたか。
「えぇ……別に……。シュンってなるより、周囲ももう違う、自分の方が強いという……ONEの女子はイツキという印象が多かったので、そこは胸を張って日本代表として行こうと。そういう自信とは違うけど、『もう違う』というのはあります」
<この項、続く>
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