【写真】この右ローでフィーリの前足を削ることができるか。もちろん、カウンターを合わせられるリスクもある(C) CHONG SUNG OUK
13日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで UFN172:UFN on ESPN+30「Eye vs Calvillo」が開催される。同大会のメインはイベント名にあるように女子フライ級のジェシカ・アイシンシア・カルヴィーロだ。
開催地及び会場が同じだけに、先週末のPPVイベントと比較するとマッチメイクに落差が感じられるのは事実だ。そんななかフェザー級のアンドレ・フィーリとシャルル・ジョーダンは要注目のマッチアップだ。
キャリア10勝2敗のフレンチ・カナディアンのジョーダンは、TKOフェザー級&暫定ライト王者からUFC入りを果たしたストライカーだ。オクタゴン初戦のデス・グリーン戦では判定負けを喫したが、昨年12月のチェ・ドゥホ戦では先にダウンを喫しながら、左ストレートから返しの右フックでKO──事実上、左で見事な逆転勝利を収めている。
スイッチヒッターのジョーダンの大きな特徴は、左ストレートを打つ際に構えに関係なく右側に体を沈める点にある。オーソで右を使う場合は以外、踏み込んでパンチを打つ際は右側に身を沈めることでカウンターを受けないように戦う。
この低い姿勢のストレートを見せておいて、右の場合は左、左の後は右のスピニングバックフィストもジョーダンのメインウェポンといえよう。対するフィーリもスイッチを使うが、ジョーダンが右でも左でも変わらずに戦うことができるのに対し、基本はオーソドックスでステップを踏む際に小刻みに構えを変える印象が強い。
長いリーチを生かし、通算20勝(※7敗)のうち半数に近い9度のKO勝利があるフィーリは、ジョーダンの外を取るファイトをいかに攻略できるか。フィーリから見て左側に沈みながらパンチを打ってくる攻撃にヒザや蹴りを合わせたいが、彼の蹴りはほぼ右に限られている。一方、7つのKO勝ちと3つの一本勝ち──判定勝ちのないジョーダンとしては、フィーリの前足=左足をローで削れば、パンチ力を半減させることもできるだろう。
ただし、至近距離ではパンチを被弾することもジョーダンは少なくなく、一発の被弾が明暗を分けることも十分にありえる。とにかく両者とも、パンチを効かせたあとのかさにかかった攻撃は農耕民族でなく、狩猟民族の血を大いに感じるところだ。試合の組み立て方としては、蹴りが使え、本当の意味でもスイッチヒッターのジョーダンの方が選択肢が多いが……果たして。
■UFN172対戦カード
<女子フライ級/5分5R>
ジェシカ・アイ(米国)
シンシア・カルヴィーロ(米国)
<ミドル級/5分3R>
カール・ロバーソン(米国)
マーヴィン・ヴェットーリ(イタリア)
<バンタム級/5分3R>
マラブ・デヴァリシビリ(米国)
レイ・ボーグ(米国)
<フェザー級/5分3R>
アンドレ・フィーリ(米国)
シャルル・ジョーダン(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
ジョーダン・エスピノーサ(米国)
マーク・デラロサ(米国)
<ライト級/5分3R>
チャールズ・ロサ(米国)
ケヴィン・アギラー(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
ジュリア・アヴィラ(米国)
ジナ・マザニー(米国)
<フライ級/5分3R>
ライアン・ベノイト(米国)
タイソン・ナム(米国)
<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・グリフィン(米国)
デリック・マイナー(米国)