RIZIN.26:予想と展望

第1試合・ミノワマン vs. スダリオ剛

来月45歳になるミノワマン。日本人最多の試合数を誇るが、ここ数年間は体型こそそこまで緩んでいないものの、身体的な衰えが顕著な上に、技術的には全くアップデートされていない。試合でもどうやって勝つかというビジョンも見えず、ファイティングスピリットも感じられない。もはやゾンビ格闘家。戦う気持ちがないのなら、年齢的にも区切りになるかもしれない試合。相手はビギナーなので、足関等のハメ技で勝つルートはあるかもしれないが、今のミノワマンはそこにパウンドをもらって一方的にやられる未来しか見えない。

スダリオKO勝ち。

第2試合・中原太陽 vs. 倉本一真

10年前、戦極(SRC)のバンタム級アジアトーナメントで決勝に進出していた中原だが、決勝戦を行う前に団体が消滅。以降、海外のイベントで試合をしていたが、38歳で3年のブランク。

レスリングエリートの倉本だが、嫁さんが金メダリストという話題性での起用か。豪快なジャーマンで投げて会場は沸かせたが、岡田遼にはしっかり対応され、勢いが止まったところでキャリアの差を露呈しKO負けでMMA初黒星。RIZINでトップクラス相手に戦える実力があるかは微妙だが、ブランクのある中原に豪快に勝てば継続して呼ばれる可能性はありそう。

倉本KO勝ち。

第3試合・未発表 vs. シバター

 「知名度のあるYouTuberをリングに上げるのが世界的な潮流」ということで実験的に起用されたシバターだが、日本においてはボビー・オロゴン金子賢など、有名人をリングに上げる手法自体はすでに手垢がついている。対象がテレビに出ている有名人ではなくYouTuberのシバターというのがお茶の間にどう評価されるかはわからないので、榊原CEOが言う通り実験的な起用だろう。その結果、シバターが最高視聴率を取ったりしたら(ないと思うが)、来年以降のRIZINはどうなってしまうのだろうか。

相手は色物ではなくちゃんとした格闘技の選手ということだが、だったらシークレットにせず事前に発表した方が良かった。どうしたってバラエティ感が出る。さすがにシバターにも内緒ということは無いだろうが。本来はミノワマンあたりが知名度や実力のバランスが一番いいのではないかと思ったが。

第4試合・浅倉カンナ vs. あい

格闘代理戦争では浅倉カンナに惨敗した古瀬に誤審気味のレフェリーストップ(腕十字)で敗れたあいだが、プロデビュー後は5連勝中。しかしやはりまだルーキークラスの相手としかやっておらず、前戦はBellator JAPAN(後のRIZIN提供試合)でRIZIN参戦経験のある6勝8敗のアンディ・ウィンにスプリット判定勝ち。内容は負けに近かった。テイクダウンは取れてもその先がなかった。

浅倉はあいと同様レスリングがバックボーンの山本美憂にはテイクダウンを奪われ敗れているが、レスリングのレベルでは山本美憂とあいでは比べ物にならないので、苦戦することはあっても負けることはないと予想。

浅倉判定勝ち。

第5試合・佐々木憂流迦 vs. 瀧澤謙太

RIZINバンタム級トップクラスとは若干差がある者同士。瀧澤は武器の打撃がグラウンドの警戒が必要な相手だと活かしきれないというのが、前回の10月の扇久保戦でも露呈していたが、この短期間では解消されていないだろう。テイクダウンと打撃を混ぜられたら佐々木ペース。瀧澤は最初にいい打撃を入れてペースを握ることができるかどうか。

佐々木一本勝ち。

第6試合・吉成名高 vs. ペットマライ・ペットジャルーンウィット

50kgのムエタイが大晦日の観客の前で受け入れられるかどうか。前回の名高の試合は実力差があったから、名高が圧倒することで観客の目を惹きつけていたが、同レベル同士の攻防がどう受け止められるかが気になる。

第7試合・所英男 vs. 太田忍

MMAから遠ざかっていた所。てっきりセミリタイアしたものだと思っていたが、グラップリングの試合に出た様子を見る限りはちゃんと動けているし練習もできているように見える。寝技での実力差は相当あるので、総合デビュー戦の太田はグラウンドに持ち込ませずに打撃で勝負する作戦になると思うが、持ち込まれることを怖がるようだと思い切った打撃が出せなくなり、勝つのは難しくなる。

所一本勝ち。

第8試合・萩原京平 vs. 平本蓮

 前の試合と同じく総合デビュー戦の平本がグラウンドに持ち込まれないようにしなければならないが、萩原にはテイクダウンするだけの力も、した後に立たせないようにキープする力も、立つ前に極める力もないので問題無さそう。それがあって警戒させることができれば、打撃での勝負もできるのだが。

平本KO勝ち。

第9試合・カイル・アグォン vs. クレベル・コイケ

鳴り物入りRIZINデビューの柔術クレベル・コイケだが、相手が地味強のアグォン。矢地相手にはなかなかテイクダウンが奪えず苦戦する場面もあったが、アグォンをまともにテイクダウンするのは難しいだろう。スタンドでバックに回ってからグラウンドに持ち込んでそのままチョークでフィニッシュできる展開が理想だが、抜けられて立たれるようだとお互いスタンドで攻められない展開になりそう。

クレベル判定勝ち。

第10試合・元谷友貴 vs. 井上直樹

裏メイン。寝技勝負になったらどちらが上か読めないが、ここまでの相手のレベルと勝ち方を見ていると元谷の方が強いのではと思える。

元谷判定勝ち。

第11試合・浜崎朱加 vs. 山本美憂

未発表のXを除くと、ミノワマンや所よりも年長の46歳の山本。それでここまで戦えているのだから恐れ入るが、やはり女子の全体のレベルが男子に比べて高くないからこそ、他競技のトップレベルの選手がそこそこ通用してしまうのかなという気がする。

同じレスラーの浅倉は、相手の良さを消して勝てた山本だが、浜崎レベルだと厳しい。浜崎一本勝ち。

第12試合・五味隆典 vs. 皇治

そもそも試合をする予定ではなかった五味。体重差があってなお、不安のある膝への打撃を禁止するルールでの試合。グローブも、通常は8オンス~10オンスのものなのが、試合では使われることのない12オンスに。これで皇治のKO勝ちはほぼない。しかし五味もどこまで動けるか不明。判定決着もありだが、各ラウンドではイーブン、トータルジャッジではドローもありのルールで、明確な差がなければジャッジもポイント差をつけづらいだろう。ただ、通常ありえない体重差なので、皇治にとっては一切リスクがない試合。玉砕覚悟でKOを狙いに行く可能性もあるかもしれない。

ドロー予想。

第13試合・朝倉未来 vs. 弥益ドミネーター聡志

修斗王者斎藤と互角だった未来だけに、前DEEP王者ドミネーターともそこまで差はないはず。ただ、未来がいつも通りのカウンター待ちのスタイルだと、ドミネーターは崩すのが難しくなりそう。乱戦に持ち込めればドミネーターにもチャンスがあるが、未来の作戦次第か。

未来判定勝ち。

セミファイナル・那須川天心 vs. クマンドーイ・ペットジャルーンウィット

ムエタイのトップ選手だが、本来53kg前後で、57kg契約での試合は初めてというペットジャルーンウィット。天心は55kgまで落とせるが、最近はほぼ57kg~58kgで、天心よりの契約体重。せっかくムエタイのトップを連れてくるなら、できれば同階級の選手との対戦が見たかった。もうボクシング転向が既定路線の天心だが、その前にKNOCKOUTでやっていたように同階級のムエタイトップ選手と肘ありで対戦するのがもう一度見たい。

天心KO勝ち。

メインイベント・朝倉海 vs. 堀口恭司

ベストの状態なら今でも堀口が優勢だと思うが、膝の手術がどこまで影響しているか。本人は「膝が壊れて元に戻すことを目指していたが、元に戻ることはない。動かないなら動かないなりの違うスタイルでもいいと開き直っている。スタイル的にも今までとは違う」とインタビュー(→記事)で語っており、影響があるのは間違いないが、実戦で試さずぶっつけ本番で臨むのが吉と出るか凶と出るか。

堀口判定勝ちと予想。

第1試合開始は午後2時から。その前に、RIZINチャレンジマッチのオープニングファイト・さくら vs. 竹林エルが午後1時10分ころから開始とのこと。速報します。

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