【UFC ESPN09】これがUFC……。クォアンティロがカーライルとの超高度スクランブル戦を勝ち切る

<フェザー級/5分3R>
ビリー・クゥアンティロ(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
スパイク・カーライル(米国)

開始と同時にダッシュで距離をつめ前蹴りを繰り出したカーライル。これをクゥアンティロがキャッチしてテイクダウンへ。手をついてすぐに上体を起こしたカーライルが、テイクダウン狙いで姿勢が低くなったクゥアンティロのバックに回る。前転してハーフから潜ろうとしたクゥアンティロだが、カーライルは立ち上がって鉄槌を落とす。クローズドのクゥアンティロをリフトアップしたカーライルがスラム。

クゥアンティロは同時に腰を切って腕十字を狙うも、カーライルが察知して腕を即引き抜く。スクランブルに切り替えたクゥアンティロの背中をもう一度制したカーライルは、両足をフックして寝技へ。マウントに移行して殴るカーライルに対し、クゥアンティロはもう一度背中を見せて前方に落としていく。背中をキープしたカーライルが思い切り左右のパンチを落とし、上を向いたところでエルボー打ち込む。ケージキックから後転したクゥアンティロを腕十字に捕えたカーライルだが、腕を抜かれて下にされる。ここまで2分、ノンストップで動き続けた両者が、呼吸を整える。

ケージに寄り立ち上がるとしたカーライルだが、逆にバックグラブを許してしまう。それでも手首を掴んで、頭を入れたカーライルが胸を合わることに成功する。クゥアンティロはクローズドを取り、腕十字やヒザ十字を狙うが防いだカーライルが重いパンチを打ちつける。残り10秒を切りパンチを落としていたカーライルは、なぜかパンチをやめて歩いてコーナーに戻ろうと背中を見せる。すかさずクゥアンティロは追いかけて後方から思い切りパンチを打ち込んだ。

必要ないパンチをテンプルに受けて倒れたカーライルは2Rに入ると、左エルボーでダウンを奪う。起き上りつつ組んだクゥアンティロがバックを制して両足をフック。前転にも背中に乗り続けたクゥアンティロは、サイドバックに移行してから自ら背中をつけてグラウンドへ。その刹那、胸を合わせたカーライルがパンチを落とす。

クゥアンティロが立ち上がろうとするとカーライルは、ダブルレッグでソレを許さない。ケージキックからクローズドに戻したクゥアンティロが下からエルボーも、カーライルが勢いのある左を連打する。たまらず立ち上がろうとしたクゥアンティロのバックを取り、両足をフックしたカーライル、試合はスクランブルからスタンドへ。

ワキを潜ったクゥアンティロがバックに回ろうとし、正面を向いたカーライルのボディに思い切りヒザを入れる。これが効いたカーライルは、テイクダウンを奪われるが、すぐにスクランブルに持ち込む。離れたカーライルはスタミナが切れかかっているが、必死にシングルからテイクダウンを決める。クゥアンティロは三角に入ると、2度組み変えて腕十字へ。腕を抜いたカーライルは、ラウンド終了と同時に両手を挙げたがスタミナが切れかかっているのは明白だ。

最終回、クゥアンティロの右に組みついたカーライルがテイクダウンを狙う。バックに回ったカーライルに対し、キムラから胸を合わせたクゥアンティロが、今度はウィザーでバックを許さない。と、カーライルが反り投げを仕掛けるが、すぐに立ち上がったクゥアンティロがトップを取る。

パス狙いのクゥアンティロだが、スクランブルで下にされると動きが一気に落ちる。蹴って距離をとったクゥアンティロが立ち上がろうとすると、カーライルはダブルレッグへ。ケージを背に立ち上がったクゥアンティロは、バックを許さずヒザを入れる。逆にバックに回ったクゥアンティロ、カーライルはヒザをつき両足をフックされる。ワキの下からパンチを入れるクゥアンティロは、右のパンチからRNCを狙う。

自ら後方に倒れ込みポジションをキープするクゥアンティロ。肩ヒザをついて亀に戻ろうとしたカーライルは、もう一度仰向けにされると胸を合わせつつスタンドへ。スタミナが切れた両者、最後の10秒は足を止めての魂の打ち合いに。ここでも攻勢だったのはクゥアンティロだが、ジャッジはどのように判断するか。ファイト・オブ・ザ・ナイト確定といえる激闘は、29-28で3票を集めたクゥアンティロが逆転判定勝ちを収めた。

日本ではほぼ無名の両者の異様にレベルの高い、スクランブルMMA──恐ろしくなる試合内容だった。


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