リオ五輪グレコローマン59kg級銀メダリスト太田忍が12.31『RIZIN.26』に参戦


 2016年リオ五輪レスリング男子グレコローマン59キロ級銀メダルの太田忍(26)が、大みそか決戦「RIZIN.26」(さいたまスーパーアリーナ)に電撃参戦することが本紙の取材で明らかになった。太田は21日の「RIZIN.25」(大阪城ホール)に登場。総合格闘技(MMA)転向を表明する。人並み外れた身体能力と抜群の格闘技センスで、日本グレコでは実に16年ぶりの五輪メダルをもたらし、昨年の世界選手権も制した「忍者レスラー」が満を持してリングに殴り込む。

 世界の頂点を知る男が、ついに総合格闘技デビューを果たす。五輪銀メダリストデビューの舞台となるRIZINの榊原信行CEO(57)は「待ったなしで大みそかを用意しました。(レスリングのスタイルではフリーより)グレコローマンのほうが総合格闘技に向いているとも言われますし、ベースにレスリングがあるのはストロングポイント。打撃の部分も、実戦を重ねる中で、自分の中に取り入れていければとても楽しみです」と期待を寄せた。

 MMAにはレスリング時代からなじみがある。数年前からは自前でミットを購入。練習や遠征に持ち込み、ハイキックやパンチのミット打ちを体幹強化や試合前のアップに応用するなど、早くから打撃の練習も取り入れてきた。

 観客に魅せる試合にも常にこだわった。上半身のみの攻防であるグレコは試合が硬直することがあるが、太田はこれを一番嫌った。素早い身のこなしと豪快な胴タックルやがぶり返しで、大歓声を起こしてきた。国内外のレスリングファンは太田を「忍者レスラー」「ファンタスティックレスラー」と呼ぶ。観客を意識するプロフェッショナルな姿勢は、MMAの世界でも大いに発揮されるはずだ。

 何より、毎年世間の注目を集める大みそか決戦でプロデビュー戦が組まれるのは、大きな期待の表れだ。気になる対戦相手については、早ければ21日の大阪城大会「RIZIN.26」で発表となる見込み。世界の頂点を知る、天性の格闘家の第一声に注目だ。

☆おおた・しのぶ 1993年12月28日生まれ。青森県出身。小学1年時に八戸キッズ教室でレスリングを始める。山口・柳井学園高時代の2010、11年に全国高校生グレコローマン選手権連覇。日体大に進学し、12年世界ジュニア選手権でグレコ55キロ級銅メダル。15年全日本選手権グレコ59キロ級を制すると、翌年のリオ五輪で同級銀メダルを獲得した。19年世界選手権グレコ63キロ級で優勝。165センチ。

 本日開催の『RIZIN.25』の休憩明け辺りに正式に発表されそうです。


 こちらは10月1日のゴング格闘技の記事です。

 2016年リオデジャネイロ五輪のレスリング男子グレコローマンスタイル59kg級銀メダリストの太田忍(26)が、所属するALSOKを「一身上の都合により30日付で退社」。報道によると、総合格闘家に転向する可能性があるという。

 レスリング界では、2019年全日本選手権フリースタイル65kg級準優勝の中村倫也(25)が4月に、総合格闘家転向を発表済み。さらなる大物と言える銀メダリスト太田の転向はあるのか。MMA(総合格闘技)での可能性を追った。

 太田は、以前から広く格闘技に興味を示しており、自身のYouTubeチャンネルでは、現WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人とボクシンググローブを着用してのマススパーリングや、柔道家のドンマイ川端(龍)とは、道衣有り・道衣無しでスパーリングを敢行。MMA(総合格闘技)ファイターでは浅倉カンナ、三浦彩佳、渡部華奈らともコラボしている。

 また、ジム生をONE ChampionshipやRIZINに送り込んでいる大沢ケンジ和術慧舟會HEARTS代表とは、グラップリングと、MMAのオープンフィンガーグローブを着けてのミット打ち、ボクシンググローブでのテイクダウンまでのシュートボックス等にトライ。得意のがぶり返しでの豪快な投げ、下から脇を差してのブリッジによるスイープなど非凡な才能を見せている。

 スパーリング後、大沢は太田に思わず「MMAやろうよ」と勧誘。太田は、「即答で『ハイ』とは言えないですね。一応、パリ五輪を目指してるんですけど……31(歳)になっちゃうので、そっからだと遅いじゃないですか。興味はすごくあります。RIZINとかも見にいかせてもらってますし」と、興味はあるとしながらも、「しっかりレスリングに区切りをつけたら。(MAMの練習は)レスリングの強化にもなりますし。MMAいいなあ、でもね、これがMMAの選手になったらしんどんだよ。いまは楽しいけど」と、揺れる思いを語っていた。

 太田は1993年12月生まれの26歳。プロデビューが26歳だった大沢は、太田のポテンシャルについて、「スタート地点から(レベルが)高い。26歳でのメダリストのMMA転向はあまりないから話題になります。際が強くて絶対に抑え込めないし、打撃と首極める技・フロントチョークがあれば、時間がかからずにトップに行ける。2年で世界と戦える」と太鼓判。

 続けて「早いうちに来た方がいい。メダル(獲得)から近ければ近いほど値が高い。このダイヤの原石を磨かないわけにはいかない。ちょっとでも磨けばピカピカになるし、注目は尋常じゃない。太田さん、俺に2年ください」とあらためてMMAにスカウトしている。

 大沢ケンジも絶賛していました。続きを読む・・・
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