女子フライ級5分5R。ヒバス8位、ナマユナスはノーランカー。
初メインとなるヒバスはフライとストローの両方で戦っており、ストロー級でも7位。ジェシカ・アンドラジもそうだが、2階級で戦っているとそれだけ試合のチャンスが多く、フライ級では2勝2敗だがメインに抜擢されている。バックボーンは柔道で、ブラジルのナショナルチームに入っていたこともある。女子柔道家に多い、首投げ→袈裟固めを得意とするスタイルだが、それでバックも奪われることがある諸刃の剣。30歳。
ナマユナスはフライ級完全転向の意向のためストロー級のランキングからは外れているが、前戦のフライ級初戦ではマノン・フィオロに敗れており、フライ級未勝利のためフライ級でもノーランカー。しかしストロー級時代の実績で女子P4Pランキングでは8位につけている。2度の王座戴冠では、当時の絶対王者ヨアンナとジャン・ウェイリーをKOしており、いずれもダイレクトリマッチでも判定勝ちしている。タイトルを失ったカーラ・エスパルザ戦では両者異様に手が出ない展開のままスプリット判定負け。同じタイトルの3度目の戴冠はさすがにモチベーションが上がらないのか、前回からフライ級に上げている。鋭いパンチが武器だが、フライ級転向初戦のフィオロ戦は1Rで人差し指を骨折して拳が握れなくなってしまい敗れた。31歳。
ジャブを打ち込むナマユナス。ヒバスのパンチはかわす。組み付こうとしたが組ませないナマユナス。ヒバス離れ際に右をヒットさせた。またジャブを入れるナマユナス。ヒバス間合いを詰めるとボディロックからテイクダウン。ナマユナスすぐに腕を小手に巻いて立った。ケージに押し込むヒバスだが、ナマユナスは腹にヒザを打ち込む。放した。ナマユナス左ボディ。左ストレートが顔面を捕らえる。組んだヒバスが得意の首投げで投げた。しかし投げられた勢いを利用してさらに半回転させ、ナマユナスが上を取る。ハーフから肘を入れるナマユナス。ホーン。
1Rナマユナス。
2R。右を打ち込んだナマユナス。ヒバスカーフキック。ヒバスのパンチをかわして左を当てるナマユナス。ヒバスバックスピンキックを腹に打ち込む。パンチ連打からまたバックスピンキックを放ったヒバスだが空振り。両者積極的に手を出している。ナマユナスタックル。テイクダウンしたがヒバスは押さえ込まれる前に立ったヒバスまた首投げ。こらえたナマユナスだがヒバス前転して膝十字。早めにヒザを抜いてディフェンスしたナマユナス。立つとヒバスまた払腰で投げようとしたが潰され下に。ハーフで押さえ込んだナマユナス。パウンド。ガードに戻したヒバス。三角を狙うが、ナマユナス密着して入らせない。脇腹を殴る。下から腕を取るヒバスだがホーン。
2Rナマユナス。
3R。左ハイを放ったヒバスだが、ブロックして右を入れたナマユナス。ヒバス左ハイ。バックスピンキックは空振り。ナマユナスが蹴りでスリップしたがすぐに立った。ヒバスカーフ。ヒット&アウェイを繰り返すナマユナス。パンチで出たヒバスにナマユナスタックル。テイクダウン。すぐに立つナマユナスだが、胴を抱えたヒバスが後方に投げる。しかしまた押さえ込ませずに立った。ケージに押し込むナマユナスだが、ヒバス大外刈りでテイクダウン。得意の袈裟固め。向き直ってハーフで押さえ込んだヒバス。肘を入れる。亀になったナマユナスからバックマウントへ。しかし時間がない。ナマユナスはヒバスの右腕を掴んで耐える。ホーン。
3Rはヒバス。
4R。ヒバスのパンチをかわしつつナマユナスがパンチを打ち込んでいくが、出てきたところにヒバスもパンチを合わせていく。カーフ。ナマユナスの飛び込みにスピードが無くなってきた。ナマユナスタックルへ。ヒバス前転して足関を狙ったが下になる。下から三角を狙うヒバスだが、ナマユナスはハーフの体勢で入らせない。ガードを取り直したヒバス。ナマユナスは体を起こさずにパンチを打ち込んでいく。残り1分。ヒバス三角へ。両腕を入れて防いだナマユナス。密着してパウンドを入れ続けホーン。
4Rナマユナス。
5R。ヒバスはまだ元気な動き。ナマユナスはヒバスのパンチの打ち終わりに打ち返していく。ナマユナスの動きが落ちたのか、スピードに慣れたのか、ヒバスがナマユナスの入り際にパンチを合わせていく。手数が減っているナマユナスだが、勝っていると認識しての逃げ切り態勢か。バックスピンキックを頭部に入れたヒバス。ニータップを狙ったナマユナスだが止められて離れる。ヒバスのローに右を合わせたナマユナス。ヒバス圧を強めるが、出るタイミングでパンチを合わせる。タイムアップ。
49-46×2、48-47の3-0でナマユナス勝利。
終盤失速した感があるナマユナスだが、それまで勝っているという認識があって無理をしなかったか。ヒバス得意の首投げや下からの仕掛けは対策していたのか、しっかりと攻めを潰していた。今回はフライ級でも体格差がないヒバスが相手だったから良かったが、これからバンタムから落としてきたような相手とどこまでやれるかはまだ疑問。
ヒバスは初5Rの割に最後まで動けていた。一方で、ポイントで負けているにもかかわらず、フィニッシュを狙いにいく攻めが見られなかったのが残念。