【写真】MMA将光メソッド、非常に興味深いモノだった (C)MMAPLAET
5日(金・現地時間)にONE116 03「Unbreakable 03」が中継され、同放送でファブリシオ・アンドラジと戦う佐藤将光。彼がシンガポールに渡る週の練習をABEMA TVのTHE WONDERが追っていた。
MMAPLANETではABEMAのカメラが捉えた佐藤独特の細かい打撃が織り交ぜられたスパーリング、そして今回の試合について尋ねた。そこで聞かれた──独特な戦いの感性、同時に一歩も引かない打撃ができる佐藤のMMA観に触れると、MMAとは創意工夫と実践だと改めて気づかされた。
──太腿へのヒザを始め、組みのなかのちょっとした打撃をこれほど多用するスパーリングは見たことがなかったです。スパー相手の太腿にカカトが入り、悶絶して動けなくなるシーンもありました。
「よくやるんですけど、僕は四つがあまり強くないから差し合いだと勝てないんです。
だからわざと押し込ませて、凌ぎながら削るということを心掛けています。カカトで太腿や脹脛を狙って。で、打てる時にアッパーやヒジを入れる感じで。これでテイクダウンできないと、相手の方が疲れてくれるので」
──かなりゴツゴツ入れているように見えました。
「カカトは皆が凄く嫌がるので、最近は少し抜くようになっています。ただ僕のなかでローとボディはOKなので、打ち抜いてきたのが……それもダメージが溜まるので『止めて』という声が多発したので、やはり抜くことが増えています(笑)。この練習をしていると、打撲とかは絶えずあるとは思います」
──このゴツゴツとしたスパーリングは、ずっと行ってきたことなのでしょうか。
「ここ3年ぐらいですね。でも基本的に坂口道場が狛江にあった時、土曜日のスパーリングはガチでした。互いが熱くなってくると、結構ダウンしていることとかありましたし」
──ガチスパーは行っていることろはあるかと思いますが、このガツガツと細かい打撃を出すスパーは出稽古に行った時は、できないですよね。
──怒ってくる選手はいないですか(笑)。
「それはないです。ただ嫌そうにはしていますけど」
──この練習があるからこそ、佐藤選手のMMAは組みと打の融合が進んだのだと思えました。
「やっていないと、やっぱり試合で使えないですからね。試合でも相手は嫌そうにしていますし。それが僕の武器なので。思い切り力があるとか、寝技がめちゃくちゃ強い選手ではないので、ああいうところで戦っていかないと勝てない。小技はたくさん使っています(笑)」
──小技というか、発想力が豊かだと。
「これイケるんじゃないかなって思ったことは、全部練習で試しています。それでハマったモノを使うようにして。普通は下から殴るって合理的じゃないですけど、それをすることでイライラしてくる選手がいます。
そうこうこともあるので、やっぱり練習で試す必要がありますね。モモカンとか、クォン・ウォンイルも嫌がっていて。意識がそっちに行った時が、次の攻め時になる。効いてくると、対応が雑になるので」
──ホントに興味深いスパーリングが見ることが出来ました。ところで、秋ごろに小耳にはさんだことなのですが、11月にONEの試合が一度決まった。そうでなかったら、修斗で岡田遼選手と修斗で統一戦を戦っていたかもしれないと。
「う~ん、そこまでは明確な話は進んでいなかったです。9月ぐらいに、11月にビビアーノとの話が進んでいるということがあって、それがないなら修斗に出ると伝えていました。
結局、そこからずっとONEから返答はなくて。ギリギリまで修斗の後楽園ホール大会まで引っ張って、最後は去年の間にビビアーノ戦がないなら、キックでも良いから試合をしたいとお願いしました。
そういうことがあったので、11月の修斗でグラップリングマッチが決まりかかっていたんです。相手の名前もちゃんとあって。そういうギリギリの状況だったので、修斗で統一戦をできるような状態ではなかったですね」
──結局、グラップリング戦も組まれなかったですね。
「大会の1週間前ぐらいにONEから12月に組むから、ここで試合をするのは控えてくれという連絡がきたんです」
──その時、自分たちもビビアーノに挑戦できると思っていました。結果的にビビアーノではなくて、ファブリシオ・アンドラジになり、時期も12月ではなく1月までずれ込みました。
「まだですか、まだですかって聞いていて。試合まで40日を切ってからアンドラジで来ました。でも試合が1月か2月になりそうだと聞かされた時点で、相手は誰でも良いから組んでくださいとお願いしていたんです。
だからビビアーノでなくても、試合が組まれて良かったというのが一番でした。1年も試合をしていなくて、ビビアーノを持っていたらいつになるか分からない。僕が先に引退することになってしまいます(笑)」
──その過程においてジョン・リネケルとケビン・ベリンゴンの試合が決まった時、どのように感じましたか。
「実は……ならビビアーノが来るんじゃないかと期待したんです。でも、リネケルが勝って暫らく試合がないとなると、これはビビアーノとリネケルを組むなって」
──ベリンゴンの敗北は、どのように捉えましたか。
「トータルでできる選手ではないので、打撃で負けると引き出しがないですよね。だから、そんなにショックを受けたというのはなかったです。でも、もう少しできると思っていたのでやっぱりリネケルは強いんだなって。ベリンゴンは最後、気持ちが逃げていましたよね。ああなっちゃうと、リネケルのような選手は強いですね」
──ONEで世界王者になったベリンゴンのあの負けは、悔しくはなかったですか。
「ちょっとレベルの差を見せつけられましたね。仮にも元チャンピオンで、ずっとビビアーノとやってきた選手なので。まぁリネケルは強いとは思っていたのですが……強いですね。あの距離感とか、どうやって戦えば良いのかって考えましたね」
──そして、先ほど話していただいたようにアンドラジ戦が決まりました。彼の名を聞いた時は、どのように感じましたか。
「ぼんやりと……アイツかなって。マーク・アベラルドとやっていた、アイツかと」
──タイのドメスティック大会で、MMAを成立させるためにブラジル人ムエタイ選手を担ぎ出したと思っていたら、いやコイツは怖いぞと、正直なところ驚かされました。そしてこのタイミングで佐藤選手に当ててくるのかと。
「そうっすね。ランキングに入っているなら良いですけど、ランキングに入っていないであの選手なのは、嫌な強さがありますよね」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App
■ONE Unbreakable 03対戦カード
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)
<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)
※2020年12月18日に収録
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