【Road to ONE02】田中路教とグラップリング戦、宮田和幸「今は失うモノがないので、極めたいです」

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Kazuyuki Miyata【写真】昨年3月にはBrave FightとGrachanの合同興行で引退式も行ったが、そのヘラクレスボディに変わりはない(C)MMAPLANET

4月17日(金)に開催されるRoad to ONE02で、田中路教とグラップリングマッチで戦う宮田和幸。

一昨年大晦日にMMAを引退した宮田だが、Quintetに出場するなど組み技では実戦をこなしてきた。それでもBraveというジムを持ち、選手のマネージメントばかりか大会を開催するなど多忙な宮田が、新型コロナウィルス感染拡大で、今も大会を行う姿勢を持ち続けている同大会で田中と戦う。

なぜ、今、ここで五輪レスラーの肩書を持つ宮田が戦う必要があるのか。そして、田中とのグラップリングでは何を見せたいのかを訪ねた。


──いきなり失礼な話なのですが、世の中がこのような状況ですし宮田さんは、今大会欠場するのではないかと思っていました。引退した選手が、試合も練習も社会的に何を言われるか分からないという時ですし。

「正直、大会は中止か延期で試合がなくなると思っていました。ただ……現役の時にサステインの坂本一弘さんと口約束的だったんですけど、修斗に出場すると言っていたことがあったんです」

──そんなことがあったのですね。

「ハイ。2012年の年末ですかね。それが三崎和雄選手の引退大会をHEALEOがDEEPとやることになり、僕がメインで戦うことになって(※キム・ジェウンに勝利)、日程がかぶってしまったんです。相手は誰だったか……若手の強い選手と戦う約束していた大会に出られなくなって。その時は坂本さんにもお詫びにもいきました。

だから今回、坂本さんから話をもらって……Road to ONEという大会ですけど、これであの時の約束を果たせる。そこに尽きますね、今回試合に出るのは一番はそこです」

──では、オファーがあった時に気持ち的に楽になりましたか。

「そうですね。グラップリングは練習していますし、これからも機会があれば試合に出ようと思っていたので。あの時の約束を果たせます。それにこの大会を開くということは色々と大変なことがあるでしょうし、総合だったらアレですけど出ないとは言えないです」

──階級はONEのフェザー級、70.3キロです。当日計量ですが、MMAを戦っていた時の事実上1階級上の体重で戦うというのは?

「現役の時と体は変わっていないですし、普段から太らないようには心がけています。体重も70キロから71キロなので、朝ごはん食べないで出れば大丈夫です」

──そこまでシェイプを保っているのですね。では対戦相手の田中選手については、どのような印象を持っていますか。

「本来は1階級下の選手ですよね。ただ僕は筋肉があるからデカく見られますけど、そうでもないですし……レスリングの時と同じで、引退するときは若い強い選手とやりたかったんです。田中選手も30歳になるかというところですけど、世代の違う強い選手と戦いたかったので良い相手だと思います」

──グラップリング練習はどのぐらいの頻度で行ってきたのでしょうか。

control「ほぼ毎日やってきましたよ。出稽古はしないので、Braveの芦田(崇宏)だとか、武田(光司)とかと」

──単純に気になってしまうのですが、DEEPライト級チャンピオンで同じくレスリング出身の武田選手とグラップリングの練習をして、どちらが強いのでしょうか。

「グラップリングだけだったら、まだ内弟子達に負けることはなないですね。大丈夫だと思います」

──!! 宮田さん、えげつないですね(笑)。

「まだ練習しているんで、そこは(笑)」

──2016年3月のGrandslamで宮田さんが先ごろ引退した金原正徳選手とグラップリングマッチをした時、試合早々に肉離れを起こしてしまったことが、今も残念でならないんです。レスリング五輪代表とケージレスリングも猛者の対決として、凄く楽しみにしていたので。

「DJ taikiと試合をしたときに太腿を肉離れして、あれからずっと調子が悪い時だったんです。で開始早々にタックルを切った時に、ブチっといってしまって。あの時は寝技よりもレスリングをやろうと思っていたのに、それができなくて……ディフェンシブな試合になってしまい、見てくれている人達に申し訳なかったです」

──その状態で金原選手の攻撃を切り続けたのは、逆にとんでもないことかと思います。

「いや、あの試合は金原君が僕のケガに気付いていなかったから、凄く慎重になっていたと思います。彼が気付いていたら、やられていました」

──気付かせなかったのも化け物ですね。あの試合があるからこそ、今回はという意気込みはありますか。

「そうですね……あの試合もそうですが、DREAMで戦っている時にフェザー級は日本人が多くて、1試合でも負けたら干されるというのがあり、極めよりも勝ちに走っていました。

今は失うモノは何もないですし、とにかく極めたいなと思っています」

──このルールは宮田さんが最も得意とする部分かと。

「そうだと思います。絞って65キロ、当日計量の70キロなら凄く自信があります。出稽古は殆どいかないのですが、たまに他のジムの選手が来てくれて手を合わせても、まだやられることはないですし」

──田中選手が『テイクダウンできる』と言っていましたが。

「レスリングに関しては正直、僕も最近はやっていないから……最近というかずっとやっていないので何ともいえないです」

──えっ?

「でも、そう簡単には倒れないとは思います」

──日本ではレスリングはいつまでもテイクダウンという風に見られがちですが、この試合に注目する目の肥えたファンは宮田さんのコントロールと、田中選手のスクランブルに注目しているかと思います。

haedrock「ホントはレスリングは散々やってきたので極めを見せたいんですけどね。でも田中選手は完全なMMAファイターだし、寝技を見たい人がいるのかなってところで、正直迷っています(笑)」

──いや、もうそれは勝利を目指してどのような戦い方でもしてください(笑)。

「そうですね。レスリングで勝負するのか、寝技に持っていくのか。下からもできなくはないので。何がきても対応できるようにしたいです」

──ケージレスリングに関しては、どのように捉えられていますか。

「ケージレスリングはそんなに得意じゃないです」

──え~っ!!

「レスラーはケージは嫌いだと思います。ケージがないと無敵ですけど、ケージには特殊な技術が必要になってくるので、僕はそんなに得意じゃないです。でもレスリング技術の差で補っちゃっています」

──ジムにもケージは置かれているじゃないですか。

「内弟子は使っていますけど、僕はそんなに使わないです(笑)」

──なるほど。まだまだ予断は許さないかもしれないですが、この試合を楽しみにしているファンに一言、お願いします。

「最近、グラップリングが世界的に流行してきて、僕も得意な分野なので楽しんでもらえればと思います」

──もちろんコロナ収束後になるかと思うのですが、またグラップリングで戦う意向は持たれていますか。

「ハイ、アブダビに出たいです。前から出たかったんです。良いルールだし。足関節の対処は重要になってきますが、指導もしていかないといけないので、僕も足関節は採り入れているんです。そういうところで戦っていくのも楽しみです」

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