22日(金・現地時間)、フロリダ州マイアミのフォー・アンバサダーズ・ビルディングにてグラップリングイベントFight 2 Win(F2W)161が行われた。
前週の160大会に続き、地元フロリダ勢を多数集めて開催。コロナ禍にもかかわらずシーンを盛り上げた同大会レポート最終回はノーギ王座決定戦の模様をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi
<F2Wノーギ・ヘビー級王座決定戦/10分1R>
ホベルト・アブレウ(ブラジル)
Def. by 判定 3-0
ティム・スプリッグス(米国)
ファイトスポーツ・マイアミを主宰するサイボーグことアブレウは、地元の大声援に乗って登場。年末に40歳となった大ベテランだが、昨年は現役世界王者カイナン・デュアルチからヒールフックで一本勝ちを収めるなど、名だたる強豪相手に全勝を収める充実ぶりだった。
対する2018年のノーギ・ワールズ王者のスプリッグスは昨年は試合出場せず、これが復帰戦となる。この試合には当団体のノーギ・ヘビー級タイトルが懸けられた。
試合はスタンドでの探り合い、いなし合いが続く。スプリッグスはしばしばアームドラッグを狙うが、二回りほど分厚い胸板を誇るサイボーグのバランスは崩れない。サイボーグは逆にギロチンを狙う素振りを見せて圧力をかける。
5分過ぎ、サイボーグの右腕をたぐったスプリッグスは飛び込んでシングルレッグへ。そのまま押してゆき、ステージから転落しそうになる前にレフェリーのブレイクが入った。
6分経過し──今度はスプリッグスの頭に一瞬触れたサイボーグがダブルで突進。これまた場外に落ちそうになったところで、サイボーグが自ら停止してスプリッグスの安全を確保し、ブレイクに。
試合時間は残り3分半。次はスプリッグスがダブルで飛び込む。それを受け止めてがぶったサイボーグは、前進しながらの小外掛けでテイクダウンに成功した。クローズドガードを取ったスプリッグスは、やがてガードを開いて柔術立ちを試みる。それをサイボーグが追いかけて寝かそうとしたところで、またも場外ブレイク。試合はスタンドから再開となった。
残り1分。しきりに腕をたぐるもサイボーグを崩せないスプリッグスに対し、サイボーグは再び頭を触れてからのダブルレッグで二度目のテイクダウンに成功。そのままサイドポジションに入るが、サイボーグの頭を抱えたスプリッグスもすぐに立ち上がった。
終了間際、後のないスプリッグスはイマナリロールに。それをいなされるとさらにシッティングから仕掛けを試みるが、サイボーグは付き合わず。場内のファイトスポーツ勢が大声でカウントダウンをする中、試合終了。2度のテイクダウンを奪ったサイボーグが判定3-0で勝利した。
スタンドでの探り合いに時間の大半が費やされ。凡戦と呼ばれても仕方のない試合内容だったが、地元の英雄の勝利に場内は大喜び。柔術が盛んなフロリダにて、地元有名選手を大量に出場させてシーンを盛り上げたF2W新年2大会のメインは、サイボーグの戴冠によってハッピーエンディングの大団円となった。
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