ヘビー級。
ディニスはライトヘビー級王者アレックス・ペレイラと同じく、ブラジルの元トップキックボクサー。ディニスはGLORYでは2勝4敗と結果は残せなかったが、ACBキックボクシングやFFCではタイトル戦の経験もある。MMAに転向したのは2年前・30歳の時で、全試合1R勝利でコンテンダーシリーズに出場し、そこでも1RKO。UFCデビュー戦はUFC0勝1敗の元NFLファイター・オーステン・レーンとの対戦で、1Rにテイクダウンを奪われると凌ぐので精一杯だったが、2Rにはタックルを切って打撃を入れKO勝ち。しかし1Rの対処を見る限り、MMAへの適応についてはまだ時間がかかるように見えた。33歳。
ウィリアムズはレスリングでオリンピックを目指していたが、諦めてMMAに転向すると、31歳での遅いMMAプロデビューを果たす。2022年にコンテンダーシリーズで勝利しUFCと契約すると、ここまで3連勝中。初戦はグダグダの判定勝ち、2戦目はカーフを効かされたがジャブの手数で判定勝ち。前戦はジャスティン・タファからテイクダウンを奪って攻める展開だったが、3Rにカウンターのアッパーをもらって効かされるピンチに。しかしテイクダウンで凌いで逃げ切り、UFCデビュー以来の連勝を3に伸ばした。が、前戦はウィリアムズのテイクダウンが良いというより、タファのTDDが拙すぎた感がある。34歳。
ともに別競技から30歳を過ぎてMMAに転向してきた者同士だが、ディニスはキック、ウイリアムズはレスリングからの転向でスタイルは対照的。
両者ジャブで距離を測る。ワンツーを打ち込むウィリアムズ。ウィリアムズの左が入り一瞬ぐらついたディニス。ケージを背負うが、出てきたウィリアムズにパンチがヒット。下がったウィリアムズ。ケージを背負う。ディニス一転活き活きとしだした。警戒にパンチを打ち込む。カーフキック。インロー。左ハイ。ウィリアムズ距離を詰めてきた。ディニスがケージを背負ったところでタックルへ。しかしすぐに差し返して入れ替え離れるディニス。逆にディニスが詰めてくる。左フック、インロー。ホーン。
1Rディニス。
2R。ディニスがパンチで攻める。左右のフックをヒット。カーフキック。詰めてきたウィリアムズにまたカーフキック。ウィリアムズ右オーバーハンド。ディニスがジャブから右オーバーハンド。左フック。ディニスもウィリアムズのパンチで鼻血を出している。プレスしたディニスが右オーバーハンド。さらに圧を強めてパンチを入れる。ケージまで下がったウィリアムズ。右フックをもらう。左ボディ。ウィリアムズもパンチを返したが、ディニスがプレスし続ける。カーフでぐらついたウィリアムズ。タックルの素振りを見せるウィリアムズだがカーフをもらう。残りわずかでディニスがハイキックからパンチを入れる。ホーン。
2Rディニス。打撃のダメージが蓄積してきている。
3R。ディニス左ボディ。カーフ。足が流れたウィリアムズ。左ハイ。右フック。余裕があるディニス。またカーフ。効いている。左フック。効いた!ケージを背負ったウィリアムズ。ようやくタックルへ。切りきれずに倒れたディニス。背中を向けて立とうとしたところをバッククリンチからまた投げた。テイクダウン。ディニス下からホールディング。ケージで体を起こそうとする。立たせないようにしているウィリアムズだがフィニッシュが必要。ディニスは立つより凌いでの勝利を選択。下からホールド。残り1分。ウィリアムズがパウンドを入れるがKOできそうにはない。両手でパウンドを入れるが、ディニスニーシールドで距離を取る。タイムアップ。
判定で30-27、29-28×2の3-0でディニス勝利。
勝ったディニスだが、相変わらずテイクダウンディフェンスと下になった際の対処には穴があった。
ウィリアムズはUFCデビューから4戦目で初黒星。3Rを見る限りもっとテイクダウンを仕掛けていればかつチャンスはありそうだったが、KOされる寸前まで仕掛けに行くことができなかった。もったいない。