【Special】WithコロナのJ-MMA─01─佐伯繁DEEP代表に訊く<後編>「ここに感染者がいるという気持ち」

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【写真】DEEP97の計量後も予防対策について、選手に注意点を挙げて説明し、注意喚起を促していた(C)MMAPLANET

COVID19のパンデミック、地球はニューノーマルの時代を迎えた。日本でも4月と5月の緊急事態宣言を経て、6月から経済活動が再開も、事態が終息することはない。

それでもJ-MMA界はどのスポーツと比較しても、活動を持続し──正解がないなかで予防対策を各々が施してイベントを開催してきた。

今回はDEEP佐伯繁代表のコロナと共生するインタビュー、後編をお届けする。

<佐伯繁代表インタビューPart.01はコチラから>


──そして、どこまでの関わりのある人の検査を実施するのかという部分でも関係してきます。

「レフェリーとジャッジの検査は前日の人間もいれば、当日と人もいます。で、そこで陽性者が出ると外れてもらう。もちろん、濃厚接触者が出る以前にチェックをします。でも、そこでレフェリーやジャッジに複数の陽性者がいると、陰性の人だけで回せるのかという問題もあります。

そういうことまで考える必要になってきて。それは何も競技運営陣だけでなく、スタッフも同じですよね。興行という回さないといけないモノに関わっていると、当日検査のリスクもあります」

──ハイ。野球、サッカー、プロレス、全員が全員、当日に検査をしているわけでもないしですし。おのずと限界もあります。

「その通りなんです。実際に人数を減らしてお客さんにきてもらっている。ならお客さんの検査をするるのか、と。そこを検査しないと、絶対はないですから」

──それはもう、不可能といって良いかと。

「ハイ。これはね、選手、関係者、メディア、お客さん、皆が『ここに感染者がいる』という気持ちでソーシャルディスタンスを取り、手指消毒を徹底し、マクスを外さない。手を口、鼻、目に持っていかない。そういうことを徹底するしかないんです。トイレや控室も、そうです。

実際、会場からも厳しく指導が入りますからね。設営の子が暑くてマスクを外す。これだけで注意されます。だからセコンドでマウスを外したり、客席にいる選手が大声で指示を出すなどは、もうご法度なんですよ」

──その通りですね。そこが個人の自覚という部分で。

「もう選手の会場入りから、全て密にならないよう気を使う必要があるんです。抗体検査、抗原検査、PCR、実施日、色々とできることは違いますが、やって意味がないことはないです。その時点でも、無症状の感染者を見つけることに通じますし。

だから格闘技大会を開くうえで、僕らも抗体検査をして陽性になった人がPCR検査を受けるということはやらないといけないと思っています。専門家は10日に1度PCR検査をすべきだと言いますけど、そんなことは今の日本では無理です。

それでも社会活動を再開したのだから、格闘技イベントを開くには抗体検査を複数回し、誤陰性や誤陽性があったとしても、回を重ねること。そうやって誤差を減らしていく。今では抗体キットもありますし、最低限のこととして大会を続けることで抗体はやっていく。でも、それで防げるのかといえば、確率を下げるだけです。

マスクを会場で絶対にする。飛沫を飛ばさないことがどれだけ大切かということです」

──飲食店でお客さんに抗体検査を──とまでは言わずとも、従業員に抗体検査をしているところがどれだけあるのか。じゃぁメディアは取材をするのに、何かしらの検査を受けているのか。そういうことになります、今の社会活動は。

「もう格闘技のジムも、フィットネスジムも開いているわけですしね。お金があれば隔離をして、大会が終わってから検査をすれば、そこから感染者が出たとしても拡大は防ぐことができます。でも……」

──誰がそこまでできるのか、ということですね。

「そうなんです。お客さんを入れる時点で、もう感染リスクは高まるわけです。中止という事態を起こさない。感染者を出さない。出た時は拡大を防ぐ。それだけの準備をしていないといけなくて。でも絶対はない。ここに感染者はいる。そこをね、頭の片隅をおく。ましてや自分が陽性かもしれないわけです。答えはないですけど、お客さんが入っているという事実を考えて予防対策をするしかない。

そうやっている間にPCR検査の身近になるのか、ワクチンが開発されるのか。そこまで、ベストを尽くすしかないんです。状況は1カ月ごと変わりますしね、計量、試合数、スタッフの数から気を引き締めてやる必要があります。

と同時に選手も、もう少し新型コロナウィルスに関しては勉強してほしいですね、ここは」

──選手に限らず、イィ年をして抗原をPCRと勘違いしている現場の人間もいました。

「いや、抗体検査をPCRと書くマスコミもいましたからね。もっと勉強してほしいです。そして予防対策をすることは当然で、それでも今、会場内に感染者はいるという気持ちで、緩めてはいけないということなんです。

これは一つ一つの団体の問題じゃない。だから、何かあったことは真実を伝えてもらって、共通認識にしていきたい。そいう気持ちもあります……本音を言えば、ですね」

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