【写真】写真だけだとMMAに見える? ONEムエタイの特徴はMMAグローブ使用、裁定はダメージ重視。ただし誰がサムエー陥落を予想できただろうか──と書けるほど、MMAPLANETではムエタイの世界が分かっていないことは承知しています(C)MMAPLANET
国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第21弾はMust Watch!! このスポーツの著名人が、改めて視聴することを薦める試合を紹介したい。
引き続き、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO&会長が「ONEを知るために日本のファンに視て欲しい5番勝負」から最後に1試合を。
※ここで紹介する試合は、オフィシャルホームページやオフィシャルYouTubeチャンネルで誰もが無料で視聴できるファイトに限っており、違法でアップされた試合はふくまれないです。
チャトリが選んだ「ONEを知るために日本のファンに視て欲しい5番勝負」、5試合目はMMAではなく、立ち技=Super Seriesから昨年5月3日に行われたONEムエタイ世界フライ級選手権試合、ジョナサン・ハガディ✖サムエー・ガイヤーンハーダオの1戦だ。
チャトリのMust Watch 05、ハガディ✖サムエー戦の選択理由は以下の通りだ。
チャトリ・シットヨートン
「最初はロッタンがハガディに勝ってチャンピオンになった試合を選ぼうと思ったんだ。凄くエキサイティングな試合で誰が見ても、興奮できる試合だったからね。でも、あの試合を改めて振り返ると、ジョナサンの素晴らしさに行き着いた。彼は英国人でありながら、世界を代表するムエタイ選手だ。そう思ったら、ここで選ぶべきはジョナサンがサムエーというムエタイのレジェンドを下した世界戦だと考え直したんだよ(笑)。
ムエタイやキックボクシング、それにグラップリングとボクシング、MMA以外の試合が行われるのがONEチャンピオンシップの最大の特徴だからね。ONEチャンピオンシップがホーム・オブ・マーシャルアーツと言われる所以だ。MMA単体イベントでなくてね。UFCは世界一のMMAプロモーションで、ONEは世界一の格闘技、武道を世に届ける団体になんだよ。
アジアには5000年の武道の歴史がある。誰もがマーシャルアーツを理解している。それがUFCとONEのビジョンの違いで。キックやムエタイは世界中で、MMAよりも気軽に楽しんでもらえる。そして東南アジアなどは、スーパーシリーズの試合のレベルがローカルファイターのMMAマッチよりもレベルが高く、立ち技の方がMMAよりも面白いものだと思われるという声を聞くのも確かだよ。
ただし、フィリピンを見て欲しい。ONEチャンピオンシップが試合を組み続けることで、どれだけフィリピンのアスリートが成長したのか。今ではMMAを代表するパワーハウスの1つとなった。誰がこの短期間で、アギラン・タニのようにマレーシアからユーシン・オカミと渡りあえる選手が育つと想像できただろうか? インドネシアも同じだ。彼らの試合を組み続けることで、インドネシアのMMAファイターは成長し続ける。今はMMAよりもキックやムエタイにエキサイトしているファン達も、彼らの成長とともにMMAを見る目が養われることになる。それがさっきも言ったONEのビジョンなんだ」
ONEオフィシャルホームページで視られる──この試合の動画はコチラから